交流戦MVPに選出されたソフトバンク・城所龍磨【写真:藤浦一都】

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「守備や走塁でしっかり貢献できた」、最大の持ち味を生かす

 ソフトバンクの城所龍磨が日本生命セ・パ交流戦の最優秀選手賞(MVP)を獲得した。城所は交流戦15試合に出場し、12球団最高の打率.415を記録したほか、本塁打5本、打点12、盗塁6でチームの2年連続最高勝率に大きく貢献した。城所には日本生命保険相互会社から賞金200万円が贈られる。

 22日、全体練習が行われたHAWKSベースボールパーク筑後で会見を行った城所は「うれしく思いますし、驚いています」と満面の笑顔を見せた。

「できすぎですね。1日、1日、昨日の結果は忘れて『今日、自分に何ができるのか』を考えてやってきました。ホームランはたまたまですが、守備や走塁でしっかり貢献できたと思いますし、それが自分の持ち味なので、これからもそれをやってきたいです」

 走塁・守備のスペシャリストとして1軍ベンチに欠かせない存在だった城所も、昨シーズンは骨折と脱臼で1軍出場はわずか1試合。それでもオフからトレーニングを続け、今シーズンは開幕1軍の座を獲得した。

「去年ケガでチームに貢献できなかったというか野球もできなかった。その1年間の思いをもってキャンプからやってきました。体重を81キロから75キロに落として、神経系まで意識がいくトレーニングをしたことで、自分でも体の変化というか、自分が思った動き、反応ができるようになった。今でもそのトレーニングは続けています」

一番印象に残ったのは2打席連続弾、「監督から『帰り、気をつけろ』と」

 しばらくはベンチで「待機中」の定位置に落ち着いていたが、5月18日の北海道日本ハム戦で代打3ランを放って以来、打撃が開眼。12年で本塁打1本だった男が、ここまで阪神戦での満塁弾を含む6本の本塁打を記録するまでになった。交流戦で一番印象に残っている試合は、2打席連続で2ランを放った6月12日の巨人戦だという。

「あれはお客さんも、監督・コーチも、ベンチの選手もびっくりしたと思います。監督からは『帰り、気をつけろよ』と言われました(笑)。自分が打ったんじゃない、誰かが打ったような、そんな感覚でした」

 賞金200万円の使い道について問われると「父の誕生日がもうすぐ(28日)なので、両親に何かプレゼントしたい」と一言。その後、「これから長く野球をやりたいので、サプリメント代に当てたいですね」と続けた。

「ボクはまだそういうサプリの知識が少ないので、監督にいろいろと話を聞いて勉強しようと思います。一度『高い方が効くんですよね?』って聞いたら、『バカか』って言われました(笑)」

交流戦で一番印象に残った投手は…

 交流戦で対戦した投手のほとんどが「初対戦だった」という城所。一番印象に残ったのは阪神の藤浪晋太郎だったという。

「藤浪がすごく近くに感じました。マウンドから15メートルくらいしかないんじゃないか、と。めちゃくちゃ(球が)速かったです。今回、いろいろな投手と対戦した経験値をプラスにしていきたいですね」

 今回のMVP受賞で、これまでとは違う注目を集めるだろう。6月度の月間MVPの候補として名前が上がっているが、「そんなプレッシャーかけないでくださいよ。甲子園の初日の夜も、内川さんと柳田からも(交流戦首位打者の)プレッシャーをすごくかけられたんですから」と笑った。

「今は(リーグ戦再開の)仙台の楽天戦の初戦でどうチームに貢献できるのかしか考えていません。代走でも守備固めでもいいし、スタメンならスタメンで、貢献できるチャンスがそれだけあるということですから。球数を投げさせるとか、粘って四球を選ぶとか、貢献の仕方にはいろいろあるはず。とにかくチームプレーをしっかりとやっていくことが今の課題です。

 チームは2位ロッテに7.5差をつけて首位を独走中だが、リーグ戦再開後は各チームがますます包囲網を強化してくるだろう。その包囲網を突破するためにも、城所がずっと『覚醒中』であり続けることを多くのホークスファンが願っている。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura