移動制限のない大型連休は久々だったので、2022年のゴールデンウィークは存分に国内旅行を楽しんだという読者も、多いのではないか。

そんなGWの真っ只中の5月2日、次のようなツイートが投稿され、注目を集めた。

そうそう、楽しい旅行につきものなのが、おみやげである。とくに職場で配るおみやげには、頭を悩ませるという人は多いはずだ。

投稿者の「埋木」(@umoregi01)さんは、「不特定多数の人に配るお土産について、「『おみやげ三原則』を堅持するようにしている」とつぶやく。このツイートには、なんと19万件を超える「いいね」が付けられている(5月13日現在)。

「三原則」とは、

<1>あんこは可能なら避ける(理由:意外とあんこは人を選ぶ)
<2>個別包装(理由:皿とか包丁とかあるとは限らん)
<3>それなりに長持ち(理由:不在時にも置いておける)

の三つということらしい。なるほど、納得感たっぷりの基本原則と言える。「なお、この三原則をすべて満たさないのが赤福です」ともあるが......確かに、あれを不特定多数の人に配るのは難しい。

埋木さんはいつから「おみやげ三原則」を提唱しているのだろう? Jタウンネット記者は本人に聞いてみることにした。

でも、やっぱり赤福はおいしい

Jタウンネット記者の取材に、投稿者・埋木(うもれぎ)さんは、「もともと旅行が趣味で、お土産を買っていく機会が多く、その中で留意していたことでした」と答えた。

「3年ぶりの移動制限のないGWとなり、私のTL上でも旅行先のツイートが多くみられるようになり、改めて言語化しておこうと何気なくツイートしたものでした」

三原則をリスト化するにあたっては、どんな苦労があったのだろう? 埋木さんはこう語った。

「個人的な好みと実際に行ったことがある、食べたことがあるという点だけでリスティングしたのですが、やはり三原則を満たしつつ、地域性があるお土産は難しいなと感じました。
例えば、観光地としては定番の京都・奈良ですが、あんこや抹茶(こちらも意外と苦手な方がいる)を使っていない、日持ちのするお土産が思いつかなかったです。
実際、奈良に行った時もお土産屋さんで『柿の葉寿司や奈良漬はちょっとなあ......』と長考していた記憶がありました」

ところで、三原則に全く当てはまらないと言われた「赤福」だが、それでもやっぱり人気だ。埋木さん自身も、赤福のことが好きだという。

「地元が愛知県で、伊勢方面や名古屋駅に家族の誰かが行くと手土産で買って来てくれたこともあり、赤福は小さいころからなじみ深いお菓子でした。今でも、帰省のついでに自分用に一箱買って帰るほどです。
皆さんからも『でも、やっぱり赤福はおいしい』といったリプライ等をいただき、やはり赤福の人気のすごさを痛感しました」(埋木さん)

ツイッターでは、赤福以外の伊勢土産として「絲印煎餅」や「なが餅」をすすめる声も多かったという。埋木さんも「絲印煎餅」はまだ食べたことがなかったので、ぜひ試してみたいなと思っているという。

溢れる「地元の推し銘菓」

また、埋木さんは冒頭のツイートに続ける形で、「三原則すべてを満たしつつ地域性をもったお土産ってなかなかないんですが、かもめの玉子(岩手)、萩の月(宮城)、ままどおる(福島)、うなぎパイ(静岡)、博多通りもん(福岡)、ざびえる(大分)、ちんすこう(沖縄) は流石という感じ」とも投稿。ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「このスレ完全保存版。いろいろな土産菓子出てくる。ちなおすすめは北海道銘菓、千秋庵のノースマン」
「埼玉です。 なら十万石饅頭もダメかー。 宇都宮の餃子もちと無理」
「長崎なら、一口香(いっこっこう)や茂木びわゼリーとかが満たされていそうです」
「広島のもみじ饅頭はあんこ以外も種類が豊富(カスタード、チョコから変わり種だとチーズや抹茶)なので広島でお土産買うなら定番のおすすめです」

日本各地の住民たちから寄せられた「推し銘菓」であふれかえっているのだ。

ツイッターの大反響の中で、とくに印象だったものは何だったのだろうか? 埋木さんに聞いてみると、こう答えた。

「多くの反響があり、まだまだ全国各地には魅力的で多くの人に愛されているお菓子があるのだなと痛感しました。
例えば『軽羹と軽羹饅頭は違いますよ』というリプを複数いただきました。これは、私がした軽羹と軽羹饅頭を混同したツイートに対するご指摘だったのですが、こういった間違いを見逃せないと多くの人に思わせるほどに軽羹が愛されているのだなと感じた次第です」(投稿者「埋木」さん)

「もらって嬉しいご当地菓子」というと、実は、Jタウンネットでも何度か取り上げたことのある、永遠の関心事だ。

その重要テーマに「おみやげ三原則」という、きわめて分かりやすい法則を提唱する、投稿者の功績は大きい。

Jタウンネット記者も次におみやげを買う時から、参考にさせてもらおう。