世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の日本本部

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 文部科学省による世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を巡り、東京高裁(三木素子裁判長)は4日、解散の是非について決定を出す。

 解散を命じた東京地裁決定を支持すれば、その時点で解散命令の効力が生じ、教団財産を清算する手続きが始まる。

献金被害補償が争点

 昨年3月の地裁決定は甚大な献金被害を認定し、民法上の不法行為を理由とした初の解散命令を出した。教団は以後、元信者への補償を進めるなど問題解決への積極姿勢を強調しており、こうした動きを高裁がどう評価するかが注目される。

 宗教法人法は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があれば、裁判所が解散命令を出せると定めている。2022年7月に安倍晋三・元首相が銃撃された事件をきっかけに高額献金被害に注目が集まり、文科省は翌23年10月、教団が違法な献金勧誘を繰り返したとして、解散命令を請求した。

 地裁決定は、教団の賠償責任を認めた32件の民事訴訟の判決や和解・示談が成立した1000人超のケースを基に、1980年頃からの約40年間で約204億円の献金被害があったと認定。法令順守の徹底を掲げた2009年の「コンプライアンス宣言」後も被害の訴えは続き、「同種類似の被害が生じる恐れが残存している」とした。

 教団側は高裁での即時抗告審で、地裁が認定した被害のうち約186億円分を占める和解・示談は「不法行為とはいえない」と主張した。昨年秋以降、元信者らに計39億円超を支払う調停が成立したほか、補償委員会を設立して被害対応にあたっており、「献金被害が再発する恐れはない」とも強調。「解散事由は存在しない」と訴えた。

 文科省側は「教団信者が長期、広範囲に違法な献金勧誘をした」として地裁決定を支持するよう求めた。

 高裁が解散命令を支持すると、その時点で教団は宗教法人格を失い、税制優遇が受けられなくなる。教団の清算手続きに移行し、裁判所が選任した清算人が1181億円(22年度末時点)とされる財産を管理して献金被害者への賠償に充てることになる。ただ、任意団体などの形で宗教行為を続けられる余地は残る。

 清算手続きは教団が最高裁に特別抗告しても継続する。最高裁が解散命令を取り消すと停止され、教団は宗教法人として再び活動できるようになる。高裁が解散を命じなかった場合は、文科省側が特別抗告できる。

 法令違反による宗教法人の解散命令は過去に、教団トップが刑事責任を問われたオウム真理教と明覚寺の2例があるが、民法の不法行為を理由とした解散命令は初めてとなる。