JR東海が、実際に使われていた本物のN700系の部品を販売します。新型車両N700S導入の裏で、N700系の引退が始まっていました。「ひだ」「南紀」に使われるキハ85系ディーゼルカーの部品も販売されます。

デビューから13年で

 JR東海が2021年2月18日(木)から、N700系新幹線の部品(本物)を鉄道用品販売サイト「JR東海鉄道倶楽部」で販売します。

 廃車になったN700系の部品で、ブレーキハンドル(7万円)、緊急ブレーキスイッチ(1万5000円)などを抽選で販売するとのこと(送料、消費税込み)。

 東海道新幹線に、13年ぶりのフルモデルチェンジ車両「N700S」がデビューした2020年。その13年前の2007(平成19)年に、当時のフルモデルチェンジ車両としてデビューしたN700系の引退も、2020年から始まっていました。


2007年にデビューしたN700系(恵 知仁撮影)。

 在来線車両は30年以上使われることも珍しくありませんが、高速で長距離を走る新幹線車両は、10数年で引退する例も多く見られます。

 JR東海は新型のN700Sについて、2022年度までに40編成を導入する予定。入れ替わりにN700系の廃車が進むと思われますが、JR東海が使用している新幹線車両は、合計およそ130編成。N700系の完全引退は、まだまだ先でしょう。2020年にも新しいN700系(N700A)が製造されています。

 ちなみに、N700系の先代車両である700系は、1999(平成11)年にデビューし、2011(平成23)年に最初の引退車両が発生。JR東海所属車両は、2020年までに全車両が引退しました。

 また、このたびJR東海が行う部品販売では、特急「ワイドビューひだ」「ワイドビュー南紀」に使用されるキハ85系ディーゼルカーの背面テーブル(3500円)、カーテン(3000円)なども販売されます。こちらは廃車の部品ではなく、交換した部品の出品だそうです(キハ85系の引退はまだ始まっていない)。