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「足元が冷たくて眠れない!」「手がかじかんで困る!」。冷え性の筆者は、今の季節すでにこうした悩みを抱えている。リンナイによると、冷え性が改善する入浴方法があるという。冷え性に効果的な入浴方法とはどんなものか?冷え性の筆者と一緒に、調べていこう。【今週の住活トピック】
「冷え性と入浴に関する意識調査」を公表/リンナイ

あなたの入浴知識度をチェックしてみよう

まずは、リンナイの「入浴知識チェックシート」から、冷え性に関係のある5つの項目にチャンレンジしてほしい。

■「入浴知識チェックシート」より抜粋
□ぬるま湯より42℃以上の熱いお湯のほうが体が良く温まり、冷え性に良い
□冷え性の人はお風呂上がりに靴下を履くと良く眠れる
□半身浴より全身浴のほうが汗をたくさんかく
□入浴後、冷えないうちにすぐに布団に入ると良く眠れる
□湯船に浸かる習慣がある日本人より、湯船に浸かる習慣がない欧米人のほうが冷え性に悩む人が多い
(出典/リンナイ「冷え性と入浴に関する意識調査」のリリース)

正解は、「×・×・○・×・×」の順。あなたは正しく答えられただろうか?

筆者は3勝2敗。実際の設問は11問あり、正解9問以上が「入浴優等生」なのだそうだ。筆者は8問だったので、入浴優等生にはなれなかった。中でも、冷え性に関する設問で誤答が多かったのはショックだ。

よくお風呂に入る冷え性の人、実は間違った入浴法をしていることも?

リンナイの「冷え性と入浴に関する意識調査」によると、男性の40.6%、女性の72.0%が冷え性だと回答した。女性のほうが、圧倒的に冷え性が多いのだが、男性も4割は冷えに悩まされている。

冷えを感じる部位を聞くと、1位「足先」(89.0%)、2位「手先」(67.7%)が突出して多く、末端に冷えを感じている方が多いことが分かった。結果は以下、「脚」(19.7%)、「お腹」(19.2%)、「腰」(14.0%)、「二の腕」(7.3%)の順だった。かくいう筆者も“末端”冷え性だ。足先、指先などの「先」の次に、首、足首、手首などの「首」が冷えるので、ぜひ選択肢に入れてほしかった。

さてこの調査結果によると、冷え性の人と冷え性でない人に、入浴方法で違いが見られた。

冬の時期に、湯船に浸かることが多いか、シャワーだけで済ますことが多いか調査したところ、湯船に浸かる人が全体で67.7%と多数を占める結果に。なかでも、冷え性の人は71.2%で、冷え性でない人より湯船に浸かっている人が多いことが分かった。

「あなたは、冬の時期はお風呂に入る(湯船につかる)ことが多いですか?それともシャワーだけで済ますことが多いですか?」(単一回答)(出典/リンナイ「冷え性と入浴に関する意識調査」のリリースより転載)

ただし、「お風呂の温度」には注意点がある。冷え性の人は、41℃以上の熱いお風呂に入る人の割合が高いのだ。「入浴知識チェックシート」を監修した、早坂信哉先生によると「41℃以上の熱い湯は急激に体温を上げてしまい、体は懸命に体温を下げようとし、結果として体の温まりは長く続きません。体の温まりが長く続くのは、むしろぬるめの湯なのです」ということだ。

「半身浴」についても、注意が必要だ。半身浴をしているのは、全体で34.7%。実は、冷え性の人のほうが半身浴をしている割合は高い。

「あなたは、入浴するときに半身浴をしていますか?」(単一回答)(出典/リンナイ「冷え性と入浴に関する意識調査」のリリースより転載)

早坂先生によると「半身浴は心臓や呼吸器が悪い人にはお勧めですが、40℃の半身浴を10〜20分では十分に体が温まらない可能性があります。健康な人は湯温、時間はこのままで全身浴に切り替えてみてください」とうことだ。

冷え性の人におすすめの入浴法とは?

早坂先生によると、冷え性におすすめのお風呂の入り方があるという。

■お風呂に毎日入る
■基本は、40℃のお湯に全身浴で10〜15分

冷え性は、手足の末梢の血流が悪くなることで起きるので、体を温めて血流を改善させることがポイント。それには入浴が効果的なので、毎日お風呂に入るのがよいという。それには、熱すぎない40℃のお風呂に肩まで全身浴で10〜15分入るのが基本。長く入りすぎるとのぼせ(熱中症)を引き起こすリスクがあるという。

また、「40℃のお風呂に2〜3分浸かったあと、シャワーで30℃のちょっとぬるい湯を、冷えの気になる手足へ1分かける“プチ温冷交代浴”がお勧め」だというので、試してみてはいかがだろう?

バスルームの進化は目覚ましい。高い機能を活用したい

さて、ここまでだと入浴方法の紹介に終わってしまうので、筆者の専門領域である住宅について話題を広げ、最新のバスルームについて見ていきたい。

今のバスルームは、システムバスが基本だ。浴室全体が一体となってつくられているので、防水性が高いのが特徴。水はけのよい床材、魔法瓶のような構造で保温性の高い浴槽などがスタンダードになっている。「浴室暖房乾燥機」を付けて、あらかじめ浴室を暖めたり入浴後の湿気を乾燥させたりといった、便利な使い方ができるようにもなっている。

さらに、「ミストサウナ機能」(細かい霧状の温かいミストを発生させ浴室内に噴霧するもの)をプラスすれば、入浴後も体の温まりが持続するなど冷え性にも効果的。また、肩の高さからお湯が流れる“肩湯”ができるなど、新しい機能を持たせたバスルームも登場している。

バスルームの近年の進化は、実に目覚ましいものがある。こういったバスルームの機能をうまく活用することも、冷え性の改善には効果があるだろう。

ところで、「入浴知識チェックシート」の設問にあった、すぐに布団に入ったり、靴下を履いたりするのが良くない理由は、お分かりだろうか?手足から熱が放散して、体温が下がることで眠くなるので、入浴後90分後を目安に布団に入り、靴下は履かないほうが睡眠には良いのだそうだ。

また、冷え性は日本人特有のもので、欧米人にはない症状だというのは、羨ましい限りだ。


(山本 久美子)