「杉田水脈」候補を「自民党の毒の凝縮物」と“口撃”…「れいわ」がピンチで「大石晃子」共同代表がますますカゲキ化している
投開票日が2月8日に迫り、衆院総選挙はいよいよ激しさが増してきた。自民党が優勢との報道が相次ぎ、とりわけ野党サイドは政権与党や高市総理、そして対立候補への“口撃”を激しく行う傾向が見られるが、その代表例がこの方である。「れいわ新選組」共同代表にして、大阪5区で立候補している大石晃子候補(48)。もともと口が極めて悪いことに加え、この劣勢、まして同区の自民党候補者があの杉田水脈氏ということもあり、時に「選良」とは思えないほど、聞くに堪えない“罵倒”を繰り返しているのだ。
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岸田総理に「鬼」「犬」
大石氏は大阪府の職員を経て2021年の衆院選に大阪5区でれいわから立候補。比例区で復活当選して赤絨毯を踏んだ。2024年の前回選挙でもやはり比例区で復活して現在、2期目。2022年には共同代表に就任している。今選挙公示の直前、れいわでは山本太郎代表が病気を理由に参議院議員を辞職し、選挙戦での活動もしないと宣言したため、大石氏は実質的なトップとして党首討論などに出席している。

もっとも、もともと国会質問で岸田総理を「鬼」「犬」呼ばわりし、また、採決の際にルールを無視して牛歩やプラカードの掲示を行って処分を受けるなど、「お騒がせ議員」としても知られている身だ。今選挙でも、党首討論で一人1分の持ち時間を破って延々と発言を続けたり、テレビ番組で高市早苗総理に「名誉毀損ですよ!」と声を荒らげて反論し、スタジオを騒然とさせたりするなど、「悪目立ち」しているのは周知の通りである。
苦しいけど、苦しいけど…
その大石氏が挑む大阪5区は、自民党の元職・杉田水脈氏、日本維新の会の現職・梅村聡氏をはじめ、国民民主党、共産党、参政党の各新人候補など計6名が出馬している「激戦区」だ。
政治部記者によれば、
「維新の梅村候補がリードし、自民党の杉田候補が後を追いかける展開です。大石候補は比例での復活に生き残りをかけています」
劣勢のためか大石氏は必死そのもの。選挙戦の4日目となった1月30日19時半ごろ、大阪市西淀川区の阪神電鉄「千船駅」前で演説を行った際には、こう叫んでいた。
「苦しいけど、苦しいけど自分が選んだんだからやりますよ。皆さんの代弁者、思いを込めてなんとか戦争止めてきてくれよ、憲法改正止めてきてくれよ、みんなの生活破壊、防衛増税止めてきてくれよ。その思いを背負ってもう一回国会にいって、こういう議員を増やして、これを食い止め、そして道を切り開いてみせます」
維新は嘘つき
バックに流れる軽妙な音楽に乗って、まくしたてる。子連れの有権者が一緒に写真撮影したいと申し出る場面もあったが、支援者はまばら。報道陣の方が多いくらいだ。写真撮影を終え、再びマイクを手にすると自民党への攻撃がはじまる。
「高市総理が解散を言い出して、この解散自体はありえないものですよね。この解散でどのぐらい公金を使うかご存じでしょうか。855億円というんです。これって高市総理が12月ぐらいに言ってた議員定数の削減。今、政治の世界で一番やらなければいけないものは議員定数の削減だと言っていましたよね。でも議員定数の削減で浮く金は40億円ぐらいなんです、せいぜい。この解散一発で、議員定数の削減の20年分を優に超えるんですよ。おかしくないですか? おかしいんですよ。でも、高市早苗さんが算数ができないってわけじゃないんですよ。百も承知なんですよ。つまりは大ウソをついてるってわけです」
矛先は維新にも向く。
「(維新は)身を切る改革だ、身を切る改革だから議員定数の削減が一番大事だって言ってはったでしょ。でも、これ大ウソだったんですよ。実際に皆さん国保逃れってご存じですか? 実は国民健康保険料を脱法なスキームを使って逃れてたんですよね。ありえなくないですか。でも、ありえるんですよ。ウソつきだから」
有権者からは「そうだ!」との声も。しかし、肝心の聴衆は2〜3人とごくわずかだ。
その後、消費減税を訴えたところで、時刻は選挙活動終了時刻の20時に。「大石晃子、比例はれいわ、あなたの一票をお願いします」と語って、この日の選挙活動を終えた。
もうヤケクソ
足を止めていた人数こそ少ないとは言え、この時彼女の前には不特定多数の相手がいた。だからこそ、批判のトーンをまだ抑えていたのか。この後、10名ほどの報道陣を前に「囲み取材」を始めると、先ほどの演説の興奮も手伝ってか、ボルテージは一段と上がった。
――比例でれいわに厳しい情勢だとされる。山本太郎代表がいなくなった影響が大きいのではないか。感じていることは?
「私たちの選挙にとってピンチというのは確かなんですけれど、今の情勢調査と出ている数字とそれを結びつけるつもりはありません。なぜなら情勢調査は、まだ決めてない人たちを除いた形での調査の1つです。前回の衆議院選挙も、山本太郎がいても似たようなものでしたから、その結果はいくらでも変わるものだと思っています」
――山本代表がいたらと思うことはある?
