いびきをかく人が、自分のいびきで目を覚まさない理由
2026年の元旦、私はかなり申し訳ない気持ちになっていました。
理由は──いびき。
疲れとお酒が良くなかったのか、どうやら相当な音量だったらしく、家族から「ぜんぜん寝られなかった」と言われてしまったんです。
「お互い様だから」と我慢してくれたらしいのですが、無意識のうちに家族の安眠を妨害。しかもお正月。情けなさがじわじわきました。
それにしても不思議です。
「人のいびきはあんなにうるさく感じるのに、なぜ自分のいびきには気づかないのか?」
ちょうどタイムリーなことに、IFLSが、この疑問を解説する記事を出していました。
自分自身のいびきで起きる人もいる
大前提として、「自分のいびきでは絶対に起きない」というわけではないそうです。
実際、自分のいびきで目を覚ます人もいます。ただし、その覚醒はほんの数秒。本人が「起きた」と自覚することすらないケースがほとんど。
2022年の研究では、いびきをかく人は一晩に4〜5回は「目が覚めたことを認識している」ことがあるとされています。ただし、本人が気づかない覚醒は、それ以上に多いと考えられています。
特に睡眠時無呼吸症候群の場合、いびきとともに呼吸が止まり、一晩に何十回、場合によっては何百回も覚醒が起きていることもあります。
「起きてないように見える」だけ
ここで重要なのが、「覚醒=完全に目が覚める」ではない、という点。
多くの場合、いびきによる覚醒はマイクロアラウザル(微小覚醒)と呼ばれるレベルで、脳は完全な覚醒状態に移行していません。
そのため本人には「起きた記憶」が残らず、朝になると何事もなかったかのように感じてしまう──。つまり、起きてはいるけれど、覚えていない状態なんです。
脳は「自分のいびき」を重要だと思っていない
それでも疑問は残りますよね。
「そんなにうるさい音なら、もっとちゃんと起きそうなのに?」
ここで鍵となるのが、脳の視床(ししょう)という部位です。
人は眠っている間も音を聞いていますが、視床は「重要度の低い音」を自動的にふるいにかけています。外の車の音や、家族が立てる生活音にそのうち慣れてしまうのは、この仕組みのおかげ。そして、自分のいびきは、脳にとって“いつもの音”。
自分の体から発せられていて、危険性もない。だから脳は「これは起きるほど重要じゃない」と判断し、睡眠を優先します。結果として、隣の人は起きるのに本人は起きないという、なかなか理不尽な構図が完成するわけです。
いびきは放置しちゃダメ
ただし、いびきは「うるさい」だけの問題ではありません。放置するべきではないんですよね(はい、私も放置しちゃいけませんね)。
もしそれが睡眠時無呼吸症候群のサインなら、高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病など、深刻な健康リスクにつながる可能性があります。短期的にも、日中の強い眠気や集中力低下の原因になります。
「本人が平気そうだから」「人に迷惑をかけていないなら」で済ませるのはNG。
よく言われている「仰向けを避ける」「上半身を少し高くする」などの対策もありますが、悩んでいる方は医療機関に相談するのがベスト。
ちなみに今回は家族に指摘されるほどのいびきだったようですが、普段はどうなのか正直よく分かりません。最近は、スマートリングやスマートウォッチの中に、睡眠中の呼吸の傾向を把握できるものもあるので、手持ちのデバイスの機能を一度ちゃんと調べてみようと思います。
……いや、本当に。
家族には、心から申し訳ないと思っています。

Source: IFLS
