2025年4月、戸建てリフォームの現場に大きな変化をもたらす制度改正が始まりました。
その名も「4号特例の縮小」。とくに築30年を超える木造住宅に住んでいる方や購入を検討している方にとって、この変更は決して他人事ではありません。
今回は、ホームインスペクション(住宅診断)を手がける株式会社さくら事務所の執行役員CROである田村啓さんと、現場経験豊富なホームインスペクターの坂さんが、この制度の影響や注意点を分かりやすく解説します。

■4号特例ってそもそも何?縮小されたら何が起きる?
これまで、木造2階建ての住宅などは「4号建築物」として、構造計算や図面提出が免除される“特例”がありました。これにより、手軽に建築・リフォームが進められていたのです。
しかし、2025年4月からはこの特例が大幅に縮小され、今後は大規模なリフォームにも「確認申請」が必要になるケースが急増しています。
確認申請とは、建物の安全性などを公的にチェックする手続きのこと。
新築なら当たり前のこの申請が、リフォームでも求められるようになると…実は想像以上に大変なのです。

■“古い家”ほど大変に?図面も検査済証もない現実
築30年を超える戸建て住宅では、以下のような問題が浮上しやすくなります。
・手元に図面がない(または平面図のみ)
・検査済証が発行されていない
・建物が現行法に適合しているか分からない
こうした状態でリフォームの確認申請を行うには、「現況調査」や「適合検査」が必要に。
その結果、追加で70万円前後の費用が発生するケースもあるといいます。
「いざ話を進めたら“検査済証がないから調査が必要”と判明して、時間も費用も大幅に増えた」
そんな“ちゃぶ台返し”のような事態になることも。

■確認申請が必要かどうかで、できるリフォームが変わる!
「確認申請が必要になるリフォーム」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?
たとえば――
・間取りの変更を伴う大規模リノベーション
・耐震補強のために壁を剥がす・構造部に手を加える
・壁や柱の「過半」にわたる改修
これらは確認申請が求められる対象となり、申請を回避するには「表面をきれいにするだけの工事」程度にとどめる必要があります。
坂さんは「本当は耐震性を高めるためにしっかり補強したいのに、確認申請の手間や費用がネックになって、十分な工事ができなくなるリスクもある」と警鐘を鳴らします。

■違法建築になってしまうケースも…“最初の確認”が超重要!
確認申請が必要なのに提出せずに工事を行った場合、完成した家は「違法建築物」となってしまう可能性もあります。
「知らないうちに自宅が違法物件になっていた」
「売却しようとしたときに違法が発覚し、資産価値に影響が出た」
「行政から是正を求められ、追加工事が必要になった」
――こんなリスクを避けるためにも、最初に“検査済証があるかどうか”を確認してくれるリフォーム会社かどうかが、大きな見極めポイントになります。

【まとめ】今後の中古戸建て選び、「書類があるのが当たり前」の時代へ
これから築30年超の戸建てを購入しようとする方も、注意が必要です。
リフォーム予定の有無にかかわらず、以下のような書類の有無は購入前に必ず確認を。
● 検査済証
● 確認済証
● 設計図書(詳細な図面)
「図面が残っていない」「検査済証がない」などの場合、大規模リフォームや耐震補強の際に余分な手間・費用がかかり、場合によっては“やりたい工事ができない”という事態も。
株式会社さくら事務所では、ホームインスペクションを通じて住宅の状態だけでなく、こうした“書類の有無”やリフォームの可否なども第三者の立場で丁寧にチェック・アドバイスしています。
築年数だけで判断せず、「書類の整備状況」まで含めて中古戸建てを見極める――
そんな時代が、いよいよ本格的に始まりそうです。

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