親族とテレビ電話で再会した男性(画像は『The Pattaya News 2021年8月1日付「Man rescued from well in Sattahip turns out to have been missing for fifteen years after family recognizes him online」』のスクリーンショット)

写真拡大

ソーシャルメディアの普及により幼なじみや旧友と再会したり、疎遠になっていた相手と再び仲良くなったという経験を持つ人も少なくないだろう。このほどFacebookのある投稿がきっかけとなり、15年ぶりに家族と再会した男性のニュースがタイから届いた。『The Pattaya News』などが伝えている。

【この記事の動画を見る】

去る7月23日、タイ・チョンブリー県サッタヒープ(Sattahip)で誤って井戸に転落した男性が無事に救出された。そして驚くことに、彼は2006年にスリン県の自宅から突然姿を消したまま行方不明になっていたことが判明したのだ。

その男性、ラメード・ムーアンマイさん(Lamead Mueanmai、55)は深さ17メートルの井戸を覗きこんだ際に誤って転落してしまい、叫びながら助けを求めたが誰にも気づかれず5時間ほど待って近くの住民に発見された。その後、現場に駆けつけたクレドケウ(Kled Kaew)自治体の救助隊がロープを使って15分かかって救出した。

この救出劇と井戸に転落したラメードさんの写真はクレドケウ自治体のFacebookに投稿され話題となり、それを見た彼の親族が「写真の男性は長らく行方不明になっている叔父に違いない」と同自治体に連絡したという。

親族によると、これまで誰もラメードさんを見かけたり彼の噂を聞くこともなかったが、亡くなったという連絡も入らなかったため「どこかで生きている」と信じていたそうだ。

連絡を受けたクレドケウのヨサワット・プワラレックン村長(Yossawat Puwaratlertkun)はラメードさんの家を訪ね、家族が再会を望んでいることを彼に伝えスリン県の親族とテレビ電話を繋げた。彼らは15年ぶりの画面越しの再会に涙を流していたという。

ヨサワット村長はラメードさんが故郷に戻れるように手続きを進めることを約束したが、コロナ禍の厳しい行動制限でチョンブリー県からスリン県に移動するにはいくつかの条件をクリアしなければならなかった。

そして8月11日、ヨサワット村長がメディアに対してこのように発表した。

「ラメードさんのCovid-19検査は陰性でした。 また彼がチョンブリーからスリンの家族に会いに行くための書類もすべて準備ができました。ラメードさんはプラチンブリまで私たち自治体の車で向かい、そこからスリンのレスキュー隊が彼の家まで連れて行きました。」

「ラメードさんは無事に到着し、家族のもとに戻っています。彼の家族は私たちと彼がお世話になったサッタヒープの人々に感謝の言葉を述べました。15年も連絡を取っていなかったのでとても喜んでいます。」

さらに村長は、家族が再会した時の写真を公開した。

ラメードさんが15年間も行方不明になっていた理由やその間に何をしていたのかについて本人は詳細を明らかにしておらず、サッタヒープの森の小屋でほぼ自給自足で生活していたと見られている。

画像は『The Pattaya News 2021年8月1日付「Man rescued from well in Sattahip turns out to have been missing for fifteen years after family recognizes him online」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)