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そんな上昇志向が強いオトナのために、東カレ編集部が厳選した“ワンランク上の自分になれるための本”を紹介します。

最近活字離れが進んでいる貴方も「5分だけ」読んでみてください!

今回、ご紹介するのは『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』加藤紀子著(ポプラ新書)。

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「子どもには、英語ができるようになってほしい」

でも、インターナショナルスクールに通っているわけでもなく、帰国子女でもない。

日本の教育システムの中で、どうやったら海外の大学に行けるほどの英語力が身につくのか、と悩んでいる方にオススメの一冊です。

本書では、具体的な英語の勉強方法、留学に関するお金の話、留学後どんな道が開けるのかなどが学べます!

▼INDEX
1. 機械翻訳が進化したら、英語を学ぶ必要はなくなるのか

2. 幼児期から英語を学ぶことって効果あるの?

3. 子どもが海外の大学に進学するために、親ができること

4. 本書のココがすごい!



1. 機械翻訳が進化したら、英語を学ぶ必要はなくなるのか



子どもの習い事メディア「SUKU×SUKU(スクスク)」が行った人気の習い事に関するアンケートによれば、英語はスイミングに次いで第2位。小学校入学前から始めている子どもは3人に1人の割合だ

英語教育を取り入れる保育園・幼稚園のほか、近年では英語で保育を行うインターナショナルプリスクールも台頭している。

このことから、保護者の中に、「わが子に英語を身につけさせたい」根強い願望があることがうかがえる。

といっても、近年は機械翻訳の精度が大きく向上している。

これからの未来を生きる子どもたちにとって、英語はもはや苦労して身につける必要もなくなっているのか

これに対し経済学者として活躍するイェール大学の成田悠輔助教授もこうした時代に英語を学ぶ意義について「NewsPicks」のインタビューでこう語っている。

「自動翻訳の性能がちょっとやそっと向上しても、英語の言い回しや声色からにじみ出る相手の感情を読み取るとか、リアルタイムの言葉の往復のもとで心と心を糊でがっちりくっつけるみたいな部分は、その言語を体に染み込ませた人にしか難しいでしょう。

どんなに凄腕の同時通訳者を雇ったとしても、通訳を介している時点で失われるものがあるのと同じだと思います」

また英語を習得する過程で得るものがあるとも指摘している。

「ノンネイティブが英語を学ぶ過程で、自分の英語がどこまで行っても下手だし、伝わらないし、呆れられるし、聞き取りもできないという現実にぶつかります。ネイティブの中にいると、自分が明らかにコミュニケーション弱者だと痛感させられます。

自分を弱い立場に置いて、弱者としての自分に出会う経験ってすごく貴重だと思うんです。

こうした経験をすると、『弱い立場に置かれた時の自分』を強く認識しますし、自分をマイノリティの立場に置いて相手の文化や価値観に触れることになります。

お互いの文化や価値観の違いを認識する技術として、英語の役割はまだまだ残り続けるのではないでしょうか

このようにむしろ今、英語を学ぶことの意義が高まっているといえるのではないか。

本書は、日本で生まれ育ち、高校までインターナショナルスクールではない日本の学校で教育を受け、そこで身につけた英語力で海外の大学(ケンブリッジ、イェール、ハーバードなど)に進学した人たちへの取材をもとに書かれている。

果たして帰国子女ではない彼らがどうやって日本の教育制度の下、海外大学で学べる高いレベルの英語力を身につけ、そしてその英語力は留学先でどのように磨かれていったのか。

高校まで日本語で日本の教育を受けながら海外の大学進学レベルまで英語力を伸ばしていくのに、何か秘訣はあるのか。


2. 幼児期から英語を学ぶことって効果あるの?




