長時間労働で自殺の息子 母親が勤務先企業と和解会見 共同作成の再発防止マニュアル公表
5年前、大阪に本社を置く大手機械メーカーに勤務していた富山県出身の男性が、海外の赴任先で死亡した労働災害を受けて、男性の遺族と勤務先だった会社がきょう、会見を開きました。和解したことを明らかにしたうえで、共同で作成した再発防止のマニュアルを説明しました。
上田優貴さんの母・直美さん
「どのような仕組みがあれば息子は命を落とさずに済んだのか」
「同じような苦しみをこれ以上誰にも経験してほしくない」
優貴さんは5年前、赴任先のタイで、時間外労働が月およそ150時間にのぼったうえ、慣れない業務によるミスで上司から叱責される日々が続いたことなどで精神的に追い詰められ、27歳のとき、自ら命を絶ちました。労働基準監督署はおととし、労災と認定しました。優貴さんの母・直美さんは、会社側に事実の認定と謝罪を求めるとともに、再発防止に向けた海外派遣者の健康管理マニュアル作成を提案して協議を重ねてきました。
きょうの会見では、会社側が遺族に謝罪し和解が成立したことに加えて、マニュアルを発表しました。
上田優貴さんの母・直美さん
「心理的安全性を構築してほしいと言った、再三強くお願いしたのは、初回の海外派遣で途中つらくなったら帰りたいと言っても良いこと」
「1年半かけて海外での働き方を考えた過程は貴い。(息子は)分析調査して1年後に報告してねと言うと思う」
マニュアルでは、赴任前に業務内容を明確に伝え家族にも通知するほか、帰宅後の作業や移動も業務とし、労働時間管理を徹底することなどを定めています。
上田優貴さんの母・直美さん
「このマニュアルはゴールではなくスタートライン。日本全体のスタンダードへ発展することを願う」
今後は現場の意見を踏まえて、随時マニュアルを見直すとしています。
