けん引免許不要で運転可能……でも注意点も多数アリ! アウトドア派にいま「カーゴトレーラー」が人気だった

この記事をまとめると
■アウトドアブームなどの影響もありカーゴトレーラーの需要が増えている
■牽引する物によっては牽引免許が必要になる場合がある
■運転が難しくなるのはもちろん高速道路の料金なども変わってくる
カーゴトレーラーって本当に便利?
アウトドアブームが本格的に定着した近年、キャンプやBBQへ向かうクルマの後部にカーゴトレーラーを連結した車両を目にする機会が増えている。「あれは自分のクルマでもできるのだろうか」と気になっている方も少なくないだろう。積載スペースの限られた軽自動車はもちろん、ファミリーカーやSUVであっても荷物が入りきらないという場面は意外と多い。濡れたギアや汚れた道具を車内に入れたくないというケースもある。こうしたニーズに対して、クルマの後ろにカーゴトレーラーを取り付けるという選択肢は有効な解決策となる。

<ヒッチメンバー取り付けで柔軟に運用できる>
カーゴトレーラーとは、車両で牽引する荷台専用のトレーラーだ。故障自動車やボートなど決まったものではなく、用途を限定せず、さまざまな荷物を運ぶことができる。また、ルーフボックスのように車両の高い位置へ重い荷物を持ち上げる必要がなく、大容量の荷物を平置きに近い状態で積載できる点も大きな特徴だ。
このカーゴトレーラーを牽引するために必要なのが「ヒッチメンバー」と呼ばれる連結装置。ヒッチメンバーは一般的にボルトオンで取り付けできるものが多く、ヒッチメンバーさえ取り付けておけば、トレーラーの連結・解除の作業はほんの数分で完了する。つまり、週末のレジャーなど荷物が多い場面にだけトレーラーを連結するという柔軟な運用が可能だ。

ヒッチメンバーに接続できるアタッチメントは荷台型のカーゴトレーラーにとどまらず、自転車を積載するサイクルキャリアや、ボート・水上バイクを運ぶ専用トレーラーなど多岐にわたる。荷台をそのままキャンプサイトのテーブルとして転用できる製品やトレーラーの上に折りたたみ式のテントが取り付けられているものもあり、積載ツールとしての枠を超えた幅広い使い方ができる。
カーゴトレーラーのメリットを整理すると、「積載量を大幅に増やせる」、「車内を汚さずに荷物を運べる」、「必要なときだけ使用できる」、「ルーフ積載より積み下ろしが容易」という4点に集約できる。
気軽な気もちで使うと苦労する場合も
<意外と知らない「牽引の法律」>
カーゴトレーラーを牽引するのに普通免許だけで大丈夫なのだろうか? そう疑問に感じている方は多いだろう。しかし、条件を満たせば普通免許だけで運転できる。牽引車とトレーラーを連結した状態での全長が12mを超えず、かつトレーラー本体と積載物の総重量が750kg未満であれば、牽引免許は不要だ。ただし、牽引可能重量は車種ごとに定められており、車検証に記載された数値に従う必要がある。

公道を走るためにはトレーラー自体へのナンバー登録も義務付けられており、黄色ナンバーの軽トレーラーと白ナンバーの普通車規格トレーラーが存在する。黄色ナンバーの軽トレーラーは軽自動車と同じ管轄の軽自動車検査協会で、白ナンバーは陸運局で登録する。軽トレーラーを普通車で牽引する場合は、白ナンバーの普通車の後ろに黄ナンバーの軽トレーラーを牽引することになる。なお、走行中にトレーラーの荷台へ人が乗ることは道路交通法により禁じられている。
<デメリットと注意点>
魅力的なカーゴトレーラーにも、留意すべきデメリットが存在する。まず操作面。全長が伸びることで駐車や狭い道での取りまわしが格段に難しくなる。バック走行はとくに難易度が高く、通常とはハンドルの切り方が異なるため、感覚が身につくまでに一定の練習が必要だ。積載量にも制約があり、重量オーバーはヒッチメンバーや車体フレームへのダメージに直結するため、各トレーラーに定められた最大積載量の厳守は大前提となる。

コスト面では、ヒッチメンバーの取り付け費用に加え、トレーラー本体の購入代金と登録費用が別途発生する。維持にも、トレーラー単体に車検と自賠責保険への加入が義務付けられているのでさらに費用がかかる。トレーラーは灯火類・配線・タイヤといった部品が経年劣化しやすく、車検のときに部品交換が重なると整備費用が大きく跳ね上がることもある。
また高速道路の料金も高くなる。基本的には「牽引している車種区分のひとつ上の区分」となり、普通車区分の車両で1軸トレーラーを牽引した場合は中型車扱い、軽自動車で同じものを牽引すれば普通車扱いだ。トレーラーの車軸数や形態(2軸以上かつ軸間距離1m以上など)によっては2ランク上がってしまう可能性もある。なお、牽引状態でETCレーンを通行することは可能だが、ETC車載機のセットアップを正しく行っていない場合はエラーになる可能性がある。ETCのセットアップ情報に牽引装置「有」を記載して再セットアップが必要だ。

さらに、EVの場合は、カーゴトレーラーを牽引すると深刻な航続距離低下が起こる。どの程度の低下かは車種によるが、数百kgの重量増に加え、トレーラーが引き起こす後方の空気抵抗の悪化を考慮すれば、牽引時の航続距離はカタログ値から大幅に減少する。EVユーザーにとっては充電インフラの配置間隔をより慎重に計算し、経路充電を緻密に計画する運用能力が求められるだろう。
以上のようにカーゴトレーラーは結果として維持費は高くなりがちだ。このようなデメリットと前述したメリットを慎重に比較し、トータルのコストと満足度を導入前に十分に試算した上で判断することが、カーゴトレーラーを長く安全かつ快適に使い続けるためには重要なのである。

