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大分県日田市の伝統工芸であり、国の重要無形文化財に指定されている「小鹿田焼」。その若き陶工・坂本拓磨さん(31)が、今年度の「日本民藝館展」で最高賞を受賞しました。父・浩二さんも過去に2度同賞を手にしており、親子2代での快挙。300年の伝統を守りつつ、現代に響く作品づくりに挑む若き職人の思いに迫ります。

【写真を見る】日本一に輝いた小鹿田焼の若き陶工・坂本拓磨さん 伝統と現代の感性共鳴…100年先を見据えた決意

偶然の色が生んだ「一体感」

日本民藝館が主催する「日本民藝館展」は、暮らしに根差した工芸品の美しさを称える歴史ある公募展です。今年度は陶磁器や織物など1595点の応募があり、坂本さんの作品が最高賞にあたる「日本民藝館賞」に選ばれました。

坂本さん:
「この賞をとりたくて仕事をしているわけではないのですが、出品されたもののなかで一番いいと評価されたのはありがたい」

受賞作は、高さ53センチ、幅42センチの壷。上部の曲線美と器の表面に色をつける釉薬との一体感などが高く評価されました。

坂本さん:
「窯から出したときは予定していた色とは違ったので、ちょっと違うなと思ったんですが、これはこれでいい色だと感じました。これだけではなくて、過去に出品していた作品もあるので、全体も含めた上で評価されたと思います」

親子2代での快挙

高校を卒業後、父・浩二さんのもとで作陶を始めた坂本さん。この公募展にはこれまで12回出品し、2015年度と2022年度には最高賞に次ぐ賞を受賞。最近は東京で個展を開くなど、伝統を守りながらも現代的な感覚を取り入れる挑戦を重ねてきました。

坂本さん:
「時代の変化に合わせられる技量や環境を常に維持していくことが大切。焼き物自体はその時代にあったものを作っていくことが一番いいと思っています」

父・浩二さんも過去に2度、最高賞を受賞していて、親子2代での快挙となりました。

父・浩二さん:
「感慨深いですね。今までやってきたことが評価されているわけなので、それを続けてやるというのが一番スムーズにいくと思います」

現在、9つの窯元で300年の伝統をつないでいる小鹿田焼。日本一に輝いた今、次世代を担う坂本さんの視線はすでに先を見据えています。

坂本さん:
「一区切りと思わず、受賞自体を一つの過程として捉えています。ただ続けていくというよりも、より良いものを作り続け、これから100年先に続く1年目にしたいと思っています」