小久保玲央ブライアンに憧れて。J2水戸内定の早川ウワブライトが描く未来像「“ここぞ”という場面で止めるGKになりたい」
今年7月にJ2水戸ホーリーホック入りが内定した早川は、福島でインターハイが開催されていたなか、地元柏市を中心に行なわれたフェスティバルであるパワーワークカップ2024でプレーしていた。
大阪産業大学付属との一戦では、常に声を出してディフェンスラインをコントロールしたり、味方と綿密なコミュニケーションを取ったりする姿があった。得意とするハイボールの処理やビルドアップでも高い位置でボールを受けて参加するなど、積極的なプレーを見せて2−1の勝利に貢献した。
「自分はハイボールの対応とシュートストップ、ロングボールのキックを武器にしています。ただ、今日の試合で感じたのは、ビルドアップの参加のところで、(パス回しに)入るタイミングだったり、縦につけていくタイミングだったりが甘かったですし、背後を狙ってくるチームに対して、もっと僕が前に出てカバーをしていくべきシーンもあったので、僕がもっと最終ラインとのコミュニケーションを深めていかないといけないと思いました」
終わった試合の分析をして言葉にできる。この話を聞いた時、サッカー談議をしたくなった。1失点を喫したシーンは、相手のクロスから左右に揺さぶられてからのシュートに対応できなかった。その際、ステップが大きくなりすぎて、最後のシュートに対応する姿勢が崩れていたことを指摘すると、早川は「その通りです」と口にして、こう続けた。
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「折り返しが続いた際にボールに寄りすぎてしまったことで、シュートに対応しきれない状況を作ってしまいました。今思うと、あそこで折り返されると分かった時点で、ポジションを内側(ゴール寄りの位置)にして、その時にシュートに対する構えをしておけば良かったなと思います。
一歩目を前に出すべきなのか、後ろに下がるべきなのか。相手の方が速くて追いつかないと思ったら、変に動かないで構える判断をするなど、細かいステップや構えるスピードはここのところずっと意識をしているからこそ、そこの甘さを痛感しました」
高い自己分析能力。なぜそこまでしっかりと分析できるのかを問うと、日体大柏で過ごした時間によって磨かれたと早川は語った。
「2年生の夏まで、あまり(日体大柏の)トップに絡めないこともあって、平日は(学校が相互支援契約を結んでいる)柏レイソルU-18の練習にずっと参加していたんです。その際にレイソルの吉川脩人GKコーチ(現・ギラヴァンツ北九州トップチームGKコーチ)に『レイソルは試合を通して、今日のプレーはどうだったかを動画を見て分析するんだ』と言われ、僕も動画を見てレポートを提出することをやっていたんです。
それをやっていくにつれて、自然と自分で『もっとこうしておけば良かった』と思ったり、分からなかったらゴールキーパーコーチと直接コミュニケーションを取ったりすることが当たり前のようになっていきました」
日体大柏でも同様に試合のフィードバックをして、自分を客観的に見つめることが日常化しているなかで、彼の中で明確な目標として位置付ける選手がいる。
「レイソルアカデミーから世界に羽ばたいていった小久保玲央ブライアン選手のプレーが大好きで、よくレイソルU-18時代のプレーはハイライトなどで見ていました。当時から身体能力がものすごく高くて、かつ声を積極的に出して守備のコントロールにも携わっていて、とにかく試合中の存在感が凄まじかった。パリ五輪でPKストップだったり、ビッグセーブだったりと“ここぞ”という場面で止めるゴールキーパーなので、僕もそうなりたいと強く思っています」
小久保は柏U-18時代に、当初は波があった選手だったが、自己分析を積み重ねていくにつれて、どんどん安定感が増していった。まさに早川は今、その過程を踏んでいる。
小久保のように高卒で海外とはいかないが、複数のJクラブの練習に参加した結果、「ホーリーホックは若手育成が良いという印象と、練習参加して雰囲気もそうだし、サッカーに集中できる環境で、施設も整っているのでここでやりたいという思いが強くなりました」と水戸入りを決め、ここからのステップアップを誓っている。
「1年目から試合に出たいし、出られなくても継続してやり続けることを大事にしていきたい。あとは最後の選手権予選で千葉県を勝ち抜きたい。一昨年は選手権に出て、昨年は県決勝まで行っているなかでインハイ予選では負けてしまいましたが、県リーグ1部も8戦負け無しでいますし、プリンスリーグ昇格はもちろん、選手権は絶対に取りたい」
日々自分と向き合いながら、早川は貪欲に自身の成長のために分析しながらプレーを続けていく。設定した目標をクリアしていくために。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
