国内でも感染者が相次ぐ新型コロナウイルス。1月中旬に日本国内で初の感染者が見つかると、急速なマスクの買い占め行動に発展し、現在も全国のドラッグストアやコンビニで品切れや品薄状態が続いている。

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フリマアプリの「メルカリ」では、定価を大幅に上回る金額でマスクを転売する人が続出。ダイソーの30枚入り「不織布マスク」(税抜100円)の5箱セットが、販売価格の10倍にあたる5000円で販売されていたりする。中には取引が成立しているものもあった。子ども用サイズのマスク数十枚を数万円で出品しているものもある。

こうした現状に対し、ネット上では怒りの声が出ている。「転売ヤーのせいで買えない」といったものだけでなく、プラットフォーマーのメルカリに対しても「なぜ放置しているのか。上場企業としての責任はないのか」などといった批判的な声が出ている。

「法的ルールがなく、転売してはいけない商品を定めるのは難しい」


同社の広報は、こうしたマスクの高額転売を「把握している」とする。メルカリでは、医薬品医療機器等法(薬機法)で禁止されている医薬品や医療機器の出品を禁止。だが、マスクは同法の対象に当たらず、本来は出品禁止物に含まれないという。

担当者は「法的ルールがない中で、どういう商品を転売してはいけないかを定めるのは非常に難しい」と話す。運営会社としての対応については

「出品数の増加や、金額のつり上げが増えている社会情勢を踏まえ、今後の対応を検討している」

と明かした。ネット上で同社に対して批判が強まっていることについては、「真摯に受け止めつつ、注意喚起などの対応方法を検討したい」としている。

メルカリでは、高額出品者と購入希望者とのやり取りで、商品ページのコメント欄が荒れることも。ダイソーのマスク94箱(税抜9400円相当)を7万5000円で転売する出品者は

「私も自分のマスク(命を守るもの)を犠牲にしてるわけですからこの金額は妥当だと考えております。そこまで安く売ると言うことは私の命が安いと言っているのと同じです」

と高額転売を正当化。商品は4日現在で既に売買成立しており、過去のコメントは出品者により削除されている。メルカリはこうした悪質な出品者を排除することはできるのだろうか。