ホルムズ海峡は停戦期間中「完全に開放される」とアラグチ外相…トランプ氏はイランに謝意
【エルサレム=福島利之、ワシントン=池田慶太】イランのアッバス・アラグチ外相は17日、事実上封鎖してきたホルムズ海峡について、すべての商船に「完全に開放される」と発表した。
イスラエルとレバノン両政府が16日、10日間の一時停戦で合意したことを受けた措置で、トランプ米大統領はイランに謝意を示した。米イランの戦闘終結に向けた協議が前進する可能性がある。
アラグチ氏は17日、イスラエルとレバノンの停戦期間中は、ホルムズ海峡がすべての商船に完全に開放されるとSNSで発表した。「イランが指定したルートで」と条件を付けている。
すぐに海峡での航行の自由が回復するかどうかは見通せないが、トランプ氏はSNSで謝意を示した。「イランとの取引が100%完了するまで、(米軍の)海上封鎖は引き続き完全に実施され、効力を持つ」とも投稿し、イランをけん制した。
別の投稿では、「イランはホルムズ海峡を二度と封鎖しないことに同意した。ホルムズ海峡はもはや世界に対する武器として使われることはない」と述べた。また、「イランは米国の支援を受け、全ての機雷を撤去したか、あるいは撤去中だ」と主張した。
イランは対米協議の条件として、イスラエルと親イラン勢力ヒズボラの戦闘が続いたレバノンでの停戦を掲げてきた。一時停戦をイスラエルとレバノンが発表し、米東部時間16日午後5時(日本時間17日午前6時)に発効したため、海峡の「開放」に動いた。イラン外務省報道官は、停戦合意を「イランと米国の合意の一部」と歓迎する声明を発表。米国との再協議の進展に含みを持たせていた。
一時停戦を仲介したトランプ氏は記者団に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とレバノンのジュゼフ・アウン大統領の対面会談が1〜2週間以内に実現するとの見通しを示した。トランプ氏は両首脳をホワイトハウスに招待するとしている。
米国務省が発表した合意内容によると、イスラエルはレバノン領内でいかなる攻撃的な軍事作戦も行わないことを約束した。ただ、イスラエルの「自衛権」も認め、ヒズボラから差し迫った脅威があれば停戦期間中も反撃や攻撃ができることを双方が確認した。
レバノン軍は戦闘の当事者ではないが、レバノン側は今回、ヒズボラなどからのイスラエルへの攻撃を防ぐ措置を講じることに同意した。両国は今後、米国の仲介の下、国境画定を含む和平合意を目指して直接交渉を始める予定だ。
合意を受け、ネタニヤフ氏は16日、「歴史的な平和協定を築く機会だ」との声明を出した。交渉での条件としてヒズボラの武装解除を挙げるとともに、レバノン南部に軍を引き続き駐留させる方針を示した。レバノンのナワフ・サラム首相は「合意を歓迎する」との声明を出し、レバノン南部などからの避難民の早期帰還に期待を示した。
