海外不動産投資家の宮脇さき氏が、自身のYouTubeチャンネルで「【レイ・ダリオの警告】米国債は最も安全な投資先ではない!米国の金融システムはやがて機能不全に陥る!?」と題した動画で、著名投資家レイ・ダリオ氏が、長期リターンが年利1.2%に過ぎない金をなぜ「資産の15%」も保有すべきだと警告するのか、その背景にある米国経済の現状を解説した。

ダリオ氏は、金(ゴールド)を長期的に見れば「金は年利1.2%ぐらいの利益しか生まないものだ」と指摘する。これは、株式や債券のように配当や利子を生み出さない「非生産的」な資産と捉えているためである。しかしその一方で、同氏はポートフォリオの10~15%を金にすべきだとも主張しており、一見矛盾しているように見える。この発言の真意は、経済状況を「平時」と「有事」に分けて考えるダリオ氏独自の視点にある。

ダリオ氏によると、経済が順調に成長している「平時」において、金は資産を増やすものではなく、インフレから資産価値を守るための「保険」的な役割しか持たない。しかし、現在の米国経済は「平時ではない」とダリオ氏は診断する。

ダリオ氏は米国の巨額な債務問題を「金融の心臓発作」と表現。国家の債務と利払い費の増加が、まるで動脈に蓄積する「プラーク」のように金融システムを蝕んでおり、いずれ機能不全に陥るリスクを孕んでいると警告する。この状況を解決するために米国政府が取りうる選択肢は、「痛みを伴う改革」「デフォルト」「通貨の切り下げ」の3つだが、政治的な理由から最も可能性が高いのは「通貨の切り下げ」、つまり意図的にドルの価値を薄めることだと分析している。

これが、ダリオ氏が「今は有事だ」と判断する根拠である。近年の金価格の上昇は、金の価値が上がったというよりも、金を測る物差しであるドルや米国債の信頼性が低下したことによる「相対的な」価値の上昇だと氏は捉えているのだ。

ダリオ氏は、個人投資家が「平時」か「有事」かを判断するのは困難であるとした上で、「私の判断としては今は間違いなく有事である」と公表。だからこそ、戦略的に保険として資産の10~15%の金を保有すべきだとアドバイスする。金は資産を増やすための投資対象ではなく、自らの資産を守るための「金融温度計」としての役割を担っているのである。

チャンネル情報

宮脇さき@海外不動産個人投資家として資産運用しながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングの他、海外移住アドバイザーとしても活動登録者10万人超えのYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営