[連載]SUPER FILM presents|2026 F1 Rd.01 Australian GP
06 - 08 Mar 2026
Albert Park Circuit - Melbourne
Circuit length : 5.278 km / 58 Laps
Race distance : 306.124 km
Lap record : 1:19.813 / Charles Leclerc ( 2024 )

2026年、F1開幕戦はここオーストラリア・メルボルンで始まった。少し肌寒さを感じるが金曜から日曜までF1にとっては理想的なコンディションの中での開催となった。
今年からF1は大きくレギュレーションが変わり出力に占める電動比率が上がった。ICEとMGU-KのPU構成に変化はないが、出力配分は50:50になる。前年までは内燃機が約80%の割合で仕事をしていたことを考えると、今シーズンはキネティックの動きが体感的に実際の出力以上に大きく見えるに違いない。またMGU-Hの廃止によりシステム自体はシンプルになったもののエネルギー管理という面に関しては難易度が上がったことも大きな変化のひとつだ。チームの戦術やレーサーの瞬間的な判断で展開が大きく変わる要素になっている。シャシー面に関してはDRSがアクティブエアロに代わり、マシンはストレートとコーナーで空力特性が変わるものとなり、またディメンションが小さくなり軽量化も果たされることとなった。これらは全て、これまでのグランドエフェクトのマシンから空力依存を減らしてオーバーテイクを促すために考案されたテクニカルレギュレーションだ。
今シーズンは多くの場面でこれまでとは違ったレース展開になっていくだろう。内燃機やタイヤという第一次的な一過性のエネルギー出力をドライビングでコントロールしていた時代から、ラップとしての(またはレース全体)エネルギーマネージメントが勝利のシナリオを組み立てるための要素となってくる。レーサーひとり一人の特質である戦術性が戦略をより重視するシチュエーションになったことで「グランプリ」の本質自体が変わってしまわないことが重要だ。F1はいつの時代もレーサーの競争であるべきだからだ。

開幕前からの下馬評通り、メルセデスの2台は終始好調だった。またフェラーリもそれに続く勢いで紅と白を基調としたカラーリングが映える。FP3終盤でメルセデスのキミ・アントネッリのマシンが大破する大クラッシュ。場所は2コーナーで、手前の1コーナーへのアプローチで”何か”が違ったようだ。伝統的なサーキットで特定の速いレーサーだけが違ったラインを描くことは珍しくない。しかしながらアルバートパークでは全てのコーナーで全てのレーサーが同じラインを走る。だがこの2年目の新人だけは1コーナーへのアプローチラインが違っていた。新しい空力パッケージの中で、何かしらの解を見つけたのかもしれない。

続く予選Q1、開始早々レッドブルのマックス・フェルスタッペンが1コーナーでブレーキがロック、そのままクラッシュに至る。これによりセッションは中断となり、FP3のクラッシュによって予選での出走が危ぶまれていたアントネッリは走行の機会を得ることに成功した。グリッド、フロントロウはメルセデス。3番手にレッドブルのアイザック・ハジャーが続き、予選は終了。メルセデスのメカニックたちは良い仕事をした。

1周5.278kmのコースを58ラップによって競われるオーストラリアGP。地元マクラーレンのオスカー・ピアストリがグリッドに着く前のピットオープンラップでクラッシュ、全くレースをしないまま戦列を去ることに。メルセデスの2台は予選でのアドバンテージを全く生かすことができないまま1コーナーをフェラーリのシャルル・ルクレールに譲った。オープニングラップでは僚友ルイス・ハミルトンも奮闘し3位でホームストレートに戻る。コース上の至る所でマシンが密集し目まぐるしくバトルが展開される。去年までは見ることのなかった光景が広がる。レース中盤からはフェラーリがコースを掌握するも、全周回を通してエネルギーマネージメントに成功したのはメルセデスだった。


優勝はメルセデスのジョージ・ラッセル、2位に同じくアントネッリ、そして3位はルクレールとなった。ベテランに囲まれての表彰台のアントネッリがまだ初々しい。




a Ryoma Kashiwagi film | 2026
RED KOMODO X | LEICA Apo-Summicron M50mm, Elmarit M90mm
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