スマホの防水、防塵、耐衝撃はケースでも補える! 知っていればトクする耐久性や強度の基礎知識

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日本ではスマートフォンの防水性能や防塵性能に対するニーズが高い。
いまでは海外メーカー製のスマートフォンでは当たり前のように防水・防塵に対応しているモデルも増えてきている。

しかし5年ほど前まではそうではなかった。

実は、防水・防塵性能といった耐久性を求めるのは日本人の特徴とも言われ、日本のユーザーからの要望が多かったが、海外市場ではあまり求められていなかった。
そのため数年前の海外製スマートフォンは、防水や防塵性能に対応していない製品がほとんどだったのだ。

アップル製のiPhoneも、今から5年余り前に発売されたiPhone 7シリーズからようやく防水・防塵性能に対応したほどだ。

今ではスマートフォンメーカー各社も、本体の耐久性能を重視し、防水・防塵だけでなく耐衝撃性能まで高めたモデルも提供している。
ハンドソープなどで洗えるモデルや、新型コロナウイルス感染症が拡大した以降ではアルコール消毒に対応したモデルまで登場している。

ただし、スマートフォンで採用されている防水・防塵、耐久性といっても様々なレベルがある。

実際、スマートフォンの耐久性レベル(規格)については、
多くの人が詳しく知らないというのが現状だろう。

そこで今回は、スマートフォンなどのデジタル製品に採用されている耐久性能を示す指標について解説する。

■防水や防塵性能のIPコードってなに?
防水や防塵性能を表す「IPXX」という表記がある。まずはここから解説しよう。


防水や防塵性能の表記



「X」は便宜上の表記


上記の通り、「IP(アイピー)」は、
International Protection(インターナショナル・プロテクション)の略称だ。
国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)が策定している規格に準拠した保護性能を表している。
一般的にはIPコードとも呼ばれている。

IPの後に続く数字は、
左側が防塵等級で右側が防水等級。
「X(エックス)」を使う場合は、どちらかを表記したい場合となる。

防水性能だけの場合は「IPX8(アイピーエックスハチ)」
防塵性能だけの場合は「IPX6(アイピーエックスロク)」
このような表記となる。

たとえば「IP6」の表記だけだと防水性能か防塵性能か判断できない。
そのため、便宜上「X」という文字を用いる。


■防水および防塵性能
それでは防水と防塵性能について具体的に説明していこう。

●防水性能
防水性能の指標としてIPコードでは0から8までの合計9段階のレベルがある。
なお、保護内容は「水の侵入に対する保護」とされている。

・IPX0
保護なし
テストなし

・IPX1
保護の程度…垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない
テスト方法…200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分

・IPX2
保護の程度…垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
テスト方法…200mmの高さより15°の範囲3〜5mm/分の水滴、10分

・IPX3
保護の程度…垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
テスト方法…200mmの高さより60°の範囲10リットル/分の放水、10分

・IPX4
保護の程度…いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない
テスト方法…300〜500mmの高さより全方向に10リットル/分の放水、10分

・IPX5
保護の程度…いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない
テスト方法…3mの距離から全方向に12.5リットル/分・30kpaの噴流水、3分間

・IPX6
保護の程度…いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない
テスト方法…3mの距離から全方向に100リットル/分・100kpaの噴流水、 3分間

・IPX7
保護の程度…規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない
テスト方法…水面下・15?〜1m、30分間

・IPX8
保護の程度…水面下での使用が可能
テスト方法…メーカーと機器の使用者間の取り決めによる


●防塵性能
防塵性能のIPコードでは0から6までの合計7段階のレベルがある。
なお、保護内容は「人体・固形物体に対する保護」とされている。

・IP0X
保護なし
テストなし

・IP1X
保護の程度…手の接近からの保護
テスト方法…直径50mm以上の固形物体(手など)が内部に侵入しない

・IP2X
保護の程度…指の接近からの保護
テスト方法…直径12mm以上の固形物体(指など)が内部に侵入しない

・IP3X
保護の程度…工具の先端からの保護
テスト方法…直径2.5mm以上の工具先端や固形物体が内部に侵入しない

・IP4X
保護の程度…ワイヤーなどからの保護
テスト方法…直径1.0mm以上のワイヤーや固形物体が内部に侵入しない

・IP5X
保護の程度…粉塵からの保護
テスト方法…機器の正常な作動に支障をき たしたり、安全を損なう程の料の粉塵が内部に侵入しない

・IP6X
保護の程度…完全な防塵構造
テスト方法…粉塵の侵入が完全に防護されている

防水および防塵性能のいずれも、
IPコードの数字が大きくなるほど高い性能を持つことを意味する。
一般的な日常での利用シーンであれば、
・防水性能であればIP6X以上
・防塵性能であればIP5X以上
これが安心できるレベルといえるだろう。

