顧客は8100万人!いよいよ始まる「LINE証券」、野村の思惑は?
現役世代の資産形成をめぐっては、老後の生活資金への不安から、国民年金や企業年金に加えて個人で積み立てて運用し、老後の収入を補う個人型確定拠出年金(イデコ)などの需要が拡大している。イデコの加入者数は対象者が拡大された2017年以降に増加ペースが加速し、19年3月末時点で約120万人となった。
ただ大手証券がこのニーズをうまく取り込んできたとは言いがたく、口座開設の受け入れではインターネット証券が先行しているもようだ。
金融庁が19年6月3日、「老後資金が世帯当たり平均2000万円不足する」との報告書を公表すると、SBI証券の申請数は6月に前月比1・5倍に膨らみ、7、8月も増勢が続いた。楽天証券もイデコと少額投資非課税制度(NISA)を合計した6月の口座申請が前月比2倍に拡大。「30―40代が危機感を強めた」(SBI証券)形だが、野村では「急増はなかった」という。
SBI証券幹部はこうした背景について「大手証券より口座の開設や管理、金融商品購入の手数料を安く提供していることが大きい」と分析。「ネットに親しみを持ち、コスト意識も高い個人が資産形成を始める際、当社などが選ばれるのは自然」と自信を示す。
大和総研の保志泰金融調査部長は「富裕層などにアプローチしてきた大手証券の営業マンは一般の若年層には向かわない傾向にあるし、若年層にはそもそも対面証券の店舗に赴いて利用するイメージがない」と指摘する。また、大手証券が現役世代を取り込んでいくには「従来型の対面販売にこだわらない、新しい発想が必要になる」と語っている。
