料理教室や育児相談といって女性を誘い出し、怪しい宗教やマルチ商法へ誘導する手口が増えています。今回は、ESSE読者282人にアンケートを実施。「今までに怪しい宗教やマルチ商法、儲け話やセミナーなどに誘われた経験はありますか?」という質問に対し、じつに半数以上の人がなんらかの怪しい勧誘を受けた経験をもっている実態が明らかになりました。

女性を狙った怪しい誘い。その手口や勧誘場所は?

ESSE読者に「今までに怪しい宗教やマルチ商法、儲け話やセミナーなどに誘われた経験はありますか?」と聞いたところ、なんと半数以上が「はい」という結果に。

自由回答のなかから、どのようなシチュエーションで勧誘され、どのようにきり抜けたのか、体験談をご紹介します。

「職場の同僚が若い子をマルチに誘っていました。料理教室やフラワーアレンジメントに誘われて行ってみたら、自分以外は怪しい団体の会員だったそう」(香川県・39歳)

怪しい組織の勧誘を受ける場面で、圧倒的に多かったのが「習い事」でした。

●1:料理教室に参加したらマルチに勧誘された

「お料理教室に来ない? と誘われて行くと、マルチの鍋を使っての料理教室で、私以外は全員会員でした」(岡山県・52歳)

なかでもとくに目立っていたのが「料理教室」です。普通のレッスンだと思って参加したら、鍋や洗剤などの日用品を高額な値段で買わされそうになったという体験談が複数寄せられていました。

すぐ気がついて断り、スッと帰ることができればいいですが、相手が複数人で時間をかけて説得されるようなシチュエーションも。かなり恐怖を感じますよね。

●2:毎日使う洗剤まで…。友人であっても止めるのは困難

「とても仲よくしていた友人が有名なマルチにハマってしまいました。それまでは地元に帰ったときくらいしか会っていなかったのが、わざわざなにかと理由をつくっては遠方のわが家まで来ます。無農薬野菜だとか環境によい洗剤だとかを持ってきては料理などを振る舞ってくれましたが、その商品はマルチで有名なものでした」(埼玉県・40歳)

この方は友人に「ここの商品(マルチの商材)大好きなの」と繰り返し刷り込まれました。そして突然、料理教室といって勧誘の場に連れて行かれたそう。
「2時間近くマルチの商品の話をしながら、高額な調理器具でつくったおいしくない豆腐チョコケーキを食べさせられて…。ここまで洗脳されてしまってたらもう無理だなと思いました」

それ以後は疎遠になり、やり取りもなくなってしまったとのこと。その友人には子どももいて、マルチの商品価値に感化された子育てや食生活を続けているといいます。その子が、周りの友だちから浮いてしまっているのではないかと心配していました。

●3:タワーマンションで謎のホームパーティ

「『タコ焼きパーティをする』と誘われ、呼ばれた場所がタワマンでした。とりあえずタコ焼きがあるという感じで、参加してる人たちの雰囲気も不自然。あとでマルチビジネスの集まりだったとわかりました」(東京都・31歳)

知り合った人からパーティに誘われるというケースも。

「スーパーで買い物をしていたら、『今度、うちでこの辺に住んでいる同じくらいの世代の奥様たちでお茶会するんだけれど、よかったら一緒にどうですか?』と誘われました。場所は六本木のタワマン。連絡先が書かれたカードを渡されたけれど、怖くて無視しました」(東京都・37歳)

後日この方は、まったく別のご近所さんとおしゃべりをしていたとき、「あの人は怪しいネットワークビジネスをしているから気をつけてね」と教えてもらったそう。

しかも「私の住んでいるうち」といっていた六本木のタワマンは、そのマルチの会社が勧誘のためのに借りている部屋で、その人自身は別の場所に居住しているというのです。
「いかにも成功していてお金持ちの富裕層っぽい雰囲気が、ビジネスのためにつくりこまれたものだったのかと知りびっくりしました」

非日常なひとときを楽しめるホームパーティ。ついつい心を許してしまいそうになりますが、怪しい人たちはそういう隙を狙ってくるのですね。

●おかしいと思ったらすぐに帰りましょう

こういった怪しい勧誘への対策法としては、すぐ誘いにのらず、家族や友人など信頼のおける人に相談したり、自分から調べてみること。「情報を集めて冷静に考える時間をもつ」ということを意識するといいかもしれませんね。

もし怪しいビジネスや宗教の信者に取り囲まれたり、異様にきらびやかな空間に連れて行かれたりしても、その場の雰囲気に流されて金銭の授受や契約を急がないこと。おかしいと感じたら、すぐに帰るようにしましょう。