『「魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語」TV Edition』狩野英孝による副音声 ©Magica Quartet/Aniplex,Madoka Project

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※本稿は『魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語』TV Editionのネタバレを含みます。

参考:『まどマギ』『グノーシア』『AYNK』などループもの再熱か “マルチバース以降”のリアリズム

 稀代のリアクション芸人・狩野英孝が、衝撃の展開で知られるアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、まどマギ)を実況したらどうなるのか……。そんな夢のような企画が実現し、ネット上で大きな注目を集めている。副音声コメンタリーという形で、本編を観ながら狩野の反応を楽しめるのだ。

 狩野が副音声を担当しているのは、10月12日からMBS/TBS系全国28局ネット「日5」枠で放送が始まった『魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語』TV Edition。放送では副音声のみだが、TVerでは映像付きでおまけコーナーも配信されている。

 なお、狩野はこれまで『まどマギ』を視聴したことがなかったらしく、今回のオファーが来たときにも一度辞退していたという。その理由は魔法少女ものということで「40のおじさんが観るアニメじゃないでしょ」と考えたためらしいが、スタッフから「このアニメは大人でも楽しめます」と説得されて引き受けることになった。

 狩野は第1話のコメンタリーを始める前にこうした経緯を説明しつつ、「何まどかとマギカって……」「2人いるのは分かりますけどね?」「まどかちゃんとマギカちゃんが魔法勝負するんでしょ?」という予想を語っていた。

 狩野によるコメンタリーの面白さは、こうした予想を披露した上で、実際の展開を見てさまざまなリアクションを取ってくれることにある。たとえば第1話では、冒頭から今後の展開についての予想を披露。魔法学校に通うパターン、魔法の国に迷い込むパターン、悪の組織に侵略された世界というパターンなど、アニメのお約束を挙げていく。

 続いて主人公・鹿目まどかが通う中学校のクラスに転校生がやってくるという展開を見ると、すぐさま「その子がマギカじゃない?  絶対マギカだよ」と興奮気味に指摘するのだった。

 なおTVerでは本編終了後におまけコーナーが設けられており、狩野がその回の感想や今後のストーリーについての予想を披露。1話目から「なんか思っていたのと違いましたわ。楽しいですね」と感想を語った。

 また、狩野はどんな願い事でも叶う代わりに命がけで戦わなくてはならないという魔法少女の契約について不信感をあらわに。まどかの“人の役に立ちたい”という想いに対しても、「魔法少女じゃなくたって、人のためになる仕事なんかたくさんあるわけじゃないですか。福祉とかさあ」と大人ならではの視点から夢のない意見を語ってみせた。

 とはいえ、第1話で描かれているのはまだまだ『まどマギ』の序章に過ぎない展開。次のエピソードで“あの有名シーン”を目撃して以降、狩野はますます同作の魅力にのめり込んでいく。

 『魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語』TV Editionの第2話では、オリジナル版の第3話までの内容が描かれることに。すなわち先輩魔法少女の巴マミが“お菓子の魔女”ことシャルロッテとの戦闘で、あっけなく命を落としてしまうという絶望の展開だ。

 放送当時「かわいい魔法少女ものと見せかけて残酷な物語に突入する」という落差によって大きな話題を呼んだエピソードだが、狩野も数多の先人たちと同じく、しばらく言葉を失ってしまうほどの衝撃を受けていた。

 本編終了後、狩野は「ちょっと……ビックリしすぎて言葉失うね。これ」「マミさん終わりってこと?  マジで?」「普通こういうアニメって死亡とかありえないと思って見てたから、衝撃的ですわ」とその驚きを語り、「子ども向けのキャピキャピアニメだと思ってたら全然違いました」とイメージが一変したことを打ち明けた。

 こうした新鮮なリアクションを楽しめるのは、初見の副音声コメンタリーならではの魅力だろう。その一方で、独特の着眼点によるツッコミも大きな見どころだ。

 たとえば第1話でまどかの家が映し出された際、狩野はその豪華な間取りに対して、「すごいデカい家ですね」「都内かなあ。都内にこの一軒家すごいな」と反応。そんな豪邸に住むことを可能にするまどかの父や母の職業について、興味津々といった様子だった。

 ほかにも第2話ではキュゥべえがいつも口を開けないでしゃべっていることを発見するなど、狩野の着眼点はかなり独特だ。

 さらに視聴中に口走るコメントにも、“狩野節”が効いている。第3話で印象的だったのが、美樹さやかが入院中の上条恭介をお見舞いに行くシーン。彼の腕が二度と楽器の演奏ができない状態にあると説明されたことを受けて、狩野はさやかが置かれた状況に激しく同情しつつ、「……でも今の医学すごいから、リハビリと気合いで何とかいけるんじゃないの」という言葉を漏らしていた。

 衝撃的なストーリーを一緒に追体験できる上、ときには斜め上のコメントを放ってくれる狩野の『まどマギ』副音声コメンタリー。すでに本編を視聴済みなら、何倍もそのリアクションでニヤリとできるはずなので、この機会をぜひ楽しんでほしい。

(文=キットゥン希美)