はじめに、「幼児期から英語に触れることの効果」について本書に書かれていることを紹介する。

幼児期から英語を習ってどのくらい効果があるのだろうか、と疑問に思ったことがある人は多いだろう。


児童英語教育と第二言語習得に詳しい上智大学短期大学部の狩野晶子教授によると、特に幼児期に伸びるのは、「聞く力」

狩野教授は、「小学校の間は、読み書きをかっちりさせるのではなく、意味のある英語を楽しくたくさん聞くことで、英語の音に慣れさせることが大事」だという。

個人差は大きいものの、2,000から4,000時間聞くと、ある程度英語で意味が取れる聞き取りの力が育つといわれている。

だが、学校の授業で週に1回1時間程度、英語に触れたとしても、年間で35時間。3,500時間聞くには約100年もかかってしまう。

学校や英語教室だけに頼らず、毎日少しずつでも、家庭で英語を聞く機会をつくってあげることが効果的なのは明らかだ

となると、やはり「英語は早く始めないと身につかない」のか。

逆に、英語を習得するには早く始めないと「手遅れ」になってしまうのか。

ペンシルバニア大学教育学大学院のバトラー後藤裕子教授は、「外国語学習環境では、語彙や文法の習得に関しては、ある程度認知機能の発達してきた小学校高学年あたりから始めた方が、乳幼児期から始めるより効率がいいことが実証されている」といっている(『英語学習は早いほど良いのか』)。

アメリカ・イェール大学で助教授をつとめ、現在は英語塾「J PREP」の代表である斉藤淳氏もダイヤモンド・オンラインの記事で「子どもの見よう見まねで覚えた英語というのは結局のところ『子どもレベルの英語』です。

そのままでは社会に通用しない」といい、英語教育を長期的な目線で捉えれば、一定の知性に裏打ちされた大人の英語をマスターすることが大切だと語っている。

幼児向けの英語教室などでは「大きくなってからでは遅い」といった早期教育を煽る言葉を投げかけられるかもしれないが、幼児期には「聞く力」は伸ばせるものの「臨界期(*)」についてはまだ仮説の域を出ていない。(*臨界期とは、「人間の脳には学習するのに適切な時期があり、その時期を過ぎると学習が非常に困難になってしまう」という考え方)

したがって今のところ英語を学び始めるタイミングに「手遅れ」があるとは言い切れない。

幼少期から英語を学ぶうえで注意したいのは、親が焦らないこと、子ども自身が望んでいないにもかかわらず英検のようなもので成果を求めすぎないこと




子どもを早い段階で英語嫌いにさせないように、小さなうちは無理なく楽しめているかが大切だ。

聞く能力に優れていることを意識しつつ、英語を通じて広がる楽しい世界に触れさせてあげること。

それこそが将来子どもの英語力を伸ばす上でのゆるぎない基礎となってくる。

本書を通して著者が一貫して伝えていることは、こういった英語を勉強したいという「内発的動機づけ」の重要性だ。

モチベーションには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類がある。試験の点数や順位などの結果で褒めるのは典型的な「外発的動機づけ」。

一方で心の内側から溢れる興味や関心から行動に繋げていくのが、内発的動機づけ。

日本から海外の大学に進学するレベルの英語学習は、外発的動機づけだけでは長続きしない。

内発的動機を高めるための方法が本書では様々な角度から紹介されているが、「親としてできること」という視点で、編集部がピックアップした箇所を紹介する。


3. 海外の大学に進学するために


?「英語は楽しい」という経験をさせる

海外大学を志向する人たちなら、幼い頃から習い事などで英語に触れていたのかと想像していたが、意外なことに「中学のABCからスタート」というケースが大半だった。

一方、習い事を通じて英語に早くから触れていた人たちにとっては、英語力そのものより、楽しい思い出や海外に対する憧れなど、習い事が英語に対するポジティブな動機づけになっていた。

カリフォルニア大学バークレー校を卒業した幸田優衣さんは、「小学校の時に家の近くにあったECCジュニアの教室は、自分にとって夢の世界だった。海外とは無縁の世界だったので、そこは初めての海外の文化との接点だった」といっている。

つまり、大事なのは、幼少期に英語嫌いになるような体験をさせないこと

英語力を身につけさせようと親や周りの大人が熱くなりすぎると、かえって英語嫌いを増長させる可能性がある。

第二言語習得の専門家である宮城教育大学の鈴木渉教授は、子どもの英語習得を促すには、保護者が子どもと一緒に英語の絵本を読むこと、楽しむことを勧めている(『英語学習の科学』)。

また、鈴木教授は、子どもが英語に興味を示さない場合には、一緒に海外アニメやドラマを見たり、英語村や海外旅行に出かけたり、英語話者との交流の機会を設けたりするなど、子どもが海外に関心を持つような工夫をその子に合った形で実現することが重要だといっている。

