水路から『助けて 助けて』 日本語が分からなくても 手を差し伸べたインドネシアの技能実習生たち 帽子・手袋も渡して高齢女性の命救う
「助けて…」
冷え込む1月の夜、水路に取り残された高齢女性。
とっさの判断と連携で命を救ったのは、インドネシアから来た技能実習生たちでした。
自転車で帰っていたら…
1月15日午後8時半ごろ、農業技能実習生として働くプジ・アテュンさん(24)、ノヴィタ・ローマー・ダンティさん(24)、ウィヴィア・ワティ・フィルダ・サプトリさん(21)の3人は、熊本市西区の仕事場から自転車で近くの宿舎へ帰っていました。
その途中、水路から女性の声が聞こえたのです。
2時間以上取り残されていた
3人は、深さ約1mの水路に転落している高齢女性を発見しました。女性は80代で、散歩中に水路に落ちて足を打撲していました。
水路に水は流れていなかったものの、自力では出ることができず、2時間以上取り残されていたとみられています。
女性は水路の中で『助けて、助けて』と言っていたのです。
去年10月に日本に来たばかりの3人は、言葉は分からないものの、女性の足と上半身を抱えて水路から引き上げました。
寒空の下…言葉の壁を超えた
3人は、日本語が分かる同僚のニラ・ヌル・マリサさん(30)とエルリ・ウィディヤワティさん(40)の助けを借りて、警察に通報しました。
「家はどこですか?けがはありますか?」
女性を座らせて警察の到着を待つ間、ニラさんと高齢女性の会話が続きます。
ニラ・ヌル・マリサさん(30) 「寒いから、手を触ったら冷たくて。手袋や帽子を、おばあちゃんにあげました」
その後、女性は駆けつけた警察に保護され、念のため病院に運ばれたということです。
「家族を思い出しました」
1月29日、熊本南警察署から5人に感謝状が贈られました。
ニラさん「おばあちゃんを見ていると、自分の家族を思い出しました。(表彰について)最初は緊張したけど、嬉しかったです。困ったことがあったら助けてあげなければいけない。当たり前のことです」
農産物の梱包作業に従事する5人。「インドネシアにいる家族のために、これからも頑張りたい」と話します。
警察は「発見が遅れれば命に関わる事態になっていたかもしれず、言葉の壁を越えて通報につなげてくれたことに感謝したい」と伝えました。

