二人が向かったのは……(写真はイメージ)

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 昨年12月19日、東京・西東京市の一軒家で4人の死亡が確認された事件から5カ月が経過した。4月24日、野村由佳容疑者(36)が書類送検されたが、いまだ事件の全貌は明らかになっていない。その一面を知る人物が「週刊新潮」に語っていた「重大な証言」を改めて紹介する(以下、「週刊新潮」2026年1月15日号をもとに加筆・修正しました。年齢などは当時のまま)。

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刃物や結束バンド

 昨年19日、110番通報を受けて駆け付けた警察官が、一軒家の室内で野村容疑者らが倒れているのを発見した。

 警視庁詰め記者によれば、

「一家は5人暮らしでした。19日の夕方、野村さんの夫が仕事から帰宅した際、玄関のチェーン錠がかかっていた。なのに中からは物音がする。不審に思った夫が通報して警官と一緒に家に入ると、妻と息子たちが倒れていたわけです」

二人が向かったのは……(写真はイメージ)

 4人はそれぞれ、搬送先の病院で死亡が確認された。

「死因は、野村さんと高校生の長男が切創による出血死、次男と三男は首を絞められたことによる窒息死です。施錠されていたうえ第三者が侵入した形跡もなく、部屋には刃物や結束バンドが残されていました」

十数カ所の刺し傷

 この3日後には、建設会社に勤める中窪新太郎さん(27)が発見された。

「見るも無惨な姿で見つかりました。刃物による刺し傷や切り傷が十数カ所もあり、死後数日がたっていたとみられます」

 とは先の記者。

「現場は、東京都練馬区にある家賃11万円ほどの1LDKマンションの一室です。中窪さんの遺体はテープで目張りされた寝室のクローゼット内に入れられ、服が何枚もかけられていました。そばには消臭剤があり、室内に置かれた空気清浄機も稼働していた」(同)

 捜査が行われたきっかけは、現場となったマンションの賃借名義人が野村容疑者だったためだ。彼女はひと回り近く若い会社員と親密な関係にあったのだ。

パーカーのフードをかぶって……

 そんな野村容疑者が亡くなった日から、さかのぼること16日前の12月3日、水曜日……。

 実は、この日に中窪さんと野村容疑者が羽田空港へ向かっていたことが判明した。二人を空港に送り届けたというタクシー運転手は次のように明かす。

「その日の午後2時ごろ、駅のロータリーでお客さんを待っていたら、パーカーのフードをかぶった30代の女性がスーツケースを持って乗車してきたんですね」

 当然ながら、運転手はこの“女性”が野村容疑者だと知る由もなかった。だが、

「年末に警察が私を訪ねてきて事情聴取を受けたんです。話を聞かれている途中で、警察が調べているのが、いま話題になっている“西東京市の事件”のことだと気付きました。どうやら捜査の過程で、亡くなった女性を乗せたタクシーの領収書を見つけたようです。それが私のタクシーだった、と。警察からは二人を乗せた経緯や経路、当時の様子などを聞かれました」

「どういう関係なのか、違和感」

 その日、野村容疑者を乗せたタクシーが駅を出て向かった先は“練馬区のマンション”だった。中窪さんが遺体で発見された、あのマンションである。

「彼女はそのマンションで降りたんですが、“今日、この後、友だちと羽田空港に行く予定があるから、タイミングが合えば迎えに来てくれませんか”と提案されまして。ゆっくりと穏やかな口調でしたね。それで私の連絡先を伝えたら、1時間後くらいでしょうか、実際に彼女から電話がかかってきました」

 野村容疑者に呼ばれた運転手が再度マンションを訪れると、彼女は黒っぽい服装の若い男性と連れ立って現れたという。その男性は、報道で顔写真を目にした“中窪さん”その人だったと証言する。

「“友だち”と言ってたから、てっきり女友達だと思っていたんです。どういう関係なのか分からず、少し違和感がありましたね」

不自然な荷物

 運転手の違和感はそれだけではなかったという。中窪さんはスーツケースを二つも引きずりながら出てきたのだ。

「女性の分も含めるとスーツケースが三つという状態。車のトランクに入り切らず、スーツケースのうち一つは後部座席の真ん中に置かせてもらいました。どうしてこんなに大荷物なのか不思議に感じました。“夜逃げでもするのかな”と思ったほどです」

 二人が羽田空港からどこへ向かったのか気になるところだが、運転手は「分からない」と首をかしげる。というのも、

「車内で二人は全く会話をしていませんでした。空港まで1時間ほどの道中、二人は窓の外ばかりを眺めて、たそがれちゃってる感じというか……。どこか思いつめた雰囲気すらありました。結局、彼女の“19時のフライトに間に合うようにお願いします”という言葉しか聞いてません。運賃の支払いも女性がしました。男性は支払う素振りも見せなかったですよ」

 二人を降ろしたのは、羽田空港の第1ターミナル。ということは、国内のどこかに飛行機で移動したのだろう。

 それにしても週の真ん中“水曜日”の日中である。子どもたちを置いて旅行に出かけようとしたのか、あるいは“駆け落ち”ということなのか……。

 謎に包まれた“事件”に、さらなる謎が加わった。

デイリー新潮編集部