バーナーであぶっても溶けずに焦げるだけ(画像は『New York Post 2022年7月11日付「Terrifying Chinese ice cream doesn’t seem to melt - even under a blowtorch」(半生开箱/YouTube)』のスクリーンショット)

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このほど中国で販売しているアイスに火を近づけても溶けない動画がネット上に公開され、物議を醸している。問題視されているのは中国の高級ブランドとして人気のアイスで、とてもアイスとは思えない状態に「プラスチックでできているんじゃないの?」などの声が相次いでいるようだ。『New York Post』などが伝えた。

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物議を醸しているのは上海を拠点とする「鍾薛高(Chicecream)」というアイスクリームブランドで、同社のアイスは中国国内で高級ブランドとしての認識が高く“アイスクリーム界のエルメス”とも呼ばれている。しかもこのアイス、約20元(約410円)と競合他社の数倍の価格で販売しているにもかかわらず主要都市で人気を博しているという。

そんな高級アイスに関して「火を近づけても全く溶けない」という噂が流れ、実際に試してみた映像がネット上で拡散されている。投稿されている動画の1つには、水色のココナッツフレーバーのアイスの先端にライターの火を近づけて溶かそうとしている様子が映っているが、アイスが溶けるどころか煙が上がっているのが確認できる。しばらくするとアイスの一部が地面に溶け落ちたが、そこには水色のプラスチックのような固形物が転がっていた。

また他のネットユーザーは温度計が31度を示す中でアイスを放置したが、50分以上が経過しても溶けなかったという。このアイスは時間の経過とともに柔らかくなっていたものの、通常のアイスのように溶けて液体状になるのではなくねっとりと粘度の高い状態になっていたのだ。

これらの動画がネット上で話題となっていることを地元の規制当局である上海市市場監督管理局は把握し、この件に関して調査を進めていることを公表しており、「肉眼で確認できる範囲ではアイスは溶けていませんでした。しかし専門機関の検査はより信頼できるものであり、科学的なデータに裏付けされたより正確な結論が出るでしょう」とコメントしている。

なおこの話題は鍾薛高にも届いており、今月6日に「製品は全て中国国内当局が定めた品質基準に適合しています。塩ココナッツフレーバーのアイスの主成分は牛乳、乳脂肪分が18%の低脂肪クリーム、ココナッツの果肉、コンデンスミルク、ミルクパウダーです。アイスクリームの40%は固形素材となっています」と詳細を公表した。また製品には海藻からの抽出物であるカラギーナンが添加物として0.032グラム含まれているとも明かしているが、これも国の基準をクリアしているという。

これらの動画には「いったいこのアイスは何から作られているの?」「石鹸みたい」「また偽造食品か」「溶けないアイスとかどうやって食べればいいの?」「絶対に溶けないアイスを開発したのかな?」「胃の中でもちゃんと溶けるのだろうか」「耐火性を備えたアイスを開発したのなら、値段が高いのにも納得だね」「プラスチックでできているんじゃない?」「耐火素材として使えるかもよ」など疑問や皮肉のコメントが多数寄せられている。

画像は『New York Post 2022年7月11日付「Terrifying Chinese ice cream doesn’t seem to melt ― even under a blowtorch」(半生开箱/YouTube)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)