「まぁ……でも切り替えているんで思わないです。やり切るんだと。山本なしでやりきって、どうなるのか。それを見てみたいなと思っています。その結果は受け止めるということですね」
――共同代表として明日から他の選挙区に入るが、自身の選挙も十分にできず、負担が大きいのではないか。
「もうヤケクソですね。人間は捨て身になった時に誰かが支えてくれるものだし、だから少なくとも共同代表や幹部というのは自分の地元での当落も大切だけど、党全体で勝利していくんだという立場に立ちきっていく。その姿を見せていくことの方がずっとずっと重要なことだと思っています」
きっついおばはん対決
「ヤケ」に「クソ」と表現が徐々に下世話なものになってきたところで、質問は杉田候補のことに移る。すると、彼女のテンションは一気に上がった。
――対立候補の杉田水脈さんについては?
「お前なぁって。杉田水脈さんって裏金議員なんですよね。間違ったお金を不正受給していたんですよね。杉田水脈さんがこの大阪5区で演説している内容を耳にしたんですが、生活保護の不正受給を許さんという演説をしていると。どんだけしょぼいんだ。自分が裏金議員であることを顧みず、そんなことしか言えないのか。新選組は若い人もお年寄りも分断されずにそれぞれの人が胸張って、この人生を歩んでいける。そのためには生活保護っていうのは本来8割以上の人が受給できていないのが日本だけがそういう状況なので、バラでちゃんと生活保護を受け取れたりとか、だから杉田水脈さんや高市早苗さんの政権とはまったく違う世界をれいわ新選組は描いている。改めてそういう対決軸というのかな、両方きっついおばはん対決だけど、本質的に全然違うってことを伝えていかなければいけませんね」
杉田候補は、政治資金パーティーを巡るいわゆる「裏金」問題で処分された一人であり、また、アイヌ民族や在日コリアンの女性に対するブログでの発言について、法務局から削除を求められるなど、しばしば物議を醸してきた過去がある。毀誉褒貶ある候補なことは間違いないが、「お前」呼ばわりはまずかろう。
餌食にしていくしかない
質問は続く。
――きっついおばはんとは?
「杉田水脈バーサス大石晃子のことを言ってます」
――今回の選挙はそこがポイント?
「まぁポイントは皆さんがどう捉えるかですけど。なんとなく客観的に見て、そうならざるを得ないんじゃないかってのが私の感想なんですけど」
――杉田さんの演説は聞かれた?
「いいえ、聞いてないです。ただ、Xで流れてきて、その中に生活保護の不正受給を訴えている。そのようなものを見ました」
もともと大阪5区で自民党は、自公連立のもと、公明党候補者を推薦し、自前の候補者を立ててこなかった。それが昨秋、公明党の連立離脱により、自民党は急遽、候補者を擁立することに。その30年ぶりの候補者が杉田氏である。大石氏にとっては、自らの惜敗率を下げる“憎き相手”に見えたのだろうか。続いて「杉田候補が出たことをどう感じる?」と聞かれ、ついにこんなことまで口走ってしまった。
「ある意味で、自民党の毒の凝縮物。自民党の毒の凝縮物が大阪5区に舞い降りてきたわけなので、ふざけるなとも思いますけれども、まぁ餌食にしていくしかないと、そのように思っています」
出馬する資格がない
相手候補への批判はまあ良いとしても、ここまでヒートアップすると論評の範囲を超えた「誹謗中傷」の部類に入ると指摘されても仕方あるまい。もし自民党候補が他党の候補をこう述べたら、即刻非難の大合唱となりそうだが……。この点、さすがに本人はマズいと思ったらしい。記者が驚いて「毒の凝縮物?」と尋ねると、「言い過ぎた」と思ったのか、声のトーンが下がる瞬間も。それでも杉田氏への批判は続いた。
――フラストレーションがたまっている?
「フラストレーションは感じていないんですけれども、杉田水脈さんが自分が裏金議員でありながら生活保護の方に向かって不正受給は許さないって言うのは国民に生活保護を貰ってる人、イコール不正受給者っていうイメージを刷り込むものですよね。これ自体は2015年ぐらいに自民党の当時おやりになった方々いるわけですよね。その延長線上のことをまだ言うのかっていう話なので、絶対に許されないなという意味では、フラストレーションですね」
――杉田候補は差別的言動を行ったとも批判されているが、どのように思うか。
「まあ絶対に許せませんし、そもそも出る資格がないですよね。北海道と大阪の法務局で人権侵犯が認定されているのに、杉田水脈さんは認定されてませんまで言って(編集部注:杉田候補は、啓発を受けただけで人権侵犯認定はされていないと主張)。どこまで嘘をつくんだっていう、そういう人物ですよね。少数民族の方とか。社会的に立場の弱い方たちにそういうバッシングを浴びせて、そのバッシングを加速させていくという。そういうヘイト的言動をやり続けている人ですから、まさに自民党員だなと思いますね。そういう意味では、出てくること自体が許しがたい。国民舐めてるのかと思います」
こうして囲みは終了。相手への“毒を凝縮”させた発言を連発し、大石氏は上気した表情でその場を後にしたのである。
「大石さんは連日、街頭で自民や維新を激しく批判しています。もちろん杉田候補も自身が何を言われているかわかっているはずですが、特に反論もしていません。杉田さんサイドは、当選を争うライバルは維新の梅村さんで、“大石さんは眼中にない”と話しています。大石さんは一人で空回りしている印象です」(同区を取材するジャーナリスト)
口の悪さで争うなら彼女の力量は「総理大臣級」。だが、それが有権者に受けるかどうかはわからない。大石氏の運命はいかに――。
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デイリー新潮編集部
