NYに「トランプ&エプスタイン・ファイル図書館」が出現! 350万ページが問い直す権力の闇
【トランプ2.0 現地リポート】
エプスタイン問題とイランは地続き…異例の「メラニア演説」で広がる波紋、トランプ大統領の性虐待疑惑が再燃
ニューヨークの街角に突然現れた図書館が大きな話題を呼んでいる。
「トランプ&エプスタイン・メモリアル・リーディングルーム」
350万ページものエプスタイン・ファイルを展示する、期間限定ライブラリーだ。
エプスタイン・ファイルとは、未成年者への性的暴行や人身取引の疑いで逮捕され、2019年に拘置所で死亡した実業家、ジェフリー・エプスタイン氏に関する捜査資料の総称だ。司法省は今年1月、ようやく膨大な記録を公開したが、多くは黒塗りだった。政治家や著名人、トランプ大統領の名前も登場はするが、犯罪への関与を示すものではない。トランプ氏は一貫して不正行為を否定している。
5月21日までの2週間、予約制で一般公開されている無料ライブラリーは、この事件の傷痕と隠蔽疑惑を可視化している。
両側の壁にはぎっしりと白いファイルが並ぶ。その数3437冊、総重量は8トンという圧倒的な規模だ。
「ファイル自体はネットで閲覧できても、この規模感はわからない」
ニューヨーク・タイムズの取材に、主催する非営利団体の代表はそう語る。
中央には白いカーテンに囲まれ、無数のキャンドルが並ぶ。少なくとも1200人、最年少は14歳という犠牲者を象徴するものだ。
その横に、トランプとエプスタイン、2人の交流を写真と文字で記した年表が壁一面に広がる。1989年に出会ってからの親密な交際、トランプ氏の行動や発言を、訪れたニューヨーカーは食い入るように読んでいる。
ヨーロッパではエプスタイン事件をめぐって、王室関係者や元政治家が捜査や逮捕の対象になっている。それに対し、アメリカで罪を問われたのは、エプスタイン本人と共犯者のギレーヌ・マクスウェルだけだ。
一方、犠牲者へのハラスメントや脅迫は絶えない。彼らの実名や極めてプライベートな虐待の証言が、黒塗りされないまま公開されるという、重大な「ミス」も起きている。
「有力者は守られたのに、私の名前は世界にさらされた」
5月12日に開かれた連邦議会の公聴会では、怒りの声が上がった。
アメリカ人の75%は、党派を超えて事件の全容解明を求めている。エプスタイン事件がトランプ氏のアキレス腱となる可能性は、まだ消えていない。
(シェリーめぐみ/NY在住ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
