実力派トリオの電撃解散に「妙に納得」したワケ…現役芸人が感じる“昔より解散しやすい”時代の変化
この発表を知った時、現役芸人でもある筆者は驚きと同時に、妙な納得感もあった。昔に比べ、芸人が解散しやすい状況になっているからだ。
◆「ネクストブレイク」と期待されていたトリオ
トンツカタンは森本晋太郎、お抹茶、櫻田佑からなるトリオだ。「お笑いハーベスト大賞」は優勝、「NHK新人お笑い大賞」「ABCお笑いグランプリ」は決勝進出など、若手の登竜門的賞レースで存在感を示している。
トンツカタンは現在、ネクストブレイク枠として頭角を表してきたところだ。トリオの顔でもある森本は、テレビでの露出も増加。『ツッコミのお作法 ちょっとだけ話しやすくなる50のやり方』(KADOKAWA)という本も出版した。
YouTubeチャンネル「タイマン森本」は再生回数100万回を超える動画もあり、さらにはネット配信番組「BLACK or WHITE」(NewsPicks)で癖の強いタレントを活かすMC能力が評価され、いまや「ポスト上田晋也」との呼び声高い。
そしてお抹茶も今年の『R-1グランプリ2026』(関西テレビ、フジテレビ系)で決勝進出。奇想天外で独特の世界観のネタで、ファイナルステージまで進出するなど爪痕を残した。
◆3人の活動スタイルに「解散もやむなし」
ツッコミ能力の高い森本、天真爛漫なボケのお抹茶、そして飄々とした個性派である櫻田とバランスの良い3人に、知名度がついてきた矢先の解散。個人的にも驚いたし、正直「もったいない」という思いも強かった。
ただ、冷静になって3人の活動スタイルを見ると「解散もやむなし」と言わざるを得ない。
◆「ネタ」と「露出」のバランスは難しい
『バナナマンのしらバナ』(TBS系)という番組内では、バナナマンに「お抹茶が解散したがっている」という相談を持ち掛ける回があった。
その中でお抹茶は「森本は僕たち以外の人とネタをやっていて、それが寂しい」「森本以外のツッコミを入れたい」と吐露。森本はその高いツッコミ能力を活かして、他芸人たちとの絡みが多いことが気にかかっていたようだ。
森本もそれに対して、「(トリオとして)やりたい気持ちはあるが、自分以外の人とやりたいの止めてもいいものか」と悩んでいた。
おそらくお抹茶は「トリオのネタを第一にしてほしい」、森本は「まずは一人で売れて、トリオを引っ張って行きたい」というスタンスの違いがあり、これが埋めきれなかったのだろう。
現に森本が忙しくなるにつれて、トリオとしての活動や舞台数がかなり減っていた。森本が一人で露出すればするほど、トリオとしての活動が減る悪循環になっていたと言える。
「ネタ」と「露出」どちらを選ぶかという足並みが揃っていないと、コンビやトリオとしては活動が難しい。なぜかというと、どちらを重視するかで活動の仕方が180度変わってくるからだ。
「ネタ」を重視するなら舞台数を増やさなければいけないし、「露出」を選べば必然的に舞台数は減り、ネタを磨く機会がなくなる。実は活動を続けるにあたって、この価値観は一緒でなければしんどい、というのが現実だ。
◆ネットの普及で若手でも「食える」状態に
トンツカタンの解散を目の当たりにしても感じたが、最近、若手芸人の解散のハードルが低くなっている、YouTubeやSNS、配信などのプラットフォームが発展し、例えコンビを解消したとしても、「食えてしまう」ことが当たり前になっているのだ。
一昔前は解散してテレビや舞台の仕事が無くなれば、ネクストブレイク枠にいようが稼ぐ手段を失うということが当たり前。だが今、SNSでマネタイズ出来る手段さえ持っていれば、解散しようが明日から食いっぱぐれることがない。

