近畿大学時代の佐藤輝明(写真:BFP/アフロ)

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阪神の佐藤輝明が2022年の秋季キャンプで打撃フォームの改造に踏み切ったことが、話題となった。

「背景に岡田彰布監督の発言があったのは明らか」

阪神を取材するスポーツ紙記者は「シーズン中と大きく変わりました。耳の近くまで上げていたグリップの位置が下がり、スタンスの幅も広くなった。背景に岡田彰布監督の発言があったのは明らかです。これまでの打法ではミスショットが多く、直球にも差し込まれていた。岡田監督は佐藤の状態を見て三塁のレギュラーも白紙にすることを示唆していました。潜在能力の高さを評価しているからこそ、変化を求めたのだと思います」と話す。

新人の昨季は新人左打者最多の24本塁打をマーク。横浜スタジアムで右中間に場外アーチを放ち、21年5月28日の西武戦(メットライフドーム)では1試合3本塁打を記録するなど、日本人離れした飛距離で阪神ファンのみならず、野球ファンを魅了した。2年目の今季は矢野燿大前監督に開幕から4番に抜擢された。ボール球を振る悪癖を修正し、粗さをなくそうという意識が見えたが、豪快さも鳴りを潜めて物足りなさが残った。左打者で史上初の新人から2年連続20本塁打を達成したが、打率.264、20本塁打、84打点は合格点をつけられる数字ではない。本人も納得していないだろう。

スポーツ紙デスクは、「気になるのは新人の時より飛距離が落ちていることです。フェンス際で失速する打球が多くなったのは、理にかなった打ち方をしていないということ。シーズン中も打撃で試行錯誤を繰り返していましたが、それでも20本塁打をクリアするのは能力が高いから。フォーム改造できっかけをつかめば、30本塁打は軽く打てる。来年2月の春季キャンプでどう変化するか楽しみですね」と期待を込める。

岡田阪神のV奪回に向け、佐藤の覚醒は不可欠な要素だ。(中町顕吾)