巨大災害発生が切迫!最大30mの超巨大津波で200tの巨石が…琉球海溝地震「衝撃の予測被害」
溜まり続ける『ひずみ』
不気味な地震が多発している--。
5月20日には沖縄本島近海でM(マグニチュード)5.9の地震が発生し、鹿児島県与論島で震度5強の強い揺れを観測。6月8日にはフィリピン南部ミンダナオ島沖で起きたM8.2の地震により、宮崎県宮崎港を高さ約30cmの津波が襲った。
政府が、日本近海でさらなる巨大地震の発生が切迫しているとする″危険地域″が二つある。地球科学の権威で、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏が解説する(以下、コメントは鎌田氏)。
東日本大震災を上回る被害も
「北海道や東北沖の千島・日本海溝と、東海から九州沖に伸びる南海トラフです(下の図参照)。いずれも東日本大震災と同レベルかそれ以上の、最大M9超の巨大地震が起きると考えられます」
まず昨年末から地震が頻発する、千島・日本海溝の脅威(きょうい)を紹介したい。
「千島海溝では、400年ほどの間隔で巨大地震が発生しています。前回は江戸時代の1610年代から’30年代にM8.8程度の地震が起き、高さ30m近い津波が4km内陸まで達しました。東北大学などの研究グループによると、北米プレートと太平洋プレートの境界線で年間8cmの『ひずみ』が溜(た)まっているそうです。400年にわたり続いていると考えると、『ひずみ』は32mにもなる。プレートが圧力に耐えられずにズレ動くことで、いつ巨大地震が起きてもおかしくないんです」
内閣府が公表した想定では、千島海溝で起きる地震で最大10万人、日本海溝で同19万9000人の死者が出るという。
津波は2〜3分後に到達
次は政府が今後30年以内の発生確率を60〜90%以上(別の計算方法では20〜50%)とする、南海トラフ巨大地震だ。
「太平洋岸を襲う津波は最大で34mに達し、速い場所で発生から2〜3分後には海岸に到達します。震度7の大きな揺れを受ける地域は、10県にまたがる150近くの市町村にのぼり、全壊・焼失する建物は約235万棟。犠牲者は30万人近くになると想定されるんです。日本の総人口の半数ほどにあたる、6800万人が被災すると考えられます」
鎌田氏が巨大地震発生への警鐘(けいしょう)を鳴らすのは、千島・日本海溝と南海トラフだけではない。九州南部から台湾東部まで長さ1000kmに及ぶ琉球(りゅうきゅう)海溝も、大きな危険をはらんでいる。
「琉球海溝もM9クラスの巨大地震の震源域です。資料が少ないため正確な周期はわかりませんが、海底の堆積物(たいせきぶつ)などから数百年に一度の頻度で巨大な津波が繰り返し発生しているようです。
江戸中期の1771年には琉球海溝を震源とする高さ30mほどの大津波が沖縄県八重山諸島を襲い、死者・行方不明者は1万2000人に達しました。八重山諸島の中心・石垣島では、完全に消滅した村もあったといわれます。石垣島東海岸には、今でも重さ200tを超える巨大な岩が多数転がっている。『津波石』と呼ばれ、過去の琉球海溝地震で海底から運ばれたと思われるんです」
’24年4月には、台湾東方沖を震源とするM7.7の地震が発生。18人が死亡し、1100人以上が負傷した。政府の地震調査委員会によると、今後30年以内に沖縄県与那国島周辺でM7程度の地震が起きる可能性は90%以上だという。
「琉球海溝は、南海トラフと同じユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界にあります。研究段階ではありますが、南海トラフと連動して海溝型巨大地震を起こす可能性も指摘されているんです。被害は計り知れないでしょう。また琉球海溝の西側にある沖縄トラフ周辺には、硫黄鳥島などの活火山が多数ある。地震に触発され、火山活動が活発化する危険もあります」
″地震の巣″ともいえる3大海溝。そのいずれでも危険が切迫しているのだ。
『FRIDAY』2026年6月26・7月3日合併号より

