退職後の会社から「金返せ」20万円を支払った理由

YouTubeチャンネル「新卒応援チャンネル【さざえ】」が公開した動画に、5社での職務経験がある「としこ」さんが出演した。ボイスチェンジャーで声色を変え、「これがボイスチェンジャーです」「実物は“むさ苦しい男”なので」と明かしつつ、転職の過程で見えてきた価値観を語った。冒頭で「いろいろ爆弾を抱えているので」とも述べ、動画の終盤でその内容に触れている。

学生時代については、学部は経済学だったが大学院進学を志し、3年生のときにゼミ教員から「君が本当にやりたいのは経済学より政治学では？」と助言を受け、政治学の学習を始めたという。政治家の秘書や政治家本人を志望してインターンにも参加した一方で、自身を「意識と行動が伴っていないタイプ」と自己分析し、「MacBookを開いてYouTubeばかり見ていた」と振り返った。

1社目の労務管理系サブスクサービスの営業職では、2020年卒で入社。コロナ禍でリモート勤務下にあり、営業を学んだ。初期は成績が伸びず同期最下位の時期もあり、帰りの電車で涙した際、上司から「大丈夫、次頑張ろうよ」と声をかけられたという。2年目にマネジャーが代わり、営業同行やロールプレイング（ロープレ）指導を受けて成果が出始めた。2年目の終わりにはチーム1位、全体2位となり、3年目は新規事業チームに立候補して、リモートで成果を出す部署に所属した。集中して働き、仕事がないときは休む働き方が合っていた一方で、私生活との境界があいまいになり、22時すぎまで働く日が続いた。

2社目の人材系メガベンチャーには、1社目在籍中に名刺交換をしたキャリアアドバイザーの勧めで転職した。企業は「20代で圧倒的成長」を掲げ、オフィスは「洗練されていた」と振り返る。入社後は「残業60時間は当たり前、80時間超えもざら」と語り、毎日10〜15件の面談や深夜の勉強会で疲弊したという。不眠傾向となり心療内科に通院して、適応障害と診断された。1か月半の休職を挟んで復職を検討したが、人事担当からのパワハラがあったと主張し、退職を決めた。会社から賃金の過払いがあったとして返還を求められ、20万円を支払ったと説明している。

その後は負荷の少ない働き方を求め、3社目としてホストに転身。友人の誘いで体験入店し、上品な店内の雰囲気に関心が高まったという。勤務は1時間半〜2時間程度で、時給は5,000円程度に感じたと述べたが、「お酒を飲んではいけない体質なのに飲む」生活が続き、体調を崩した。精神科医から「このままでは躁うつ病になる」と告げられ、約半年で退職。欠勤に伴う罰金や遅刻・早退で給与が下がるなどのルールがあったと主張した。

現在は3社目退職後に実家で1〜2か月療養したのち、ハローワークでリモート可の求人を探して応募し、福利厚生が充実し残業が少ない企業から内定を得たという。キャリアアドバイザーとしてほぼリモートで勤務し、残業はほぼなく、定時後にジムへ行く生活を送っている。将来的には地元の市議会議員に立候補し、年収700万円を目指したいと述べ、過去の選挙結果を踏まえ、20代での立候補は当選の可能性が高いとの見解を示した。

退職時の対応については、パワハラや残業代の未払いに該当し得る場合は、社労士や弁護士などの専門家に相談して対応を考えるべきだと呼びかけ、「取れそうなお金は『取りに行ったほうがいい』」との考えも示した。

なお、動画冒頭で触れた「爆弾」については、過去にパワハラを受けたと主張する上司を「訴える準備をしている」と語った。