なぜ? 寿司チェーン「すしざんまい」が横浜中華街に出店したワケ

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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
中華街にオープンした24時間営業の寿司店「すしざんまい」は、中華じゃないのになんで中華街に出店したんですか?(XYZさん,たまごさんのキニナル)


2011年3月3日に「すしざんまい横浜中華街東門店」がオープン。

中華街に築地の寿司屋が出店するというニュースは各メディアでも大きな話題となった。

オープンして11ヶ月。すしざんまい横浜中華街東門店で、出店のいきさつや中華街に対するスタンス、お店の特長、客層などについて、店長の中田有一さんにお話をうかがった。

■なぜ中華街?

すしざんまいは、10年前に築地場外市場にオープンし、手頃な価格で上物の寿司を提供する店として都内を中心に年々店舗数を増やし続けているチェーン店で、廻転寿司店舗もあるが、ほとんどはオーダー方式。年中無休で24時間営業の支店が多いのが特長。

神奈川県には店舗のなかったすしざんまいだが、築地の店には、夜中、横浜から車を飛ばして来るお客様がけっこういた。このことから、横浜でも年中無休で24時間営業という店が受け入れられると判断し、当初は、桜木町や関内に出店する案もあったらしい。

ところが、神奈川県への初出店は中華街に決まった。年中無休24時間営業という点で、ぴったりの条件を持っていると出店を決定したのは、すしざんまいを運営する「株式会社 喜代村」木村清社長。当初は、社内でも中華街ということに関して不安視する向きもあったという。

地元の人、近隣のオフィスに勤めるビジネスマン、海外からの観光客などを呼び込める中華街の立地と、営業形態に合う店舗が見つかったことも大きな要因となった。

結果的に「中華街の寿司屋」というギャップに各メディアが食いつき宣伝効果もあがった。

一方、オープン時の新聞報道で、横浜中華街発展会協同組合の林兼正理事長もすしざんまい出店を歓迎するコメントを出している。

横浜中華街発展会協同組合について中田店長にうかがうと、すしざんまいもこの組合に加入しており、中華街全体で行う行事には参加しているとのこと。純粋な日本の企業でこの組合に入ったのは、すしざんまいが初だそう。
 

お店には、横浜中華街発展会協同組合の林会長も何度か足を運んでいる。「いくつかアドバイスをいただき、ご指摘いただいたことはさっそく反映しました。とてもありがたいですね」と店長の中田さん。

中華街で働く人の来店も多いとのこと。街のイメージとはかなり違う店を中華街は暖かく迎え入れ、店の方でも地域密着ということを大事にしている様子だ。

■はじめは特に厳しかった営業

全118席、3階まである横浜中華街東門店だが、現在は3階を使っていない。

営業的にやはり中華街で寿司というのは少し厳しいらしい。

オープンして1週間で東日本大震災が起こったことも響いた。

それでも徐々に人出が戻ってきて、それからこの店にも人が入るようになってきた。

客層では、やはり観光客は少なく、近隣の方が多いそう。面白いのは、中華料理店で食事をした後で、少しだけお寿司をと来店する方がいるということ。気の張る宴席の後などにお寿司というのはなんだかわかる気がした。

■さすがのマグロとお得なパンダセット

初競りで大間の本マグロが5649万円という史上最高額で落札されたことが今年はじめのニュースで流れた。

実は、このマグロを競り落としたのが、すしざんまいを運営する株式会社喜代村の木村社長。

社長は、マグロ大王というニックネームを持つほどマグロに思い入れがある。競り落としたマグロは社長の手で切り分けられ、各店にその日のうちに届けられ、ひとり1貫という制限は設けたものの、普段通りの「本鮪にぎり」の値段で提供された。

落札価格を考えたら1貫1万5千円程度になるものが、134(赤身)〜418(大トロ)円(税込)という安さとあって、各店あっという間に売り切れてしまったとのこと。

それには間に合わなかったけれど、「極上本まぐろ 初セリ祭」というキャンペーンで、本マグロの大トロ、中トロ、赤身の3貫が598円(税込)というセットがあったので、こだわりのマグロを試食してみることにした。

ついでに、このお店と上野店だけでやっているパンダセットも頼む。こちらは、握り6貫に巻物、茶わん蒸し、アサリの味噌汁、アイスクリーム、そしてパンダのぬいぐるみがついてきて、980円(税込)だ。

まずは本マグロのセット。長目に取られた本マグロは厚みもしっかりしていて旨味が濃い。大トロのとろけるような味もいいが、赤身の香りが素晴らしい。中トロはその両方を楽しめる。小ぶりのシャリはふんわりと握られ、尖ったところのない穏やかな味でネタの個性を引き出す。

人気ネタが集まったパンダセットもおいしい。柔らかくねっとりとしたイカと、シャキシャキした芽ネギの巻物が入っていることで、食感のアクセントも楽しめる。

この価格でこれだけレベルの高い寿司というのは、かなりお値打ちだ。

中華街特別メニューのフカヒレ寿司やソフトシェルクラブの揚げ物は、ほとんど出ないらしい。観光客が入らないので、それも当然。

このお店でも人気メニューは中トロ、赤身、サーモン。ほかの支店と変わらないとのこと。

■中華街としてのアイデンティティ

すしざんまいの前を通る人に声をかけると、ほとんどの人が観光客で「中華街にはお寿司屋さんがなくてもいいんじゃない?」といった答えが返ってくる。

東京からいらしたキイタンさんとカヨっこさんは、「はじめは、なぜ?と思ったけど、地元の方が入るお店と聞いて納得しました。ただ、これからスターバックスやマクドナルドみたいなお店がどんどん入ってきたら中華街でなくなってしまう。そこは心配ですね」とのこと。

確かにチェーン店ばかりになったら中華街らしさが薄れてしまう。

ただし、すしざんまいは中華街に溶け込み、根を下ろすことを前提に営業しており、中華街サイドも歓迎している。
 

それに、中華街もメインストリートを少し外れると実はいろいろなお店がある。
 

何軒かカテゴリーからはみだしたお店があっても、それが中華街のイメージや楽しさにふくらみを持たせる営業を行うなら、街として新しい魅力も加わるかもしれない。

■取材を終えて

近隣の人にとっては、手頃な価格でおいしいお寿司屋さんが24時間365日開いているとなれば利用価値は高い。

「中華街でお寿司なんて」と思っていたけれど、実際に食べてみてすしざんまいはお店選びの選択肢に確実に入ってきた。

中華街は新陳代謝の早い街。ここ数年は特に拍車がかかり、雰囲気ががらりと変わってきた。今では本通りに韓流のグッズショップまである。


すしざんまいを含め、ターニングポイントを迎えた中華街の今後を見守っていきたい。

※本記事は2012年2月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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