「退所は、やりたくない仕事を入れられ、彼女の『我慢の限界』が来たことが原因。周囲には『お笑いの仕事以外もしたいのに、事務所からはバラエティのロケやひな壇の仕事ばかり入れられてしまう』と漏らしていました」(事務所関係者)

【画像】ボランティアに励むブルゾンちえみ

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 インスタグラムでワタナベエンターテインメントからの退所を発表したお笑い芸人のブルゾンちえみ(29)。「円満退社」を強調したが、内実は事務所との“方向性の違い”だった。

 ブルゾンは15年、事務所付属の養成所を卒業し、芸人デビューを果たした。

「17年にお笑いコンビ、ブリリアンと『ブルゾンちえみ with B』を組むとこれがハマった。R-1の決勝に残り、決めフレーズの『35億』が流行語に選出されるなどブレイク。活動の幅を広げ、女優デビューもした」(スポーツ紙記者)


島根大学時代は陸上部所属

 ファッションアイコンとしても人気を博し、インスタでは225万人ものフォロワーを擁する。

「彼女の通う表参道の美容室には地方からもファンが訪れ、『同じ髪型に』とリクエストすることも」(同前)

 芸人としては早咲きだが、最初から芸人志望ではなかった。デビュー当初の芸人仲間が明かす。

「ブルゾンは養成所で、芸人コースではなくタレントコースに所属していた。転機は事務所のマネージャーのベビーシッターをアルバイトでやったこと。そこで『お前、面白いな』と見初められ、芸人コースに転向したそうです」

蓄積していったブルゾンちえみの「不満」

 しかし、“芸人仕事”ばかりの中で、ブルゾンの不満は蓄積していった。前出の事務所関係者が明かす。

「昨年、彼女から退所の申し出があり、事務所は『それでは弁護士を立ててくれ』と要求し、話し合いを続けました。事務所としては後々揉めないように、というつもりだったのでしょう」

 結局、今後は芸名を使わずに本名の藤原史織として活動すること、イタリアへ留学することで決着。

「ブルゾンは本来真面目な性格で、18年、故郷の岡山が豪雨被害に遭った際にはボランティアに参加。実は、社会的メッセージを発信する仕事をやりたいという願望があるんです。イタリア留学も仕事の幅を広げようと、語学学校に通って準備していた」(同前)

 一方で、芸能ジャーナリストはこう指摘する。

「所属事務所のワタナベは芸能界に広範な影響力を持つ老舗。ブルゾンも辞めてすぐテレビで“お笑い以外の仕事”ができるとは思っていないだろうし、だからこそ芸名を捨て、留学という冷却期間を置くことにしたはず。しかし今後はSNSでも『ブルゾンちえみ』の名を使えなくなるわけで、新たに一から知名度を積み上げるのは簡単ではない」

 ブルゾン退所の経緯について事務所に尋ねたところ、「(本人が)3月18日にInstagramにアップしたコメントが全てになります」との回答だった。

 芸能界をサバイブするチエをミせられるか、正念場。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月2日号)