10月の代表シリーズでは不完全燃焼に終わった久保。マドリー戦での奮起に期待がかかる。(C)Mutsu KAWAMORI

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 スペイン全国紙『MARCA』のマジョルカ番、セルヒオ・アモロス記者が嘆き節だ。

 今回のインターナショナル・ウイークで、マジョルカは所属する3選手を各国代表チームに派遣した。そのいずれもが、長い移動距離にもかかわらず満足の行く出場機会を得られず、疲労だけを蓄積させて帰還したと論じている。

 今季ここまで8戦連続フルタイム出場中の主軸DF、マルティン・ヴァリエントはスロバキア代表に招集。パラグアイとの親善試合でこそピッチに立ったものの、肝心のEURO2020予選・ウェールズ戦で出番は訪れなかった。続けて今夏加入の北マケドニア代表MFアレクサンダル・トライコフスキはスロベニア、ポーランドとのEURO予選2連戦で、ポーランド戦の残り16分間のみ出場。そしてご存知のとおり、日本代表MF久保建英は森保ジャパンの10月シリーズで、わずか4分間のプレータイムを得ただけだ。

 アモロス記者は次のように綴っている。

「移動距離はヴァリエントが3000km、トライコフスキが5000km、そしてタケにいたっては2万2000kmに及んだ。合わせて3万kmである。(マジョルカの)ビセンテ・モレーノ監督にしてみれば、かならずしも面白くない状況だろう。それぞれが代表チームでどのように扱われ、正確にいつ戻ってくるかも分からないなかで送り出しているのに、3人ともきわめて短い出場時間しか与えらなかったのだから」

 
 さらに久保に関しては、より突っ込んだ論調を展開した。

「とりわけタケは、もっとも酷い仕打ちを受けたと言える。埼玉でのモンゴル戦では起用されず、ドゥシャンベに戦いの場を移したタジキスタン戦の終盤でようやく投入された。マジョルカで着実に自信を深めているアタッカーは、たった4分間のために1週間で2万2000kmもの移動を強いられたのである。大きな疲労を抱えて帰還したことは言うまでもない」

 マジョルカは土曜日にマドリーとのホームゲームを戦う。久保にとってはレンタル元が相手だが、契約上は出場が許可されている。ヴァリエントとトライコフスキは火曜日からチーム練習に復帰しているが、久保は試合前日の金曜日にずれ込んだ。やはりベンチスタートが現実的だろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部