?英語は「欠かせないもの」と感じる環境を与える

海外の大学に行くためには、TOEFLなど世界を土俵にした英語の試験でスコアを上げることが必須だ。

そのために相当な努力が必要だが、自分自身の中から湧き上がるモチベーションがなければ、高い目標に向かって地道な努力は続けられない。

そのモチベーションは、海外への憧れというポジティブな感情だけではなく「英語なしでは前に進めない」「どうしても英語が必要だ」と感じる環境が、必要な場合もある

例えば、オレゴン大学を卒業した小此木さんは、高校2年生の夏に訪れたアメリカでのサマーキャンプでの体験がアメリカの大学を目指すきっかけになった。

「当時『ビバリーヒルズ青春白書』っていうドラマにハマっていて、その撮影場所の大学に行けるというので、ちょっと行ってみたいなぐらいの気持ちで参加しました。世界各地から同世代が集まって1ヶ月ほど一緒に過ごすプログラムだったのですが、日本人だけが会話の輪に入れていなかったんです。

それを見て『ヤバいな』って思って。将来、グローバル化が進んで、日本だけじゃなくて海外でも仕事をしなきゃいけなくなった時に、このまま日本で教育を受け続けてもダメだろうなぁと」




中高時代に海外から日本を客観視する経験をすることで、これまで当たり前だと思っていた価値観が揺さぶられて、日本の大学以外に進学する選択肢があることに気付くこともある。

第二言語習得の専門家で、早稲田大学の原田哲男教授によると、最新の第二言語習得論では、こうした英語を学ぶ上での「動機づけ」に関する研究が大きく進歩しているそうだ。

「最近の動機づけの理論では、第二言語を使う理想的な自分を具体的にイメージできる学習者ほど第二言語学習における動機づけが高いと考えられている。(中略)

英語力の向上には、将来の具体的なイメージを持てるかどうか、それが本人の内面からの要求であるかどうかがとても重要なのです

?やり抜く力(GRIT)を育てる

英語力という点では圧倒的に不利な、母語ではない第二言語での海外大学への挑戦は、英語のテストも、出願に求められるエッセイ(小論文)も、そう簡単に目指すレベルには仕上がりません。

何十回と練習したり、書き直したりすることにも挫けない粘り強さと情熱、やり抜く力(GRIT)が求められる。




そもそも、出願の時点から、必要な情報は自分で大学にコンタクトをとってコミュニケーションをとる能力が求められ、一筋縄ではいかない問題がしょっちゅう発生する。

その都度、頼みごとや交渉事を自分ですべて背負わなければなりません。

本書の中で紹介されているアメリカのリベラルアーツ大学を経てイェール大学院を卒業した砂山智美さんは、幼い頃母親からよく、「別にまちがえることは悪いことじゃないんだよ」と言われていたそうだ。

「中学では文法知識がこんがらがってしまって、英語は苦手でした。でもテストで良い点が取れなくても、私の母は『間違えたところを見直してできるようになればいい』といつも言ってくれたんです。

決して結果で評価することはなく、失敗もいい経験だと言ってくれる親だったから物理学者になりたいとかアメリカに行きたいとか、ハードルが高い進路選択でも情熱を失わず粘り強く前向きにやっていけたのかなって思います」

こうした数値では測れない粘り強さや、失敗してもめげない前向きさが第二言語習得とどう関係するかの研究は始まったばかり。

この点について加藤氏は、脳神経科学の知見から専門家の青砥瑞人さんにも詳しく取材をしている。

だが、ここまでに紹介した多くの海外大生へのインタビューを見る限り、英語力向上には「粘り強さや前向きさ」という姿勢が、大きく影響しているのではないだろうか。


4. 本書のココがすごい!



今回紹介した、『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』のすごいところは下記に集約される。

? 海外の大学に進学した人への取材と脳科学者などの専門家の意見をもとに、具体的かつ科学的に英語を学ぶ方法が提示されている。

? 海外留学にかかるお金の話やそのお金をどうやって工面するのか、といった策まで書いてあり実用的。

? 留学がゴールではなく、英語や留学経験がどう進路に影響するのかまでわかる!

? 「英語を学ぶのに遅いということはない、私にもできる!」とポジティブな気持ちになれる。




著者 加藤紀子氏 教育ライター/ジャーナリスト

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。

帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。

現在は教育情報サイト「リセマム」の編集長を務める。


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