日本代表DF長友佑都【写真:Football ZONE web】

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第2戦オマーン戦後、長友は北川について言及、若きアタッカーは何を思うのか

 日本代表が13日のアジアカップ・グループリーグ第2戦オマーン戦を1-0と勝利した直後、DF長友佑都(ガラタサライ)がFW北川航也清水エスパルス)の名前を挙げて「自分を出し切れていない、遠慮している」と評した。

 トレーニングでも2人が話し込む場面が見られたなか、22歳の若きアタッカーは何を思うのか。

 9日の初戦トルクメニスタン戦の後半26分、日本が直前に3-1とリードを広げたなか、MF南野拓実(ザルツブルク)に代わって投入されたのが北川だ。しかし同33分、北川が自陣でボールを奪われ、そこからカウンターを浴びた流れでPKを献上。これで1点を返されるも、3-2で辛くも逃げ切った。

 13日の第2戦オマーン戦(1-0)では、エースFW大迫勇也(ブレーメン)が右でん部痛で出場を回避し、北川が先発に抜擢。しかし思うようにシュートを放てないまま、後半11分にFW武藤嘉紀(ニューカッスル)と交代した。オマーン戦後、長友は「大迫の代わりではなく、俺がチームを変えるというくらいの気持ちがほしい。(北川)まだ遠慮してますよね」と指摘している。

 その後も長友と言葉を交わし、助言を受けたという北川は、貪欲な姿勢の重要性を理解しながらもチームのために考えることを強調した。

「FWなので、ボールが来ないと仕事ができないと思うし、ボールを要求するのはもちろんそうだし、自分が試合を決める気持ちを持つことも大事だと思う。それでもチームあっての個人だと思っている。みんなと良い関係を築きながらやれればと思う。得点に関わるプレーを貪欲に狙っていきますけど、まずチームが勝つこと。そのために何が必要かを考えてやりたい」

「得点が必要なのは分かっている」と語る一方、味方を助ける動き出しに確かな手応え

 長友は北川の能力を高く評価している一方、初戦のミスが尾を引いていると語る。「あれがあって、一層怖さとか不安が出てきたりするもの。ただ、それを引きずって代表でプレーしても後悔するのは自分」と触れており、ミスを恐れずにゴールを狙い続ける姿勢を求めた。

 北川自身も「自分に得点が必要なのは分かっているし、それがないと上に行けないのも分かっている」と課題を口にする。だが重ねるように、「分かっていますけど…」と再び話し出すと、次のように続けた。

「自分のところに相手が2枚いるから味方がシュートを打てているなと実感もしている。そこの自分の動き出しが無駄じゃなかったというのもポジティブに変えていければと思ってやっています」

 自身が囮になる動きで南野らのシュートを引き出しているという確かな手応えもつかんでいる。長友の助言を真摯に受け止めながらも試行錯誤を続けている北川。アジアカップでさらなる飛躍を遂げるだろうか。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)