黒田日銀総裁

「日本の場合、消費者物価が大きく上昇する可能性は極めて低い。金融緩和の縮小や引き締めはあり得ない」

 黒田東彦(はるひこ)日本銀行総裁(77)は、「毎日新聞」のインタビューにこう答えたという。あまりにも国民の “実情” が見えていない発言ではないか。もう、すでに物価は “家計直撃レベル” で上がっているのだからーー。

 1月27日に「やおきん」が4月1日から「うまい棒」の税抜き価格を、発売43年で初めて10円から12円に値上げすると発表した。国民的駄菓子の値上げは悲しいが、その陰で2月に入った時点で続々と “生活必需品” も値上げ中だ。

 例を挙げると「日清製粉ウェルナ」が2月1日からパスタやパスタソース製品を約3〜9%値上げ。「日本ハム」もハム・ソーセージ、冷凍食品などを5〜12%値上げした。こうした値上げに1社が踏み切れば、雪崩(なだれ)式に他社も値上げに踏み切る。今年の春は「値上げラッシュ」の様相なのだ。

「水は低いほうに流れますが、お金は金利の高いほうに流れます。黒田総裁は低金利をそのまま維持すると明言していますが、それによってドル、ユーロにお金が流れて円安になる。つまりは輸入品が高くなるということです」

 こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。ウクライナ情勢の緊迫、そして中国の食糧確保政策もあり、荻原氏は2022年中は値上げが続くと予測する。

「一方で、4月から年金支給額が0.4%下がるんです。引き下げは2年連続です。年金が下がるということは、基準になる現役世代の3年間の平均給与も下がっているということです。そうした状況で、物価だけ上昇するのはダブルパンチですよね」

 そんななか生活を防衛するために、計画的に食糧を維持する「余裕買い」もおすすめだと話してくれた。本誌は、値上がりする商品を時系列でまとめた「余裕買いカレンダー」を作成。生活に密接した商品を厳選しているので、参考にしてほしい。

「値上がり前に余裕をもって買っておくのはひとつの手です。ただ、注意すべきは賞味期限ですね。忘れて賞味期限切れにならないように、期限順に整理して消費しておくなど工夫をする必要もあります」

 ちなみにカップ麺は半年、袋麺は8カ月、レトルト・缶詰食品が1年〜2年というのが多くみられる賞味期限だ。これらと自分の消費量を勘案して、購入することが大事だ。

「じつは唯一、値段が下がっているのがコメです。外食での消費量が減り、コメが余っている状態です。茶碗1杯のご飯が20円〜25円なのに対し、いま6枚切り食パンを2枚食べると50円〜60円になる。積極的におコメを食べるだけでも防衛策になりますね」

 実るほど頭の下がる「コメ価格」。農家も自分の生活も救うべし。

「うまい棒」をはじめ、値上げが予定されている商品

■余裕買いカレンダー■

【2月16日から】

●《醤油、豆乳》
 キッコーマンが「いつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ450ml」302円→318円ほか醤油164品目で約4〜10%↑。「調製豆乳1l」302円→318円ほか豆乳52品目で約5〜6%↑

【2月28日から】

●《総菜》
 紀文がちくわ「竹笛」などの魚肉練り製品、総菜製品で平均約8%↑

【3月1日から】

●《ハム・ソーセージ》
 伊藤ハムがナショナルブランド全230品目値上げ。「グランドアルトバイエルン」などハム・ソーセージ、調理加工食品(麺類以外)で4〜12%↑

●《麺類》
 テーブルマークが「さぬきうどん」などの冷凍麺、お好み焼き、たこ焼きの家庭用冷凍食品計25品目で約5〜10%↑。シマダヤが「流水麺」など家庭用全商品で4〜14%↑

●《缶詰類》
 マルハニチロが「さんま蒲焼」281円→324円、「月花さば水煮」319円→341円などサバ、サンマ、イワシなどの缶詰・瓶詰41商品で約3〜15%↑。ニッスイ(日本水産)が「スルッとふた減塩さば水煮」など缶詰・瓶詰商品で約3〜20%↑、「焼さけあらほぐし」など10品目で容量を減らす実質値上げ

