千秋楽を迎えた公演の最後に手を振る片岡仁左衛門さん(中央)=代表撮影

写真拡大

 大阪・道頓堀の大阪松竹座で26日、閉館前最後の公演「御名残(おなごり)五月大歌舞伎」が千秋楽を迎えた。

 最後の演目は、さよなら公演のために歌舞伎俳優・片岡仁左衛門が監修した、役者たちが大阪松竹座への名残を惜しむ「當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)」。幹部俳優が総出演し、上方ゆかりの「封印切」「夏祭浪花鑑」などの演目をオムニバス形式でつづった。最後は、この日のみ出演の仁左衛門が紋付きはかま姿で登場し「必ずもう一度、この道頓堀に松竹座のやぐらが上がると、私たちは確信しております。ご支援、ご声援どうかよろしくお願いします」と、あいさつ。大阪締めでにぎやかに閉幕した。

 一度幕引きをしたが、再度姿を見せた仁左衛門は「我々にではなくて、松竹座に拍手をしてやって下さい」と呼びかけ。スタンディングオベーションで万雷の拍手が沸き起こった。終演後、観劇した40代の女性は「最高でした。建て替え前から来ていた劇場。いくつもの思い出があります」と、感慨深げだった。

 同劇場は103年の歴史に幕を閉じ、松竹は今後、建物の解体工事に着手する方針。文化芸能の発信拠点となる新たな建物の建設を目指すが、跡地利用の先行きはいまだ不透明だ。道頓堀は約400年の歴史を持つ芝居町だが、「道頓堀五座」と呼ばれた伝統ある劇場はこれまでに閉館。大阪松竹座は五座の流れをくんだ「最後の大劇場」だった。映画上映と実演を兼ね備えた活動写真館として、1923(大正12)年にオープン。正面のアーチ形の外観から「道頓堀の凱旋(がいせん)門」と呼ばれ、親しまれた。97年、演劇専用劇場として再開場し、歌舞伎や現代劇など多彩な興行を続けてきた。