とんかつ新店・名店ガイド|編集部が選ぶ推し店10選を紹介
約2年ぶりの本格的なとんかつ特集に調査隊の気分もアガる!?新店を担当したライター菜々山&編集戎、名店の肥田木、町かつの星野、飲みかつの井島、各ジャンル担当の編集武内が取材を振り返りつつ推しの魅力を語ります!
とんかつを愛する同志に捧ぐ特集!
肥「およそ40ページの特集、茶色にあふれた誌面になったね。どこを開いても茶、茶、茶。茶色い料理は何でもおいしい。コレこの世の真理!」
武「男性には気軽なご馳走というイメージがあるし、“閉じない”かつ丼の流行やインバウンドでの人気の高まりもあって特集化しました。店に聞くとガッツリ食べる女性客も少なからずいるそうで」
星「その女性、私かも(笑)。とんかつってまさにご馳走感満載なビジュが食欲をダイレクトに刺激してくるし、何軒も食べ歩いて、毎度もう当分大丈夫です……と思うのに翌日違う店で登場した時にはきちんとワクワクさせてくれる。とんかつ様さすが!」
井「いやあなたの胃袋もさすがです(笑)。屈強な胃袋は我ら調査隊の強い味方!」
戎「う、羨ましい。僕は調査早々に胃がもたれて心が折れそうになりましたよ。特に高級リブロースは脂が強烈で。おいしいんです、おいしいけど2切れで充分。とほほ」
菜「読者のみなさんに一応お伝えしますと、彼は脂に弱い、いや激弱なんでね(笑)。でも確かに高級銘柄豚のリブロースとか“旨っ”ってなるけど、体質や年齢、その日の調子によって重く感じることもあるよね。普通の国産豚ならリブロースでも軽く食べられたりするから、私たち妙齢のお年頃はこっちの方が実は合ってるかも。とはいえここぞの時は高級銘柄を食べたい!」
『とんかつ多酒多彩 地蔵』リブロースかつ(180g)御膳2080円

『とんかつ多酒多彩 地蔵』リブロースかつ(180g)御膳 2080円 ご飯は粒のしっかりした山形県産はえぬき。野沢菜ご飯も選択可能
肥「ところで今回は“事件”があったって?」
菜「そうなの!リサーチでめちゃおいしくて新店の目玉になると思ってた店があったんだ。店主も快く取材を受けてくれて、いよいよ原稿を書くぞという頃合いで……」
井「で、で、で?」
菜「何と閉店が決定したと電話が!間借り営業だったから突然契約の打ち切りを言われたんだって。絶対紹介したかったのにぃ。ぐすん」
武「菜々山さんを泣かすのは激辛料理だけかと思ってました(笑)。でも他にいい推しを見つけたんでしょ?」
菜「うん!一番は『がぶう』。淡い色合いの衣に包まれた身は肉汁が滴るくらいジューシーで、豚肉料理の最高峰って感じ。値段は高いけど、それだけの満足度は確実にあると思うよ!」
星「確かにお値段はオトナ。新店は高級路線まっしぐらなんでしょうか?」
戎「高級系が多いと思うけど、なるべく価格帯の幅を持たせること&キャラが違うことを意識して、ご馳走系も日常系もどちらも選びました」
菜「日常系の代表格が『あげいけ』だね。火入れの技も抜群。ふらっと食べに行くならこんな店がいいよ!」
『とんかつ あげいけ』上ロースかつ定食1800円

『とんかつ あげいけ』上ロースかつ定食 1800円 揚げてから休ませ、中心までようやく熱が入ったベストな状態で供される。ご飯はとんかつに合わせて銘柄をブレンド。中盛りは280gとボリューム満点
戎「ここは僕が苦しまずにロースかつを完食できる(笑)」
菜「あと、リニューアル店として紹介した『KEITA』は開業時から本誌が注目してた店。正直、『完全予約制?めんどくさっ』と思ってたけど、ここは予約してゆっくり味わいたい店だわ」
戎「聞けばうちが最初に紹介したメディアらしいですよ。久々に食べたらめちゃ進化してた。戎ダントツ推し!」
菜「もう1軒『向陽亭』は塩やソース類以外にカツオダシの和風ダレもあるのが特徴的だった。調味料もこうやって広がっていくとさらにとんかつが面白くなるよね」
肥「食べさせ方然り、肉の選択、衣の表現、油の配合……店主の考え方は十人十色だよね。昨今のブームは白い衣や低温揚げ、部位別のコース仕立てなど1周も2周も回ってさらに多様化&進化中で、そのブームの土台となって支えるのが長年愛される名店。今回は老舗から行列店、洋食店まで揃えたけど、どこも店の味、自分の味を追求し続ける芯のある店ばかりだよ」
とんかつは定食でもつまみでも最高!
武「そうそう、『すぎ田』は編集部でも推しの店。昔、戎君と菜々山さんと肥田木さんと4人で行って全メニュー制覇&飲みまくってウン万円になったっけ(笑)」
『とんかつ すぎ田』とんかつロース2700円、ごはん300円、豚汁200円