●《インスタント食品》
 エム・シーシー食品が「ラ・クッチーナ」シリーズなどパスタソース全品で約4%↑、スープ全品で約2%↑。ニッスイも「サラダで楽しむ SABA」シリーズなどレトルト商品で5%↑

●《おつまみ》
 ニチレイフーズが「塩あじえだ豆」など家庭用冷凍野菜の一部で約8〜15%↑

●《デザート》
 ミスタードーナツが「ポン・デ・リング」118円→129円(テイクアウト価格)など、ドーナツ、パイ、マフィン合計33品目の1個あたり税抜き価格を10円↑

●《マヨネーズ》
 キユーピーが「キユーピーマヨネーズ450g」402円→436円など家庭用マヨネーズ、ドレッシング、タルタルソースで2〜10%↑。味の素が「ピュアセレクトマヨネーズ400g」373円→403円など家庭用マヨネーズが約3〜9%↑

●《電気料金》
 標準家庭のケースの2月比で東京電力が283円↑、関西電力が55円↑、中部電力が292円↑、東北電力が219円↑、中国電力が174円↑、九州電力が113円↑、沖縄電力が213円↑。(北陸電力は据え置き)

●《ガス料金》
 標準家庭のケースの2月比で東京ガスが222円↑、大阪ガスが226円↑、東邦ガスが229円↑、西部ガスが168円↑

【3月22日から】

●《生活用品》
 大王製紙が「エリエール」ティッシュ、トイレットペーパーで15%↑以上

【4月1日から】

●《インスタント食品》
 大塚食品が「ボンカレーゴールド」194円→205円、「ボンカレーネオ」307円→318円とシリーズ7商品で税別価格を10円↑。ハナマルキが即席みそ汁「からだに嬉しいしじみ汁12食入り」など5〜13%↑。ハチ食品が「たっぷりパスタ」189円→199円、「ミートドリア」172円→183円などパスタソース24品目、ドリア6品目で5〜7%↑

●《飲料》
 大塚食品がミネラルウォーター「クリスタルガイザー」の500mlサイズで108円→118円、700mlサイズで108円→129円に

●《お酒》
 サントリーがウイスキー「山崎 12年」で9350円→11000円の18%↑をはじめ「響」「白州」「知多」などの8ブランド31品目で5〜28%↑

●《乳製品》
 雪印メグミルクが「6Pチーズ」394円→415円、「クリームチーズ」469円→491円をはじめ、チーズなどの37品目で約3〜20%↑

●《ケチャップ》
 カゴメが「カゴメトマトケチャップ」やトマトソース、ウスターソースなど計125品目の出荷価格を約3〜9%↑

●《高速道路》
 首都高速道路の普通車上限料金が1950円になり630円↑

【5月1日から】

●《飲料》
 コカ・コーラが「コカ・コーラ」「ファンタ」「綾鷹」などの量販店向けの大型ペットボトル製品16品で約5〜8%↑。キッコーマンがトマトジュース「デルモンテ トマトジュース900g」373円→395円など、ケチャップ含む73品目で約3〜10%↑

【6月1日から】

●《インスタント食品》
 日清が「カップヌードル」「日清のどん兵衛」「日清焼そばU.F.O」いずれも208円→231円、「チキンラーメン5食パック」599円→664円、「日清カレーメシ」248円→261円など約180品目で5〜12%↑。永谷園が「お茶づけ海苔8袋入り」257円→270円などふりかけ、即席みそ汁を含む19品目で約5〜9%↑

●《お酒》
 宝酒造が「タカラ 焼酎ハイボール<レモン>350ml缶」155円→157円、「宝焼酎25°4l」3203円→3324円など220品目で約1〜8%↑

※特記のない価格は税込み希望小売価格。端数は切り捨て。「↑」は上昇、「→」は値上がり前後の価格変動を表わす。上昇率は各企業の発表に基づく