最近、「見るだけで老眼や近眼が改善する」と話題の「ガボールパッチ」というトレーニングがあります。

ユニークな模様を見るだけで、なぜ視力が上がるのでしょうか? その理由とともに、実際に簡単にできるトレーニングを紹介します。

ガボールパッチ・トレーニングで視力が上がる理由は?




視力トレーニングに有効と話題のガボールパッチガボールパッチとは、ホログラフィーの発明によってノーベル物理学賞を受賞したイギリスの物理学者デニス・ガボール博士によって考案されたぼけた縞模様のこと。
そもそもは視力回復のために考案されたわけではありませんが、視覚を刺激する効果が高いとして、2017年にニューヨーク・タイムズ紙でも紹介されて話題になりました。

視力トレーニングに詳しい眼科専門医の林田康隆さんは、「ガボールパッチ・トレーニングは、種類の異なるガボールパッチを見ることで、脳で見る力(脳内視力)を高めることができ、近視や老眼を問わず、視力アップが期待できる方法なのです」と言います。

なぜガボールパッチ・トレーニングで視力が上がるのでしょうか?

「それは、ぼけた縞模様(ガボールパッチ)を見ようとするとき、目だけでは判別しきれず、脳がそれをカバーしようと一生懸命働くからだと考えられます。そのため、脳でものを見る部分『視覚野』が刺激され、判別しづらいものを見分ける力がつくのです」

ガボールパッチ・トレーニングをすると、こんな効果があると言われています。

1.小さな文字が見えやすくなる
2.老眼の進行を抑える
3.周辺視野が広がる
4.動体視力が上がる
5.近視が改善する


「また、ガボールパッチ・トレーニングは『コントラスト感度』を上げるにも効果的です。これによって、夕方になるとものが見えにくいと感じていることも改善されるんです」

1日1回やるだけ!ガボールパッチ・トレーニングを試してみよう!



では、実際にガボールパッチ・トレーニングを試してみましょう。
やり方とトレーニングのポイントは以下の通りです。


1.同じガボールパッチを探す
2.画面は目からスマホは30cm、PCは40cmほど離す(※スマートフォンで見る場合は、画面を横にすると見やすい)
3.明るい場所で行う
4.1日1回3〜10分ほど行う
5.メガネ(老眼鏡を含む)やコンタクトレンズはつけたまま行う。まばたきも大切!
6.最低でも10日間は続けて行う

それではさっそくチャレンジ!

●問題1


好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。全部見つけたら、別のガボールパッチを選び、同じように繰り返します。
全部のガボールパッチについて行う必要はありませんが、1回につき3〜10分ほど行うとよいでしょう。

画面全体を見るようにたくさん目を動かして行うと、毛様体筋のストレッチになります。目が疲れてきたら、いったん本から目を外して遠くを見ましょう!

答えはこちら。


●問題2


カラフルな写真のなかに、ガボールパッチが並んでいます。好きなガボールパッチを1つ選び、それと同じものをすべて探し出します。全部見つけたら、別のガボールパッチを選び、同じように繰り返します。

答えはこちら。


なお、効果には個人差がありますので、基本的には最低でも10日間は続けて行うようにしましょう。1日に長時間行うよりも、継続して行うことが大切です。
1日1回行うだけで、老眼や近視が改善できるガボールパッチ・トレーニングをぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

林田さんの新刊『見るだけで目がよくなるガボールパッチ』
(扶桑社刊)には、ほかにも多数のガボールパッチが掲載されており、毎日、楽しく視力トレーニングが行える一冊です。

<取材・文/ESSEonline編集部>

●教えてくれた人
【林田康隆さん】

日本眼科学会認定眼科専門医。現在はおもに大阪で難治性白内障手術や網膜硝子体手術などに取り組む傍ら、東京でも診療にあたり、メディアにおいても活躍中。著書・監修書に『日めくり写真で、眼トレ』
『目がよくなる魔法のぬり絵』
(ともに扶桑社)など。