緊迫続くイラン情勢 テヘラン支局長も務めた共同通信富山支局長が語る
アメリカによるイランへの軍事作戦は戦線拡大への懸念が高まっています。
イランで特派員を務めた経験のある共同通信富山支局長の長谷川健司さんに、現在のイラン情勢や今後の影響について聞きました。
◆KNB 上野 透 キャスター
「イランへの攻撃なんですけども、すごく唐突なイメージがあったんですけれども、率直にどう受け止めていらっしゃいますか」
◆共同通信富山支局長 長谷川健司さん
「すごい唐突だったと思いますよね。去年のイスラエルとアメリカによるイラン核施設を中心とした攻撃で、イランの脅威っていうのはもう相当減っているはずだし、脅威がないのに何でやるんだろうと思いました」
テヘラン支局長を務めた長谷川さん 現地で感じたイランの国民性とは
国内・国外を取材し、全国のメディアにニュースを配信している共同通信の富山支局長、長谷川健司さんです。
長谷川さんは1995年から3年間イラン・テヘランの支局長を務めるなど中東で特派員を長く経験してきました。2012年には今回殺害されたハメネイ師をイランの国会議員の選挙で取材していました。
イランの人たちの国民性については。
◆共同通信富山支局長 長谷川さん
「かみさんと当時2歳の娘と行って、それから3年間いたんですけれども、子どもをものすごくかわいがってくれて、街角で『かわいいね』とか。当時は(NHK連続テレビ小説の)『おしん』がイランでも流行ってた頃なので『おしん』とかって言って寄ってきたりっていうのもありましたし、人情味のある人たちです」
アメリカとイスラエルによる先制攻撃の妥当性は
アメリカの今回の軍事行動は、国連憲章が禁じる先制攻撃にあたるのではないかと非難する声もあがっています。
◆長谷川さん
「戦争状態でもないのに、ミサイルを撃ち込んで殺してしまうっていうのは戦後の秩序の破壊ですよね。本当にハメネイをいきなり殺すっていうのはびっくりしました」
◆上野キャスター
「国際法上、やはりこれは国際法に違反していると考えていいんでしょうか」
◆長谷川さん
「もちろんです。だってね、いきなり戦争でもないのに、そこのトップを殺していいのか。『国際法を守らない、必要ない』って言っているトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相ですよね、その2人が横暴なことをやった。ただ、怖いので世界はあまり物が言えないと」
◆上野キャスター
「日本も明確な主張は出していないという感じがしているんですが、その辺りいかがですか」
◆長谷川さん
「そうですね。皆さんご存知の通り、日本はアメリカにそれほどものを言える立場ではないので。なので私達ジャーナリズムをやっている人とか研究者はきちんと言わなきゃいけないと思うんですけれども」
高市総理は「現段階で法的な評価ができるものではないと考えている」としています。
イラン国内では支持する声も
長谷川さんは、イラン国内では今回のアメリカとイスラエルによる現体制を揺るがす攻撃について、支持する声もあると話します。
◆共同通信富山支局長 長谷川さん
「アメリカと対立して頑張るうちに、どんどんどんどん強権的になって国民も抑圧して、国民のためにお金を使わないで、武器とか核開発とか。国民はもう8割9割は辟易しているって言われてますんで、そういう喜ぶ人たちもいるかと思いますけれども。でも大半の人は、平和的に体制を変えたいと思っていますけど、アメリカに変えてもらいたいと思ってる人はそんなにいないはずで」
◆上野キャスター
「平和的な解決を国民はやはり望んでいたけれども、こういう状況になってしまったということなんでしょうか?」
◆長谷川さん
「例えばハメネイさんに代わる、自由で豊かにしてくれる人たち、リーダーが出てくればいいんですけれども、いきなりそういう人は出てこないんですよね」
今後の見通しは? 長期化の可能性は低いか
今後については、そこまで長期化することはないのではないかと話します。
◆共同通信富山支局長 長谷川さん
「少なくともイランには、そんなに何か月も戦い続ける力はないので。今本当にイランが打てば打つほど、そこを狙ってアメリカが基地っていうか発射拠点を潰していますので。何となく静かになっていって、それでアラブとかどっかの国が仲介をして、ひとまず打ち止めみたいなふうになればいいなと思っています」
◆上野キャスター
「日本にとってもかなり危機への意識が高まっていくような世の中になっていくんでしょうか」
◆長谷川さん
「アメリカと同盟関係をきちっとやっていくことで日本も守られてきたわけですけれども、今アメリカが国際ルールを守るリーダーではなくなったので、日本としては国際協調ですよね。そういう国々と、もっと連携をしていかなければいけないんだろうなと」
中東でこれ以上、戦闘を拡大させないため、国際社会の対応が問われています。
