実業家のマイキー佐野氏が自身のYouTubeチャンネルで公開した『トランプ本格始動。2026年に起きるアメリカ資金革命とは【マイキー佐野 経済学】』では、トランプ政権の動きが本格化することで、2026年にアメリカ国内の資金の流れがどのように変質していくのかが解説されている。佐野氏は、2025年を政策と制度を仕込む「種まきの年」と位置付け、その結果が一気に表面化するタイミングとして2026年を捉える視点を示した。

就任直後から大量の署名や大統領令を通じて前政権の方針を転換していった動きは、短期的な成果を狙ったものではなく、資本の再編を前提とした準備段階だったという。そのため、2025年時点では変化が見えにくかった政策も、時間差で資金移動という形になって現れてくると佐野氏は見る。

1つ目の論点は銀行規制である。リーマンショック後に強化された規制は、銀行の安全性を高める一方で、国債市場の流動性を低下させてきた。規制緩和によって銀行が自由に動かせる資金が増えれば、国債の売買が円滑になり、政府の資金調達や金融市場全体の回転が改善する可能性があると説明される。一方で、安定とリスクのバランスがどう変わるのかは慎重に見極める必要があると含みを持たせている。

2つ目は住宅ローン市場だ。政府支援機関の存在が、長期固定金利を支えてきた構造そのものに焦点が当てられる。民営化が進めば、市場原理がより強く働く一方で、金利や住宅取得環境に影響が及ぶ可能性がある。ここでは結論を断定するのではなく、制度変更が持つ波及性に注意を向けている点が印象的だ。

3つ目は暗号資産、特にステーブルコインである。佐野氏は、発行額と同額の米国債を裏付けとする仕組みが、デジタル通貨と国債市場を結び付ける役割を果たすと指摘する。ステーブルコインが広がるほど国債需要が自動的に生まれる構造は、ドルと米国市場の立場を補強する一方、銀行預金との関係性に新たな緊張を生む可能性も示唆される。

4つ目はクリーンエネルギー政策からの転換だ。再生可能エネルギー中心の路線を見直し、石油や天然ガス、原子力といった既存エネルギーを重視することで、投資の向きや雇用の構造が変わり始めている。補助金や税制優遇の縮小が、プロジェクト停止や企業判断に影響している点にも触れられる。

最後が401K制度である。これまで比較的安全な資産に限定されてきた年金資金が、オルタナティブ投資へと開放されることで、眠っていた巨額の資金が市場に動き出す可能性がある。個人の年金資産とリスク資産が結び付くことの意味は大きく、賛否が分かれる論点として提示されている。

佐野氏は、これら5つの変化が独立して起きるのではなく、相互に影響し合いながら2026年のアメリカ経済を形作っていくと結論付ける。動画では、それぞれの制度変更がどのようにつながっているのかが時系列と背景を交えて語られており、文章だけでは捉えきれない全体像が浮かび上がる。今回の動画は、アメリカ経済の構造変化を俯瞰的に理解したい読者にとって、資金の流れを読み解く視点を与える内容である。

チャンネル情報

マイキー佐野です経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます〜2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営