男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「夏のデートで男が気になった女のとあるコトとは?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:100年の恋が冷める瞬間!?汗ばむ夏のデートで、女が犯してしまった失態とは




この日は、マッチングアプリで出会った裕子と二度目のデートだった。

予約したのは麻布十番にある、カウンター8席の高級鮨店。この時点で僕の本気度は、きっと彼女には伝わっていたと思う。

なぜなら初デートで、僕は裕子のことを気に入ったからだ。

しかし二度目のデートで汗だくでやってきた裕子を見て、僕はいろいろなことを考えてしまった。

高級鮨店で、カウンター席でのデート。

特に夏のこの時期、僕はあることがとにかく気になって仕方なかったのだ…。


A1:明るくて話が合うなと思った。


裕子と出会ったのはマッチングアプリだった。何人かから「いいね」が来ていて、流しながら見ていたけれど、パッと目を引く可愛い子がいたので思わずスクロールしていた手が止まる。それが裕子だった。

もちろん「いいね」を返し、僕たちはマッチングした。

すぐに会うことになったので、「グランド ハイアット 東京」の『フィオレンティーナ』でお茶をすることになった。




「裕子さん…ですか?」
「そうです。はじめまして」

待ち合わせ場所にやってきた裕子は白いワンピースがよく似合っており、清楚な感じで、写真そのままの可愛さだった。

― めちゃくちゃ可愛いじゃん!

「裕子さんは何を飲まれますか?」
「暑いので、アイスラテにしようかな」
「いいですね。最近毎日暑いですよね」

テンションが上がったことを悟られないようにしようとするけれど、つい浮き足立つ。

でもそんな僕と同じように裕子もノリが良くて、話しやすい子だった。しかも共通項も多い。

「え!奏多さんも慶應ですか?」
「裕子さんも?学年は違うけど、共通の知り合いとか絶対に多そうですね」
「どこのサークルでした?」

大学が一緒というだけで、どうしてこんなに親近感を覚えるのだろう。話は盛り上がり、初対面だけれどお互いいろいろな質問をし合う。

「裕子さんは、なんでマッチングアプリを使っているんですか?こんなに綺麗だし、話をしていても楽しいから、すごくモテそうなのに…」

可愛くて性格も良い裕子。普通に生活していても出会いも多そうだし、僕となぜマッチングしたのかが気になった。

「あまり飲み歩かないので、本当に出会いがなくて。そういう奏多さんのほうこそ」
「僕もですよ。仕事ばかりしていたら、完全に婚期を逃しました(笑)」
「なんのお仕事をされているんでしたっけ?」
「僕はコンサルです」

お互いの話や相手へ質問を繰り返しているうちに、あっという間に2時間が過ぎている。

― ヤバ。この子いいかも…。

そう思ったので、外へ出たタイミングで次のデートに誘ってみた。




先に支払っていた僕に、きちんとお礼を言う裕子。

「いいんですか?ごちそうさまです」
「もちろんですよ。むしろすごく楽しかったです!次は…食事に誘ってもいいですか?」
「…はい!!」

その時だった。不意に裕子が長い髪をかきあげ、うなじの辺りを手であおぎ始めた。

「…あっつ」

その仕草が妙に色っぽくて、そして綺麗で…。思わず僕は裕子のうなじをガン見してしまった。

すると何かに気がついたのか、パッと髪をおろしてしまった裕子。

「あ、すみません」
「いえいえ。髪、綺麗ですね」

この夏の暑さのせいなのか、裕子が醸し出すフェロモンなのか…。体が熱い。

気持ちが上がったまま、僕は次のデートを迎えた。


A2:汗よりも鮨屋のカウンターでハンディ扇風機が気になった。


二度目のデートまでに、何通もLINEのやり取りをしていた。お互い敬語が取れ、デートへの期待値が上がる。

しかしそんな二度目のデート。

19時に麻布十番の鮨屋を予約していたのだけれど、裕子から「遅れる」と連絡が入った。

先に到着していた僕は大将に同伴者が遅れる旨を伝え、詫びを入れながら待つ。すると、10分強ほど遅れたタイミングで裕子がやって来た。

「遅れてすみません!!出る直前に仕事の電話がかかってきて、タクシーが捕まらなくて…」

遅れてきたのはダメだけれど、仕事だったならば百歩譲ってしかたないとしよう。

それに、裕子はとにかく汗だくだった。

でも夏だし、汗をかくのは当然のこと。しかも裕子は今日に限って、汗がわかりやすい色付きのワンピースだったので、さらに汗が目立ってしまっていたのかもしれない。

「ううん、大丈夫だよ。大変だったね」

たぶん本人も気にしていると思うから、あえてそこは触れずにいよう。そう思った。しかし僕は次の行動に、思わず目が丸くなる。

「あっつい…」




そう言うと、カウンター席で髪をバサッとかきあげ、手で持つタイプの扇風機を首の周りに当て始めた裕子。

― とりあえず、ここではやめようか。

他のお客さんや大将がいる前で、髪をかきあげながら、ハンディの扇風機をガーガーと当てるのはどうしたものだろうか…。

― うわ〜下品。

そう思ってみているとまさかの裕子は、そのハンディの扇風機を無造作にカウンターに置いたのだ。

鮨屋のカウンター席には、スマホさえ置くのはNG。そんなことも知らない裕子を連れてきた僕にも責任がある、と思わずうなだれそうになる。




大将にこっそり目くばせで「ごめんなさい」と伝えると、苦笑いをしている。

それだけではない。さっきから裕子は僕と目を合わせようとしない。そのせいか、初回ほど会話も盛り上がらない。

「裕子ちゃん、なんか今日雰囲気違う?」
「え?そうかな」
「うん。前より静かというか、なんというか…」

― 楽しくないのかな?

下を向きがちで、目を合わせない裕子に気を使う。

食事の中盤で裕子が化粧室に行って、戻ってきてからは普通になったけれど、初回の時に感じた胸の高鳴りはもうない。

「ううん。今日の裕子ちゃん、なんか面白いね」
「そうかな。で、何を話していたっけ?」
「今年の夏は何をしたいかって話かな」
「そうだった!私は鎌倉に行きたいな」
「鎌倉いいよね。逗子とか?」

夏場の汗は目をつぶるとしても、その前後の言動に問題がある。

それに汗っかきならば時間に余裕を持って準備するとか、軽減させるための方法はいくつかあると思う。

手で持つタイプの扇風機を、熱中症対策として使うのは別にいい。でも使用方法にもマナーがある。

― この子、なんか違うな…。

そう思った途端に冷めてしまい、僕はこのデート後、裕子を恋人候補から外すことにした。

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女が疑う男の言動