30日、シンガポールでのアジア安全保障会議で発言するヘグセス米国防長官=ロイター

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 【シンガポール=池田慶太】米国のヘグセス国防長官は30日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、太平洋地域で急速に軍備増強を進める中国に対処するため、全ての同盟国・パートナー国に国防費を国内総生産(GDP)比3・5%に引き上げるよう要求した。

 欧州に続き、アジアでも負担増を強く求めるもので、「(役割分担の)責任を果たそうとしない国」との協力関係を見直す方針を明らかにした。

 ヘグセス氏は演説で、中国が「歴史的な軍事力強化」を進めていると警戒感を示し、「中国を含むいかなる国も、覇権を押し付け、米国と同盟国の安全や繁栄を脅かすことはできない」とけん制した。米政権の国防に1兆5000億ドル(約240兆円)を投じる計画に触れ、地域の米軍態勢を強化すると述べた。

 一方、「この地域の安全保障は米国に過度に依存してきた」と苦言を呈した。米国単独では「負担を担えないし、担うべきではない」と強調。米国への「ただ乗り」が続く時代は「終わった」とし、各国に国防費の増加を要求。集団防衛の役割を果たさない国との関係は見直すと警告した。

 北大西洋条約機構(NATO)は昨年、国防費をGDP比で3・5%まで、関連費を含めた額を5%まで引き上げることで合意している。ヘグセス氏は今回の演説で、関連費を除くNATO水準を要求した形だ。

 日本は昨年度、補正予算を含めてGDP比2%を達成し、さらなる上積みを目指している。ヘグセス氏は日本の防衛力強化について、「大きな期待を寄せている。正しい方向に向かっている」と語った。

 中国への批判は抑制的で、演説では台湾問題に言及しなかった。「米中関係はここ数年で最も良好だ」と述べ、偶発的衝突を避けるために軍同士の対話を続けると説明した。