(出所:TradingView)

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年初からの相場下落で寄せられる個人投資家の悲痛な悩みとは?

 年初からの株式市場の下落を受けて、個人投資家からの弱気な声が増えている。2月末時点における日経平均の今年のパフォーマンスは-7.9%、TOPIXは-5.3%、新興市場ではマザーズ指数が-26.5%と壊滅的な下げである。米国市場も苦戦しておりNYダウが-6.7%、ナスダック指数が-12.1%と厳しい状況だ。3月に入ってからはロシアによるウクライナ侵攻という痛ましい有事により、マーケットは一層ダウンサイドリスクが高まり、株価は日々乱高下する状況が続いている。

「相場が急落しているから、積立投資はもうやめたい」
「NISAをやっているけど利益がマイナス!…後悔の日々」
「マーケットってこんなに下がるんだ…、積立しなきゃよかった」

 このような個人投資家の悩みが私の元にも寄せられている。単発での株式投資や投資信託の投資ならその心の苦痛はよくわかる。なぜなら市場全体の下落で投資先の個別銘柄や投信も大きく下落しており、投資簿価に対して含み損を抱えている状況だからだ。しかし、「相場が急落しているから、積立投資はもうやめたい」って、これって変じゃね?

積み立て投資は10年、20年スパンの長期投資が基本

 最近の相場で見かけるこのような「あるある」投資家の悲痛な悩みに対して、もし皆さんがアドバイスするとすれば、次の4つの選択肢のうちどれを選ばれるだろうか?

 1. もう積み立てはおやめなさい
 2. 金額を減らすか、お休みしなさい
 3. 解約して安全資産に振り向けよう
 4. 続けた方がいいんじゃないの?

 正解はもちろん4である。積立投資は当然、10年、20年スパンでの長期投資が基本となるが、過去の相場を振り返りつつ、積立投資の優位性やあるべき投資スタンスについて見てみよう。

 図表は2000年頃から現在までのTOPIX市場の動きをチャート化したものだ。私が赤丸で印をつけたところにおいて株価は急落している。赤丸ではどんなことが起こっていたのかを思い返して欲しい。皆さんはすべて答えられるだろうか?

 古い順から、1つ目がインターネットバブル崩壊、2つ目がリーマンショック、3つ目がチャイナショック、そして4つ目がコロナショックである。いずれも下落率がかなり大きく、市場参加者にとっては胃が痛くなるような局面であったはずだ。

積立型投資にとって株価暴落は格好のチャンス

 しかし、積立投資をする視点でこれらの急落を今から振り返ってみればどうだろうか? 次の「○○○○」に当てはまる言葉を入れて欲しい。

 ・インターネットバブル崩壊は「○○○○」だった
 ・リーマンショックは「○○○○」だった
 ・チャイナショックは「○○○○」だった
 ・コロナショックは「○○○○」だった

 今回の下落も「○○○○」になってきた…。答えは「チャンス」である。もちろん「チャンス」でなくとも「投資機会」や「買いどき」「バーゲン」、それから「しめしめ」「ぼろ儲け」などなど、それに近いものであれば正解にしておこう。

 積立型投資は毎月一定額を投資していく手法なので、「いかに安いところで買えるか」が重要になってくる。安いところで買うということは同じ金額の投資でも簿価が低い分、買える口数や株数が増える。すなわち簿価を下げる効果が働き、それが「将来の利益の源泉になる」ということだ。これが時間的分散投資の効果であり、「ドルコスト平均法」と呼ばれるものだ。

単発型投資は時間的分散効果は少なく、暴落を回避することが重要

 一方、単発型投資においては、「いかに目先の下落を回避するか」が重要になってくる。なぜなら下落に巻き込まれると資産が即、減少するからである。時間的分散投資の効果は少なく、あくまでも投資タイミングが重要となってくる。要するに2つの投資手法は正反対の立場にあると言ってよい。

 私がこのコラムで度々述べている「リスク管理」についてであるが、両者において「リスク管理するの、しないの?」についてもすぐに答えが出ると思う。積立型投資は「いかに安いところで買えるか、それが将来の利益の源泉になる」なのでリスク管理は不要である。時間的分散効果でリスクが十分に分散される。一方、単発型投資は「いかに目先の下落を回避するか、下落に巻き込まれると資産減少」のためリスク管理が必要となってくる。

 読者の皆さんの投資スタンスをもう一度チェックしていただき、今後どう対処すればよいのかを考えていただきたいと思う。

●太田 忠

DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。プロが評価したトップオブトップのアナリスト&ファンドマネジャー。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもメルマガ配信などで活躍。