アフリカでスタートアップが大ブーム!出遅れの日本に挽回のチャンスは?
Q:アフリカのスタートアップブームをどう見ていますか。
「ブームはアフリカに限らず、全世界的に起きている。世界中でスタートアップを支援するベンチャーキャピタルがものすごく増えており、それを集積したエコシステムが形成されている。アフリカの中ではナイジェリアの最大都市ラゴスとケニアの首都ナイロビ、南アの港湾都市ケープタウンが三大拠点だ」
Q:日本企業もスタートアップに出資する事例も出始めていますが、欧米などに比べ初動が遅かったとの指摘があります。
「日本は、自前のエコシステムをつくるのが遅れたことが関係しているだろう。これまで日本はシリコンバレー依存が強かった。ついこの間まで、日本のスタートアップは少し大きくなるとシリコンバレーに行き、そこに拠点をつくった。世界中の国はそうではなく、自前の拠点をつくることを一生懸命やった。はっと気づいたら、世界のあちこちにエコシステムができていた。中国・深圳にとんでもないもの(巨大なエコシステム)ができていた。日本はまず自前のエコシステムをつくっていかないといけないだろう」
Q:アフリカビジネス全体でも日本は出遅れていると言われます。なぜでしょうか。
「もともと日本は貧困層ビジネスには強かった。松下幸之助の水道哲学(水道の水のように安くて良質なものを普及させる考え)が良い例だ。しかし、1980年代のバブル期にそれが失われた。バブル期に日本の商品開発は、高付加価値で高機能に舵をきった。それが一番もうかった。世界で一番もうかる市場が日本市場だったので、日本企業は内向き志向になった。アフリカからも撤退した。そこから日本の経済は伸びていない。日本の成長は止まった。外を見ない経済は必ず成長が止まる」
Q:ただ、最近はアフリカへの関心自体は年々、高まっているように見受けられます。
「確かに、2008年頃から企業のアフリカへの関心は高まっている。個人的な話をすると、私が執筆したアフリカ関連本の読者がそれまでの数百人から1万人、2万人と2ケタ増えた。アフリカ関係の書籍を出版社がちゃんと出してくれるようになった。ジェトロの事業で言えば、どれだけ小さいアフリカの国の投資セミナーでも、大体100人以上の申し込みはある。以前は集客に苦労した」
「しかし、企業の関心が具体的な数字に結びついていない。2016年の第6回アフリカ開発会議(TICAD6)で今後3年間で官民合わせて300億ドル(約3兆円)の対アフリカ投資を表明したが、外務省によれば18年9月時点で約160億ドルにとどまる」
Q:要因は。
「大企業によるアフリカ投資が一巡したからだ。日本はグローバル企業の数が少なく、すぐ一巡してしまう。また日本企業の世界市場に向けられた視線が東南アジア、中国、米国の3カ国・地域に極端に偏っていることも影響している」
