笑い飯・哲夫

写真拡大

 5月13日に笑い飯・哲夫さんの長編小説『頭を木魚に』(主婦の友社)が発売され、翌日には早くも重版が決まり話題を呼んでいます。

 同作は仏教マニアとしても知られる哲夫さんが、現代社会に生きる人々の葛藤や違和感を描いた長編小説。タクシードライバーの主人公を通じ、「僕たちは人間をやるのが下手なのではないか」という、哲夫さんらしい視点で書かれた作品となっています。

 筆者は以前、哲夫さんに『般若心経』など、仏教に関するお話をお聞きしました。

「般若心経の中身は『空』なんですよ。一文字にするとこれに尽きるんですけど。要は実態がないということです。

 世の中のあらゆるものには実態がないと言っているんですよ。すべてのものが実態がないからこそ、個別のものが、結局は土に溶け込んで、自分も土に溶け込んで、その後にほかの何かになったとき、そいつと自分が何かを共有したことになる。ということは、宇宙や地球をみんなで共有しているし、個別という実態がない。実態がないイコールみんながつながっていると考える。

 だから、いまは個別と思わず、人というのは自分でもあるし他人でもあるという認識でいれば、人に優しくできるということです」

 要するに、「みんな一緒なんだから、お互い優しくして仲よくしろ」ということが書かれていると言います。

「素敵でしょ。まぁ、僕の解釈ですけどね。でも、お寺の住職さんに聞いても『まぁそういうことですよね』とおっしゃってましたし、僕が読んだ本にもそういう感じで書かれています」

 お坊さんは、お酒もたばこも吸わず、食事は精進料理というイメージがあることについては。

「いまはそんなことないですよ。お坊さんから名刺をもらったとき、お坊さんも企業と一緒なんやと思いました。

 だから、一般の人でも仏教の学校に行って、キリスト教でいう洗礼をやってもらえば、お坊さんになれます。僕はなる気はないですけど、仏教マニアなので、電車でいえば運転手ではなくて、鉄道写真を撮ってる人って感じです」

 哲夫さんは『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』(日本テレビ)の決勝で、後輩芸人の霜降り明星・粗品さんとともに審査員を務めました。その際に、審査コメントの分量をめぐり、粗品さんと意見がぶつかった過去があります。

 お互い、別のメディアで思いを発信したあとに哲夫さんが、直接粗品さんに電話したことで事態は収束。その際も「みんな一緒なんだから、お互い優しく仲よくしろ」という『般若心経』の教えを説いて仲直りしたのかもしれません。

 昨今、芸人間でのいざこざが話題となっています。みんな一緒なんだから、お互い優しくして仲よくするという精神があれば、今回の件も笑いに昇華できるかもしれませんね。

インタビューマン山下

1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、山下本気うどんプロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中。