ニコニコ動画ニコニコ生放送などの動画サービスを提供するニコニコが、一部のMastercardでの決済を一時停止すると発表しました。一時停止の理由や取り扱い再開の見通しについては明らかにされていません。

【重要】一部Mastercard®で有料サービスの決済一時停止と変更手続きのお願い|ニコニコインフォ

https://blog.nicovideo.jp/niconews/207309.html

ニコニコ公式の発表内容は下記の通り。

いつもニコニコをご利用いただき、ありがとうございます。

諸般の事情により、2023年11月8日(水)22時頃から、一部Mastercard®で有料サービスの決済を一時停止させていただくこととなりました。

急なご案内となり大変申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。


発表の中で、ニコニコは一時停止の理由を明らかにせず、取り扱い再開の見通しについてはFAQで「現時点ではお答えいたしかねます」と答えるにとどめました。

ニコニコとMastercardの間では、直近で「猫動画」を巡って不和が生じていたことが明らかになっています。

問題の「猫動画」は、eiz5963氏が公開していた「汚い仔猫を見つけたので虐待することにした(1匹目)」というタイトルのもの。元ネタは拾った猫をかいがいしく世話する様子をそっけなく書いた「猫虐待コピペ」で、内容は虐待とはほど遠いものですが、2023年10月7日に非公開化されています。

eiz5963氏が自身のユーザーページのプロフィール欄で公開しているニコニコからのメールによると、非公開化はMastercardからの要請だったとのこと。

いつもニコニコをご利用いただき誠にありがとうございます。

この度、当サービスに投稿された動画コンテンツに対し、

クレジットカードブランド(マスターカード社)から非公開要請があった為、

下記の対応を取らせていただきました。

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対応内容:

対象コンテンツの非公開

対応理由:

クレジットカードブランド(マスターカード社)からの要請に従い非公開【動物虐待、児童虐待、自傷行為、不適切なアダルトコンテンツを含む動画が存在しており、違法もしくはブランド棄損に当たる禁止商材に該当】

対象コンテンツ:

汚い仔猫を見つけたので虐待することにした(1匹目)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm24461077

補足:

本件については一定期間の動画投稿禁止措置は行っていません

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本件のようにクレジットカードブランドからの指摘や要請があった場合、

クレジットカードブランド側の判断で、ニコニコ全体でのクレジットカード利用を制限される場合がある為、

本件対応に至っていること、何卒、ご理解、ご了承の程、よろしくお願いいたします。

ただし本件については、当社としてもクレジットカードブランドが指摘する内容が正確なものであるとは疑わしい為、

クレジットカードブランドに対し、事実確認や、改めての内容精査要請を行わせていただきます。

その上で、クレジットカードブランドから対応撤回の要請があった場合には、

改めてご連絡の上で、動画を復旧させていただきます。

しかしながら、動画の復旧可否についてはクレジットカードブランド側の判断になる為、

当社から動画復旧や回答できる期日をお約束できるものではないこと、予めご承知おきいただければ幸いです。

本対応に対する異議・お問い合わせにつきましては、本通知を受領した日を含め3日以内に、ニコニコ管理者に対し、下記のフォームよりご連絡ください。


メール文中に「当社としてもクレジットカードブランドが指摘する内容が正確なものであるとは疑わしい」とあるのは、ニコニコ側が前述の「猫虐待コピペ」を知っているからだと考えられますが、結局、当該動画は非公開化から1カ月後の2023年11月8日に削除されました。

Mastercardからの「非公開要請」を受けてニコニコが非公開状態にしていた動画が、最終的に削除された理由は不明です。

本件のように、カード会社がプラットフォームのコンテンツを「検閲」するのは初ではなく、2020年にアダルトサイトのPornhubが違法コンテンツで収益を上げている疑惑が持ち上がった際にクレジットカード大手であるVisaとMastercardが即座に決済を停止したことで、Pornhubは決済再開のために1300万本以上のムービーのうち未承認ユーザーによるムービー約1000万本を全て削除することを余儀なくされました。

Pornhubに対するVisaとMastercardの決済停止処分は「事実上の検閲」にあたるという指摘、決済停止によるセックスワーカーの困窮を懸念する声も - GIGAZINE



2022年のPornhubの児童ポルノ関連の裁判において、Visaが「VisaはPornhubによる児童性的虐待コンテンツの収益化を支援したと推測可能」との裁定を受けて裁判の被告になるなど決済事業者の責任が追求されるなか、決済事業者側はプラットフォームが取り扱うコンテンツについて厳しく取り締まるようになっています。

2022年にはDMMがMastercardとの契約を終了したほか、ピクシブ株式会社も自社サービス内の決済を伴う取引に関する利用規約の改定のお知らせにおいて「国際カードブランド等の規約」について注意書きするなど、カード会社によるコンテンツ内容への規制の圧力が強まっていることがうかがえるニュースが相次ぎました。

なお、Mastercardはこうした検閲行為だけでなく、ユーザーから収集した購買データを販売している点についても問題視されています。Mastercardのデータ販売の問題点については下記の記事で解説しています。

「Mastercardはクレカユーザーから収集したデータの販売をやめるべきだ」という主張に電子フロンティア財団が賛同 - GIGAZINE



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