『とんかつ すぎ田』とんかつロース 2700円、ごはん 300円、豚汁 200円 カリッとした薄衣が特徴。パン粉は老舗パン屋「ペリカン」から。豚肉は千葉産中心。創業時と同じ信頼の業者から質のいいものを仕入れる
戎「あの時は会計の時にヒヤヒヤで。飲み過ぎです!」
菜&肥「揚げ物でお酒が進むのは当然だもん、ね〜!」
井「同感。今回かつ飲みを担当した私もハマった。結論、とんかつはつまみです(笑)」
肥「おお、同志よ、そうでしょう、そうでしょうとも。でもね、この店はお米も生産者を指定するほどこだわっていて、今回の取材でとんかつ×ご飯はやっぱり最強のコンビだと再認識した訳よ」
武「ふぅん、いつもパンばっかり食べてるクセに(笑)」
肥「パンといえば『井泉』のかつサンドも改めておいしかったな。それに『いわい』の真摯な仕事と味にも惚れた。それにそれに『フリッツ』の洋食仕込みのかつもワインに合う〜」
井「結局お酒に戻ってる(笑)。でもそうなの。定食だけで楽しむのは改めてもったいないと思った。特に相性がいいと感じたのはオレンジワイン。複雑味もありつつ主張し過ぎない苦味と酸味がとんかつにちょうど合うんだよね。とはいえビールはもちろん、燗酒にも合うし、サワーやハイボールで油っこさをスッキリさせてもいい。数人集まったらロースやヒレなど数種を食べ比べもできる。もはやとんかつは夜に食べた方がいいんじゃない?」
『あげづき』南の島豚ロースかつ 2640円(数量限定)

『あげづき』南の島豚ロースかつ 2640円(数量限定) ※定食(ご飯・お味噌汁・お新香・1品)は+450円 肉をふわりと包み込むやや白めの衣も特徴。水分を逃さない粉の付け方など肉の魅力を引き出すよう全てにこだわる。「南の島豚」は宮崎の「永田種豚場」のみで生産される希少な銘柄。都内ではあまり出回っていないため、これ目当てに来る人も
菜「今度の女子会はかつ飲みに決定ね。で、推しは?」
井「味、手頃感、つまみの個性と充実度、お酒の楽しみなどトータルで『RonTan』かな。ワインはそこまで多くないけど焼酎やサワー類も豊富で、つまみも凝っていておいしい、しかも安い!これぐらい気軽にとんかつで飲めたらうれしい」
星「気軽さならやっぱり町場の王道とんかつ定食も推させてください!『みのや』は昔ながらの懐かしい味がササる名店。ロースも脂控えめで下味をしっかり効かせてるから白米が進みまくります」
武「ご飯が普通盛300gというボリューム。お腹いっぱいになりました〜」
星「でも決して胃もたれとかなく満足感だけが残るんです。それでいて定食が900円という安さ。銘柄とかにこだわりはないけど、明日も食べたいと思わせる不思議な魅力がある。日常の中で楽しむご馳走というのかな、地元民の胃袋を支えている店なんだなぁと思いました」
武「高級化が進むなか、そういう店がずっと残ってほしいですよね。実は人手不足や店主の高齢が理由で取材拒否の店も多かったんです。山手線のとある駅近『T』『W』、東急線沿線『M』等に断られたのは辛かった。あ、でも今回の取材は新たに知る知識や発見もあって面白かったです」
戎「お、例えば?」
武「ロースの方がヒレより高カロリーと思われてるけど、ある店主によればヒレは肉質に脂がない分、揚げ油を吸うのでロースより高カロリーになることもあるそうです」
菜「意外〜、でもとんかつを食べる時点でカロリー云々は封印してるけどね(笑)」
武「あと、ソースは衣につけるより肉の断面にちょいとつけて食べると肉の味がわかりやすいとか、粗めの衣のものはそのまま、細かめは少し味をつけると旨いと発見。気付けばとんかつのことばかり考えていて、もういいやと思っていてもまた会いたく、いや食べたくなるんですよね。推しかつシンドロームか。ブヒ」
肥「いろいろ豚化してる……」
星「さすがとんかつ様!」
文/肥田木奈々、撮影/大西陽(地蔵)、小島昇(あげいけ)、鵜澤昭彦(すぎ田、あげづき)
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