およそ140mという深い穴に氷を落とすとレーザー銃のような音が鳴り響く理由とは?

南極の氷床に空けられた深さ450フィート(約137m)という穴に氷の塊を落とすと、「ビシュンッ!」というSF映画のレーザー銃を発射したような音が鳴り響くムービーがTwitterで話題となりました。なぜ氷の穴からまるで電子楽器で作り出したような音が鳴り響くのか、科学系メディアのScience Alertが解説しています。
Weird Video of Scientists Dropping Ice Down a Super Deep Hole Is Totally Mesmerising
同位体地球化学者であるジョン・アンドリュー・ヒギンズ氏がTwitterで公開したムービーが以下。
What does a 9 inch ice core sound like when dropped down a 450 foot hole? Like this! Credit to @peter_neff for the idea and @Scripps_Polar, @sciencejenna, @GeosciencesPU, @US_IceDrilling, and @paleosurface for the execution! pic.twitter.com/pW7LxKdbUB— John Andrew Higgins (@blueicehiggins) February 7, 2020
また、雪氷学者であるピーター・ネフ氏が公開した、深さ295フィート(約90m)の穴に氷を落とすムービーは記事作成時点で1000万回以上再生され、3万件以上のいいねを集めています。このムービーでは「ビシュン!」という音のほか、まるで心臓の拍動のような「ドン……ドン……」という音がムービーの最後辺りで響くのがよくわかります。
????????Sound ON????????
When #science is done, it's fun to drop ice down a 90 m deep borehole in an #Antarctic ???????? #glacier ❄️. So satisfying when it hits the bottom.
Happy hump day. pic.twitter.com/dQtLPWQi7T— Peter Neff (@peter_neff) February 28, 2018
氷の穴に氷の塊を落としているので、本来であれば「ガン」と硬いものがぶつかったような音が聞こえるはず。しかし、「ビシュンッ」といった、まるでシンセサイザーで作ったレーザービームのような音が鳴り響く理由について、ネフ氏は「ドップラー効果」が原因の1つであると指摘しています。
ドップラー効果とは、音や光といった波の発生源や観測者が動くことで波の周波数が変化する現象。たとえば、以下のムービーのように「救急車が通り過ぎるとサイレンの音が低く聞こえる」というのはドップラー効果の最も有名な例の1つです。ドップラー効果によって周波数が変化した音波が狭い穴から出てくることで、「ビシュン」といった音が聞こえるというのがネフ氏の主張。実際に氷を落とすムービーを見てみると、穴から聞こえる音程が少しずつ低くなっています。
ドップラー効果1 PowerShot SX230 HS - YouTube
そして、「氷が穴の底にぶつかると、音はまっすぐに上がるだけでなく、穴の側面に当たって跳ね返り始めます。そのため、あとから鼓動のような音がするのです」とネフ氏。何十mも深い穴の中で反響して重なり合うことで「ドン……ドン……」という音が最後に響くというわけです。
なお、ネフ氏が90mもの穴を南極の氷床に掘ったのは「およそ150年前の大気組成を調査するため」と、ワシントン大学のインタビューで語っています。
