「築30年とは思えないほどピカピカ!」「新築みたい!」と、中古住宅の内見でテンションが上がるリノベーション済み物件。しかし、その輝きの裏には、買い取り再販というビジネスモデル特有の「構造的な弱点」が潜んでいます。
今回は、建築士でありホームインスペクターのさくら事務所執行役員CROの田村啓さんが、リノベーション済み物件の落とし穴と、プロが「ここだけは絶対に見る」と断言する最重要ポイントを解説します。

■ なぜ「リノベ済み物件」にはリスクが潜むのか?
買い取り再販(プロが買い取ってリノベして売る)物件は、ビジネスとして成立させるために「リノベーション費用」が真っ先に圧縮されやすい傾向にあります。
・相場という天井:そのエリアの相場が3,000万円なら、どんなに豪華にしてもそれ以上の価格では売れません。
・利益の源泉はコストカット:仕入れ値が高かった場合、業者はリノベ費用を削って利益を確保しようとします。
・「見た目」への全振り:限られた予算をどこに使うか? 業者は、内見時に感動を与えやすい「壁紙・フローリング・設備」を優先し、目に見えない「構造・床下・配管」を後回しにしてしまいがちなのです。

■ プロが教える、チェックすべき「たった一つの場所」
ホームインスペクターが現場を訪れた際、どんなに内装が綺麗でも、たった一つの場所を必ず、執拗にチェックします。それが「床下(ゆかした)」です。
『点検口がない家は「要注意」』
もし、フローリングをピカピカに張り替え、キッチンを最新式にしたのに、床下をのぞくための「点検口」がないお家だったら…プロの視点では「かなり怖い」状態です。
・なぜ怖いのか?:点検口を作らない(あるいは塞いでしまう)ということは、リノベ後に「床下の健康状態」を気にしていない、あるいは「見せたくない」という意図が透けて見えるからです。

■ 床下が教えてくれる「家の素肌」
建物の外側の基礎は塗装(お化粧)でヒビを隠せますが、床下(基礎の内側)は通常、お化粧直しをしません。つまり、床下こそがその家の「本当の素肌(コンディション)」を物語っています。
・水漏れとカビ:最新のキッチンの下で配管が漏水し、床下がカビだらけ……というケースは珍しくありません。
・シロアリと腐朽:目に見える範囲が綺麗でも、床下の土台がシロアリに食われてスカスカになっているリスクがあります。

チャンネル情報

個人向け不動産コンサルティング会社「株式会社さくら事務所」◆株式会社さくら事務所さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を目的として、創業者・現会長の長嶋修が設立した、中立・公正な業界初の個人向け総合不動産コンサルティングサービス企業です。