スマートフォン以外にも、近年ではワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなども急速に普及しているため、
・フィットネスやスポーツシーンでの利用による発汗対策
・屋外利用による急な大雨などの水濡れ対策
これらを想定して防水性能を採用している製品も増えている。


■耐衝撃性能など
スマートフォンやパソコンをはじめ、製品の耐衝撃性能に「MIL(ミル)規格」が採用される場合がある。

MIL規格とは、
United States Military Standard(ユナイテッド・ステイツ・ミリタリー・スタンダード)を意味している。これは米軍の資材調達に関する規格で、米国防総省が定めた品質基準のことだ。

MIL規格のうち、「MIL-STD-810」は衝撃だけでなく温度や湿度、高度、振動、耐水などの過酷な環境条件における試験規格となっている。



タフネスケータイ「G'zOne TYPE-XX」もMIL規格準拠の試験をクリアしている


2021年12月10日に発売された京セラ製のタフネスケータイ「G'zOne TYPE-XX(ジーズワン・タイプ・ダブルエックス)」はMIL-STD-810Hに準拠した19項目の試験をクリアしており、製品シリーズの中ではもっともタフな製品として登場した。

このG'zOne TYPE-XXの例をあげると、
・耐衝撃
・温度耐久
・耐振動
・耐日射
・防湿
・塩水噴霧(えんすいふんむ)
・低圧対応
・耐氷結
これらの耐久試験を実施し、クリアしていることになる。


■防水や耐衝撃性能を備えたスマホケース
スマートフォンにおいて防水および防塵性能は、今やスタンダードになりつつある。

しかし上記の通り、一言で防水、防塵、耐衝撃性能といっても多くの基準値が設けられているため製品によって性能の差は、当然、生まれてしまう。

たとえば、
防水には対応しているが、防塵や耐衝撃性能には対応していない・・・。
こうした製品もあるというわけだ。
また防水だと思っていたら、実は「防滴性能」だったので耐水性能は低かった。
こうした場合もあるだろう。

そんな場合スマートフォンでは、本体の耐久性能の差をケースで補うことができる。
防水性能がないものや海水で使いたい場合、透明の防水ケースを使うことで補完できる。
こうした活用をイメージするとわかりやすいだろう。


Pruvansayの防水ケース


Amazon.co.jpで「防水ケース」を検索すれば、わずか千円前後で多くの製品が販売されている。

また防水ケースだけでなく、機種専用の耐衝撃性能を備えたケースも販売されている。Amazon.co.jpで「耐衝撃性」あるいは「耐衝撃性 ケース」で検索すれば、こちらも多くの製品を見つけることができる。


ZERO HALLIBURTONの耐衝撃性能を備えるiPhone 13専用ケース


さらにスマートフォン関連のアクセサリー製品を取り扱う店舗やオンラインストアを展開する「UNiCASE(ユニケース)」と、アタッシュケースなどのメーカー「ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)」がコラボしたiPhoneケースなど販売されている。

こちらは前述のMIL規格に準拠した落下試験をクリアした耐久性に優れたケースだ。

耐衝撃性能に対応したスマートフォンケースは、MIL規格に準拠した試験をクリアしていることをアピールしている製品も多い。
価格は2千円弱のものから8千円程度するものまであるので、購入前に必ず製品の仕様をチェックしてから判断してほしい。

iPhone 7 以降の防沫・耐水・防塵性能について - Apple サポート (日本)
G'zOne TYPE-XX - au


ZERO HALLIBURTON - ゼロハリバートン – ZERO HALLIBURTON JAPAN




執筆:S-MAX編集部 2106bpm