「革靴で顔を蹴られ...」すべては“10年にわたる虐待”から始まった「自殺したい、しか考えられなくなった」【マジシャン、元ホームレス 第2話/全6話】
マジシャンは、元「ホームレス」その壮絶な半生
親族から受けた虐待、非行、そして自殺願望、、、壮絶な幼少期~思春期を乗り越え、今はマジシャンとして活躍する男性がいます。
【写真を見る】幼少期・思春期の金関さん/「自殺する」「みんな死ねばいい」当時のノート
岡山市出身の金関拓海さん(旧姓・現在は空先拓海さん【画像①】)、取材当時26歳でした。
全てに自暴自棄だった10代半ば。ホームレスとして橋の下で1年間暮らしていた時期もありました。いったいどのようにして苦境を克服し、マジシャンとしての道を歩むようになったのか。。。
【第1話】「虐待、非行、自殺願望...人生は変えることができる」
誰も驚くプロのマジック技【動画あり】その陰に秘められた「壮絶な半生」
金関さんが仕事場とする、マジックバーです【画像②】。披露される技の数々に皆、惹きこまれていきます。
(金関 拓海さん)
「きょうは僕、面白いもの持ってきました。これ、知ってます?こういう財布、見たことありますか?」
(客)
「これ、がま口の金具の部分?【画像③】」
(金関 拓海さん)
「見たことない人が結構多くて、『がま口』っていう単語ってなかなか出てこないんですよね。一応皆さんご存知の通り、これは普通の小銭入れなんですけど」
(客)
「ちょっと待って、ちょっと待って、おい」
がま口の、金具だけの部分から出て来たのは500円玉です【画像④⑤】。
(金関 拓海さん)
「で、この500玉をどうするかっていうと、このまんま赤い布でつかんであげて、息をふっと吹くとこれで見えなくなる、っていうのがすごいところなんですね。これで完全に消えるんですよ」
赤い布を被せた直後に消えた、500円玉。お客さんは怪訝な顔です。
(金関 拓海さん)
「500円玉、今どこにあるか分かります?完全に消えたんですよ。どこにあるか、怪しいかなと思ったら指差してください」
お客さんが金関さんの右手を指をさすと【画像⑦】、手を交差させて指のさす先を左手に入れ替える金関さん。左手を指差すと【画像⑧】今度は戻して右手に。。。
(金関 拓海さん)
「どっちですか?こっち?いやこっち?いやここには何もないですね。。。ごめんなさい、さすがに冗談でございます。さすがにごめんなさい申し訳ありません。一応500円玉はこっちに持ってるんですね」
「でも500円玉を持ってるんですけど、一番持っていたのはこれなんですね」
赤い布から出て来たのは、ジンジャーエールの瓶でした。驚きで目を白黒させるお客さんです【画像⑨⑩】。
(客)
「え、何で?!(絶句)」
(お客さん)
「これ、姉ちゃんの飲み屋行ってる場合じゃねぞ。ヤバいぞこれ」
(金関 拓海さん)
「ありがとうございます」
「拓海さんは化け物 世界に行ける」
テーブルマジックからステージマジック【画像⑪】まで、変幻自在。華麗な姿に、みな魅了されます。
(金関 拓海さん)
「ちょっと感想を聞きましょうか、どうでした?」
(女性客)
「すごいと思いました」
(金関 拓海さん)
「すごく素敵な笑顔でありがとうございます。後ろの男性の方はどうでした?」
(男性客)
「すごかった」
(金関 拓海さん)
「感想、一緒ですね」
会場が大きな笑いに包まれました。
(女性客)
「話と顔のギャップが、、、イケメンなのに、喋ると結構コメディーな感じで」
(常連客)
「自分にしてみれば、『化け物』です。マジックができる人は技術か、トークが長けているんですが、拓海さんはどっちも長けている。あまりいないタイプだと思います。
「世界に行ってほしい、行ける腕は持っていると思います」
「マジシャン拓海」もう一つの顔
そんな金関さんには、マジシャンとは違う、もう1つの顔があります。その半生を語ってほしいと、講演に呼ばれているのです。
この日は、経営者たちの集まり。みな、金関さんの生き方に感心しきりです。
(主催者の男性)
「年齢じゃない、苦労された分だけ若いころに、余計なんでしょうと思います」
(経営者の男性)
「2年ほど前に知り合ったけど、こういう経験をされているとは思わなくって、見事だなぁと」
「マイナスのエネルギーをプラスに変えていく凄さにびっくりした。彼なら変えられるんじゃないかな、日本を」
「自殺したい」しか考えられなくなった少年時代
何がそこまで惹きつけられるのか・・・包み隠さず語られるのは、金関さんの少年時代です。
(金関 拓海さん)
「6歳から16歳まで祖母の内縁の夫に虐待を受けてまして、小学校からですから、結構きついものがあって」
「当時固いものとかで殴られたみたいで、革靴で顔を蹴られたり、寝ててもすごい勢いでの暴力で、朝6時、7時まで正座、で罵声を浴びせられ・・・そういうような生活をしていると 本当に心が乱れに乱れ切りまして」
「中学校のころ僕が考えていたのが、『自殺したい』、、、それしか僕が考えられなくなっていまして」
親族から10年間受け続けた虐待「もう死のう」
金関さんは4人家族の次男として、岡山市で生まれました。2歳の時、両親が離婚。母子家庭となり、祖母の家で暮らすようになりました。
この家で金関さんは、年の離れた祖母の内縁の夫に、6歳から16歳まで虐待を受けたと言います。少年時代の10年間、来る日も来る日も殴られ、罵倒され、存在を否定され続けました。
(金関 拓海さん)
「こんな状態では、学校に行っても心が荒れているものですから、ほかの人が言っている話も全部自分の悪口に聞こえてしまって 精神的にだいぶ障害も出てしまって」
「脅迫症で、家の中で包丁持っていないと落ち着かない。『常に泥棒がいるんじゃないか、常に襲われるんじゃないか』と 恐怖と隣り合わせで。その辺を歩くのも怖いし、どこに行っても怖い」
「だから『自殺する』って決めたんです。何でかっていうと、『生きていてもいいことがないから、もう死のう』って。その時は、メンタルもボロボロだったんで、『自分の家族は本当の家族じゃない』と思っていた」
恨みつらみを書き留めたノート「みんな死ねばいい」
「すごい恨みつらみを書いたノートがあるんです、今では邪気が出ているような波動のノートなんですけど」
14歳、当時の苦しみを書き殴ったノートが残っています【画像㉔~㉗】。自らの存在を否定し、生きる意味をも見失っていました。虐待で10年間、心も体も痛めつけられてきた 金関さんの心の叫びです。
そしてたどり着いたのは「ホームレス生活」だった
虐待を受け続ける日々・・・この苦しみから何とかして逃れたい・・・たどり着いたのは旭川の河川敷でした【画像㉘】。
(金関 拓海さん)
「すさんで、すさみまくっていましたね。楽しいことは考えていないですね。その1年間、自分の心が荒れたりとか、人に負の感情ばかり持っていた場所なんで」
17歳・・・始まったのは、1年にもわたるホームレス生活でした。
「マジシャン、元ホームレス~金関拓海・26歳~」は、6回シリーズでお送りします。【第3話】「万引き・暴走...自暴自棄な1年間『死ぬのは怖くない』」に続く。
【第1話】「虐待、非行、自殺願望...人生は変えることができる」

