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BMWとロールス・ロイスの中間に

BMWグループ傘下となったアルピナの未来像が、イタリアのコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露されたコンセプトカー『ビジョンBMWアルピナ(Vision BMW ALPINA)』によって示された。

【画像】ラグジュアリーな世界観を持つV8クーペ。これが新時代のアルピナの姿【ビジョンBMWアルピナを詳しく見る】 全23枚

シャークノーズを備えた2+2クーペで、全長5.2mと、ロールス・ロイス・レイスと同等の長さを誇る。


コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開されたビジョンBMWアルピナ    AUTOCAR

このコンセプトカーから直接量産モデルが生まれるわけではなく、今後のデザインの指針となる。アルピナのモデルはBMWよりも高価格帯となるが、BMWグループのフラッグシップブランドであるロールス・ロイスの域には達しない。

ビジョンBMWアルピナは、今年初めにアルピナ創業家であるボーフェンジーペン家からの完全買収が完了した後、BMWが同ブランドをどのような方向へ導こうとしているかを示す、初の公式発表である。新時代における初の量産モデルは、BMW 7シリーズをベースとして2027年に発表され、2028年初頭に納車開始予定だ。

過去へのオマージュも随所に盛り込む

元ポールスターのデザイン責任者で、現在はBMWの中型車および高級車部門責任者を務めるマクシミリアン・ミッソーニ氏はAUTOCARの取材に対し、アルピナの60年にわたる歴史が「細心の注意」を払って扱われていること、そして1978年に登場した『B7ターボ』がビジョンBMWアルピナのインスピレーション源となっていることを語った。

実際、このコンセプトカーには、マルチスポークホイール、ロゴ入りのフロントスポイラー、4本出しマフラーなど、ボーフェンジーペンのルーツを忠実に受け継ぐ要素が盛り込まれている。


コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開されたビジョンBMWアルピナ    AUTOCAR

また、「デコセット」の一部として施されてきたストライプが、ミニマルなデザインに切り替わっている。このストライプはブランドの高級路線に基づき、従来のようなデカールではなく、手描きで施されることになる。

フロントにさりげなく施されたクロームは、BMW 507へのオマージュであり、メインラインのBMW車をベースとするアルピナの量産モデルにも採用される見込みだ。

キャビンも注目すべき部分だ。上質なラヴァリナレザーがふんだんに使われており、独創的なアンビエントライト、木目仕上げ、そして高級時計から着想を得たという金属のディテールが特徴的だ。後部センターコンソールには、クリスタルガラスの食器が備わっている。

これらすべてが相まって、メルセデス・マイバッハやレンジローバーと対抗するレベルのラグジュアリーを実現しつつ、フェラーリのような希少性を確保することになるだろう。

アルピナらしい走りのバランスを追求

ビジョンBMWアルピナは、フロントにV8エンジンを縦置きで搭載している。BMWによれば、このエンジンは「BMW Mモデルにみられるような露骨なスポーティさを追求するのではなく、アルピナ特有の洗練性と軽快なパフォーマンスのバランスを保つ」ように設計されたという。

パワートレインに関する仕様詳細は未公表だが、AUTOCARの取材によると、最初の量産モデルには非ハイブリッドのツインターボ4.4L V8ガソリンエンジンが搭載される見込みであり、独自のチューニングが施されるようだ。また、ボーフェンジーペン時代に採用されていた専用のダンパー設定「コンフォート・プラス」が引き継がれることが確認されている。


コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開されたビジョンBMWアルピナ    AUTOCAR

アルピナの新たなトップ、オリバー・ヴィエルヒナー氏は、生産台数はボーフェンジーペン時代の水準から「大幅には変わらない」と述べた。直近の年間生産台数は約2500台でピークを迎えていた。

同氏はまた、中国で販売されるメルセデス・ベンツSクラスの2台に1台がマイバッハ仕様であることを指摘し、BMWがアルピナブランドに抱く野心を浮き彫りにした。

電動パワートレインも検討中

ヴィエルヒナー氏は、ベース車両の選定基準については明言を避けた。しかし、『B3』や『B5』のようなスポーツセダンは、新しいブランディングにそぐわない可能性がある。

BMWの技術責任者ヨアヒム・ポスト氏は以前、AUTOCARの取材に対し、7シリーズに次いでアルピナのベースとなるモデルはX7であると語っていた。

ヴィエルヒナー氏は、アルピナで電動モデルの投入が検討されていることを認め、BMWグループには「非常にエモーショナルで、電動で極めてダイナミックな製品」を生み出すための「適切な要素」がすべて揃っていると述べた。具体的な発売時期については言及しなかったものの、当初は内燃機関モデルに「明確な焦点」が置かれるとした。